Last Update : 2012/04/08 戻る

十勝岳三段山(山頂組)


【日程】 2011.12.30  曇り

【参加者】 山頂グループ:鈴木岳、加瀬幸男

 二段目を過ぎ三段目辺りで他のメンバー3名と別れた。そこからは山頂は望めなかったが岩リーダーの助言でおよその見当をつけてシール登高を開始した。三段目の壁の傾斜はさほどではないがキックターンを繰り返し突破。天気は曇りであったが無風で条件は良かった。

 尾根に出ると見通しが利き、山頂らしきものが見える。雪はここ数日にかけて積もった極上のパウダーであったが、一度に大量に積もったらしく、先行者のトレースを外すとファット板であるにもかかわらず、ズボッとめり込みよろけてしまう。また、やたらとボコボコ盛り上がり、這い松の上に新雪が積もったばかりの状態らしく、帰路のスキー滑降が不安となった。先行トレースを頼りにひたすら登ったが、さすがのベテラン鈴木岳さんも「どこまで行きましょうか?」と私に問いかける。見上げると山頂方向に人影が確認できたので、私自身の帰路の滑降への不安を打ち消すように「取り敢えずあそこまで行きましょう」と答えた。頑張って歩くうちに先ほどの目標地点を過ぎ、結局最後には山頂付近に到達した。

 十勝岳山頂側は深く切れ込んだ谷となっており雪庇を踏み抜かないように注意しながら滑降の支度を整える。帰路は転倒すると容易には立てないであろう程のふかふかのディープパウダー。まるで這い松の地雷地帯と呼ぶのが相応しい滑降コースを、転んだら掘り出してもらいたい旨を告げ、私からそろりと出発。左手側に深さ数メートル程の浅い沢があったので這い松の地雷を避けるように突っ込んだが、「パウダーだ!」と思ったとたん、前方に転倒。パウダー雪を思いっきり胸まで吸い込んでしまった。咳き込むこと暫し、雪を肺まで吸い込んだ経験は初めてで、苦しいやら嬉しいやら。ふかふか雪が過ぎてスキー板の返りが無くトップが浮かない。後方をみるとベテラン鈴木岳さんも転倒の様子。その後も二人して這い松の地雷に苦しめられながら、ようやく三段・二段と高度を下げ、出発地点の白銀荘まで戻った。


《三段山(2011年12月撮影)》

(加瀬幸男)

 


山スキー同志会のホームページへ