Last Update : 2012/04/05 戻る

2月定例山行報告「鍋倉山」

【日程】2012年2月18日(土)〜19日(日)

【山域】鍋倉山(温井集落から往復)

【参加者】L:加瀬、M:小森宮、蔵田、西川、岡坂、鈴木岳、菅澤、新保、田中秀

【行程】→はクルマ、・・・はリフト、ゴンドラ、>>はシールorアイゼン登行、〜〜は滑降

2月18日 夕刻に宿泊先集合(各自自由行動)

2月19日 戸狩民宿8:40 → 温井集落9:10 >> 9:50都立大小屋10:00 >> 10:30巨木の谷北側尾根920m地点10:50 >> 11:35 同 1150m地点 11:45 >> 12:10鍋倉山頂(1,289m)12:30〜〜鍋倉山北面滑降〜〜13:05都立大小屋〜〜13:20温井集落

【概要】2月18日、加瀬車は新宿駅西口を集合場所と決め、早めの9:00に集合としたがさすが繁華街の新宿で駐車場所に苦労した。蔵田さん・西川さんをピックアップ後あきる野の田中秀さん宅に寄り、その後、関越道・上信越道を経て戸狩り温泉スキー場へと向かった。一方、鈴木車の菅澤さん、電車組の岡坂さん、小森宮さんとは現地集合でとのことであったが、偶然にも民宿の受付で全員が揃ってしまった。この日は小雪曇天の中、戸狩スキー場でそれぞれ軽く足慣らしして入浴後、前夜祭?となった。格安なので幹事が心配した鍋only(失礼!)ではなく、そこそこの料理と美味しい酒で満足のいく夕食であった。就寝前には小雪がちらついて明日の天気が心配になる。全員で地図を見ながら明日のルート検討を行ない消灯。

戸狩は、私が学生の頃に合宿をした当時に比べ(1970年頃)、温泉施設が出来、スキー場は昔を思い出せないくらい規模が大きくなり、民宿はホテル並の立派な建物となる等々、当時のいわゆる田舎の雰囲気はなくなっていた。鍋倉山登山口の温井集落にはこれといった宿が無いために戸狩の民宿街を選んだことは正解であった。野沢温泉に比べれば宿泊費も安く、車を使えば鍋倉山東面中間尾根の取りつき部の駐車場まで20分程である。週末にもかかわらず格安料金で引き受けていただいた戸狩民宿のグリーンライフ福本(6千円弱・飲物・外湯券・持込み可・4室)はまた利用しても良い宿の一つである。

2月19日AM6:30起床。天候は回復傾向で青空が見え期待に胸が高鳴った。窓から見たところ一晩で新雪が新たに25cm以上積もったようだ。道路除雪後(作業の迷惑とならぬように)に登山口の温井集落に着こうと考え、8時に宿を出発するつもりだったが、30分ほど遅くなってしまった。雪壁の迷路となった道を快調に走り温井に着くと、登山口には既に20台程の車が路肩駐車しており、出遅れたかと少々焦った。

準備のあと出発。天候は快晴無風となって「晴れ男はだれ!」との軽口も飛び出し、都立大小屋へと向かう。小高い場所からは温井集落が静かに雪原に佇んでいるのが見えた(写真1,2)。
写真1
写真2
都立大小屋は今年の豪雪にもかかわらず、思っていたより埋没は無く、小屋の管理が行き届いていることが見てとれた。そこで衣服調整とあまりの日差しの強さで、日焼け止めクリームの塗装を顔面に施すために小休止。小屋前の巨木の谷南側尾根の斜面にはデブリ跡が見え、そこをルートとするのは無理と判断する。

我々は巨木の谷北側尾根をルートと決めシール登行を開始したが、登り始めは毎度のことであるが少々息が上がり辛い。先行トレースはあったものの斜度の取り方が均一でなく、先行者はおそらくスノボの方々であろう。本来は感謝すべき立場であるにも拘わらずブツブツ言いながら、所々でラッセルをし直しながら登った。鍋倉山はその美しいブナの美林で有名であり、どこにブナ太郎・ブナ姫があるのかは分からないが、快晴の空の下、新雪に程良い間隔で生えているブナの巨木の間の登行は快適そのものであり、絵葉書の世界を醸し出していた。少々つらい登りにもかかわらずメンバーの顔は笑顔に満ちていた(写真3,4)。
写真3
写真4
やがて、山頂に到達。山頂は立木が全く無く、360度の展望が開け、妙高黒姫は眼前で、東には遠く上越の山々まで見渡せた。我々の到着時には既に2〜30人程が山頂にいて、それぞれ写真を撮るなど出発の準備が終わったようであり、早くしないとノートラックのパウダーが無くなるのではと気持ちが焦る。私も行動食を強引にお湯で喉に流し込んだ。

そして目的の北側斜面へ向かった。幸いにも北面は全くのノートラック状態で、斜度はかなり急であったが菅澤さんが雪質密着度を確かめるように板を踏み込み確かめ、そしてOKと判断した。私はトレースが重ならないよう、さらに一人ずつ間隔をあけること、右下のブナ林を狙うようにお願いし、先ず菅澤氏が斜面に飛び込んだ。見届けるように私も田中氏も続いた。沢芯の手前で右岸のブナ林に回り込み、後から続くメンバーの集合を待つ。ブナ林の雪質はかなり上質のパウダーで、「気持ちイ―」が合言葉のようになっていた(写真5,6)。
写真5
写真6
予定では写真6のあたりからトラバースして尾根に回り込むつもりであったが、あまりの雪質の良さと、この写真で見ている方向に斜度も丁度良いノートラックバーンが開けていたのでルート変更を決定し、全員でそれぞれ気持ちの良いパウダー滑降を楽しんだ。やがて都立大の小屋に到達し本日の美味しいメインディッシュは終了となった。そこからの下山は往路を戻るだけだが、「また来よう」と思う余韻の残る帰路であり、鍋倉山が人気の山であることがしみじみと理解できた。(GPSルート図参照)
鍋倉山トレース
末尾ながら、定例山行のリーダーを今回初めて担当しましたが、素晴らしい天気に恵まれただけでなく、和気あいあいとしたメンバーの結束のおかげで、ひときわ印象に残る山行が出来たことに感謝します。
加瀬幸男 記

 


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