Last Update : 2012/06/15 戻る

三ノ沢岳〜宝剣岳〜伊那前岳 周遊


【日程】 2012.04.27〜28

【参加者】 L:菅澤、M:加瀬、田中(秀)

4/27 GW初めに標高ある中アの千畳敷周辺でスキ−を楽しむことになった。投宿先の民宿では風呂を用意しているとの由、コンビニ弁当&飲み物を調達し、中央道をひた走る。

 ロープウェイ山麓駅しらび平へは菅の台バスターミナルでの専用バスに乗り替えが必要である。出来るだけ早い便に乗るため菅の台にある民宿「天山」を選んだ。到着が21時前と少々遅かったにも拘わらず、小学生の女児と若旦那が車の誘導に現れ、翌日も帰宅まで駐車場を使用できた。

4/28 宿の向かいに修験で名高い高尾山(八王子市)の分社があった。何故に武蔵の国の分社なのか飯縄大権現の系統も地理的に複雑である。さて、天気は快晴である。一般観光客やボーダーで満員となったバスは喘ぐように登る。

 千畳敷駅は風穏やかで、気温も低くない。むしろこれからの暑さが懸念される。シール登高準備を整え 8:55山頂駅発。ボーダーさんのトレースに幻惑されためか少々厳しいジグを折って 9:25極楽平着。陽当たりの良い千畳敷側カールの雪質は早くも完全にザラメ状態である。

 9:30 小休止後、主稜線を三ノ沢岳(地形図表記は三沢岳、2,846.5m)への分岐点に向かう。この稜線付近は積雪が少なく、板を担ぎ這松を縫って進むが上方に芳しい場所が見当たらず、標高2,860m付近にて三ノ沢岳への滑降準備を行う 9:40。

 9:50 僅かに残る先行トレースを参考にし、高度を落とし過ぎないよう留意し、菅澤、加瀬、田中と飛び込む。所々クラスト部分もあったが軽い感じのザラメ雪という快適な斜面であった。 10:00 等高線2,605m付近で滑降を終了し、トラバースに移る。



 三ノ沢カールは東向きなので陽当たりが良い、表面はザレているがその下が固く滑りやすく、途中でクトーを装着する。標高2,770m付近で稜線に上がる。ここからは北東斜面であり表面のクラストも固く少し慎重に登る。三ノ沢岳着は私達がトップ、年齢の近い山スキー3人組と写真狙いの単独行者がこれに続く11:00。



 11:20 山頂発。2,800m付近までは登路を辿り、以降は快適なカール斜面に飛び込む。登り返しの労を低減するためルートをカールのやや北側を狙い、あっという間に予定の約2,600m点まで滑る11:30。

 11:40 さて、今日第3回目のクライムアップである。直接極楽平に出ることを狙い、滑降ルートより1本右(南)の沢筋を登る。この辺りで遊んでいたのは私達を含め10人程か、千畳敷側の賑わいが嘘のようである。極楽平着12:25。

 12:35稜線は這松や岩が露出しているので板を外して三ノ沢岳分岐点まで上がる12:45。ここを宝剣岳東斜面の滑降開始点とし、昼食休憩。



 13:00 浄土乗越への夏道2750m付近をルートとして定めるが、宝剣岳からのデブリの状態は遠目にはどの程度か把握できない。ルートの上方に大きなブロックは全くないが、気温が上がっていることもあり小さなボールは無数に転がっている。まず、菅澤が飛び込む、ザラメの表面が静かに滑り落ち、シャーという音が聞こえる。デブリの状況を教えて貰い、田中、加瀬と続く。夏道を往来する登山者の雪&人雪崩を警戒し10m程ラインを外れた所で第4回目のクライムアップ準備に掛かる13:10。

 13:20 登山者が多く、トレースがガチガチに固まっているのでノンアイゼンで加瀬を先頭にハイクアップする。偶々一緒になった山岳補導員?の「ノンアイゼンでは困るんですがね」という笑顔での注意があったが、大目に見て貰う。彼等は迷子になったという単独行者を探していた。

 14:00 伊那前岳(西峰/2,911m)着、駒ヶ岳の斜面が美しい。そこを滑ってきたボーダー&スキーの二人組が僅かに先行する。私達も直ぐに滑降準備に掛かる。今度は高度を気にせずにカールの底まで滑れる。14:25申し分のない雪と斜度そして大勢のギャラリ−の待つ千畳敷駅目指して飛ばす。14:30滑降終了(2,610m点)、快楽は一瞬なり?

 14:40千畳敷駅着、先に降りていったはずの山岳補導員?と再会。「やはりスキーは早いですね」から始まり、単独行者の目撃情報交換、お世話になった民宿のことまで話が咲く。彼等はボランティア活動であるという、敬服&感謝。

 山麓駅のしらび平まで滑降できればと目を凝らして下りのロープウェイに乗るが、何処を降りても最後は滝にぶつかりそうである。専用バスでは何時しか爆睡、1日で4回のクライムアップは堪えた。しかし、だからこそ、今期最高の滑りが楽しめた。



(田中(秀)記)

 


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