Last Update : 2012/2/8  戻る

酸ヶ湯ガイドツァー三昧


2012年1月9日〜12日

メンバー:田中(秀)、他会員外3名

会員4氏と別れ、知人と酸ヶ湯で合流することになり、都合6泊の酸ヶ湯暮らしとなった。フロント、仲居、雑用係の人達とも顔なじみとなり居心地がよい。彼等彼女等は約40名が交代して住み込み働きで、青森駅からの送迎バスは通勤バスの一面を持っている。さて、会員外3氏とは9日夕合流し、10、11日とガイドツァーを楽しんだ。

 10日 午前中は前嶽に登り銅像ルートを滑る。ころルートは会員にも体験者が多く語る必要はないだろう。午後はツァーガイドのリーダー其田隊長が珍しく参加者の希望を訊いた。元々13:30スタートで行けるコースは限られているのだが中央ルートという少々クラシックな歩き主体のコースに行くことになった。田茂萢岳の南斜面を下りると大きな斜面はなく、樹氷原の散歩となっる。時折薄日の射す幻想的な冬の高層湿原・毛無岱を歩くことは、私達には気持ち良いがガイドは大変である。ガイドのS氏とH氏が交代で懸命のラッセルを続けるが、少しでも登る場面を無くそうとする隊長の叱咤は厳しい。これも普段は利用しないルートでのガイド教育の一環なのであろう、隊長の頭には木々1本1本のデータが入っているようでその指示は実に的確であった。

 このルートのクライマックスはホームである酸ヶ湯温泉に飛び込む斜面である。そう、正面玄関・駐車場の左手に開けているバーンを滑り、ツァー打ち上げとなる。先に滑った人は誰もが次の人の滑りを注目し、宿の人やお客さんもギャラリーとなる。迎えのバスを待つことなく早々に温泉にも飛び込める極楽ルートであった。

 以下参考タイムを記す。
13:30 ロープウェイ山頂駅発、田茂萢岳南西1230mラインから寒水沢1080m付近まで滑り込み、14:00毛無岱ヒュッテ跡着。小休止後、15:15酸ヶ湯上の970mライン着。15:20酸ヶ湯帰着。

 11日 昨夜来の雪が激しい。定番の変形モッコ沢コースを午前中に2本滑る。ガイド氏の読み通りで雪は激しくなる一方である。午後もモッコ沢意外には出られない。2時間弱の昼食休憩の間に、午前中のトラックは全く消えている。臍までの深雪、舞い上がる雪煙でゴーグルは下面が凍り付いて曇り、緩斜面になると板は滑らず、前に進めない。この降雪の問題点はもう一つあった。虎バサミのような罠である。あまりの急激な降雪に足の太さもあるブナの大きな枝が折れる→雪面上に横たわる→フカフカ雪がそれを隠す→圧密されていない雪の中をスキー板トップが走る→横たわった折枝の下にスキー板が入る→大転倒、の構図である。折れ枝を探して上を見て滑ることもできずトップを滑る人は運を天に任すしかない。今回のトップは当然ガイド氏であるが彼は3回もこの災難にあってしまった。

 12日 雪は一向に止む気配なく、むしろ酷くなっているようである。昨夜来の積雪は70p台とかで、今日はロープウェイを離れて遊ぶことはできず、下りもラッセルで苦労しそうだと昨日痛い目にあったガイド氏がぼやく。今日の帰京は結果正解であったようだ。

(田中(秀)記)



毛無岱付近の風景


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