Last Update : 2012/2/8  戻る

妙高・三田原山
偵察山行


2012年1月28日〜29日

メンバー:C.L:菅澤、M:加瀬、田中(秀)

昨12月半ば過ぎから暖冬傾向が一蹴され、本格的なスキーシーズンに突入している。しかし、ニュースで騒がれる程の豪雪は地域が限られているようだ。かねてから計画していた乗鞍岳北面の四ッ岳付近では、平湯スキー場の積雪量が1月半ばになっても75p、今週の寒波到来でも85p止まりである。これは、この地域での平年比の50%程度である。

 よって、この週末は3月定例に予定されている妙高・三田原山に転進した。28日正午過ぎ、練馬区・光が丘を車で出発、途中圏央道を寄り道しTをピックアップし、17時過ぎに杉ノ原スキー場まで車で10分ほどの民宿に入る。ここは昨年3月の東日本大震災発生でキャンセルせざるを得なかった宿でありその返礼も兼ねた。地元の酒と肴で英気を養う間、地元テレビは白馬五竜のエリア外滑走での雪崩事故を伝える。明日の行動予定に各自思いを馳せて眠る。

 杉ノ原第三高速リフトの運転開始予定時刻9時30分に合わせて行動開始。天頂は時折青空が覗くも山は雲を纏い雪が舞い、昨夜からの積雪は30p程である。リフトトップの標高は1855m、気温は−10℃程か極端な寒さは感じない、雪は粒子が細かいものの湿っぽく重い。下段との層境はストックを刺すことで判別できるが、深い方が柔らい様な逆転事象はなく、ここ数日間の気温変動を考えれば順調な圧密焼結過程にあると判断した。

 10:00登行開始。5分と掛からない場所にブルドーザで整地して片隅に真っ白な土を積み上げたような地形が2段になって出現した。この先の沢の渡渉点は雪崩の巣とされており、沢を越えたリフトトップの上部平坦地にまでデブリが押し寄せると聞いており、これが表層雪崩の跡かと緊張感が走る。現場は、稜線近くの沢上部まで視界があり、積雪面の状態も目視でき、亀裂や崩落しそうな雪庇、雪塊、ローラーボールも見当たらない。しかし、ここ一両日の降雪量が多く危険性が高いことから、上部の狭い谷筋の横断とその後の長い谷芯近くのトラバースを避けるため、一般的に渡渉点とされる位置より約50m下方に目標を定め、各自の位置・行動手順を確認し、リーダーS、アラ還新人T、そしてKの順に沢部の横断に入る。渡渉点を下げたことから傾斜のきつい深いラッセルに汗だくになるも、約30分で危険地帯を抜け出る。振り返れば、私達が逡巡していたポイントに後続の3パーティが見えた。その中から40歳前後のテレマーク3人パーティが私達に追いつくと、爽やかにラッセルを替わりスピードを上げ、その馬力には感服せざるを得なかった。南西側斜面に回り込むまではまだまだ要注意であり計6人が交代でラッセルに励む。

 12:00 2300m地点に到達。若い3人パーティにアラ還トリオは若干?力負けした。

12:20風強く休む場所もないので滑走準備を整え早々に下ることとした。ラッセルの中核となった3人パーティに敬意を表し、ファーストトラックをお願いした。森林限界の上や低灌木帯は柔らかなクラストの上に5〜10pの新雪で少々引っかかるが快調に下る。

 12:35〜12:45 2000mラインの風の弱い所で休憩。意外と重い感じの雪質であったが地形的にもこの辺りが本コースの核心部分であろう。

 13:05 地形図上の夏道に合流、標高1450mを下るとほぼ平坦でトレースが無ければ滑らないルートをラッセルしつつ進む。

 13:40 林道到着。下りもラッセル状態が続くことからシールを装着13:50。

 14:20 ゲレンデの三田原ゾーンに到着。下り場面での労苦を軽減するためには、第2高速リフトトップの西にある沢の渡渉点(1620m)に向けて稜線から滑り込むルートが考えられる。標高1450m以降の平坦地にトレースがあればゲレンデまで30分かからないだろう。

 14:30 三田原第2高速リフト、14:40同トップから杉ノ原連絡通路を通りゴンドラ山麓駅の駐車場に向かい滑り込む。ピステは極柔らかな圧雪状態で良く滑る。下りラッセルの汗が引き顔面が凍りそうになる。

 14:50無事駐車場に帰着する。

(田中(秀)記)





三田原山の滑降

GPSログ




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