Last Update : 2012/06/15 戻る

蓮華温泉

2012年4月7日(土)〜9日(月)

メンバー  田中秀和(単独)

【行程】

※→はクルマ、・・・はリフト、ゴンドラ、>>はシールorアイゼン登行、 〜〜は滑降

4月7日 夕刻に宿泊先入り(ホテル雪倉)
4月8日 H雪倉7:55 >> 8:00 栂池高原駅8:45……9:15自然園駅9:37 >> 10:30天狗原(2200) >> 11:18白馬乗鞍岳(2450)11:39 〜〜 12:30「天狗ノ庭」の上部(2110)12:50〜〜13:10 蓮華温泉(1470)
4月9日 蓮華温泉 6:50 >> 7:04 林道・中ノ沢入口 >> 7:23 小栂平(1640) >> 7:38 トラバース点(1685m、中ノ沢〜振子沢) >> 8:15休憩(1914)8:29 >> 9:29 天狗原(2200) 9:47 〜〜 10:01 成城大学小屋(1820) 〜〜 10:46 栂池高原駅

【概要】

[4月7日]

 このところ週末に悪天候が多く、当初予定の昼闇の計画も頓挫し、フラストレーションが溜まっていた。しかし、次の日曜日は好天が予想されたので出掛ける事とした。積雪量の心配がなく単独行でも不安のない栂池周辺で遊び、天候に恵まれれば蓮華温泉まで足を伸ばす計画である。

朝一のゴンドラに乗るため栂池高原にあるホテル雪倉入る。宿は関西方面からの常連という15名程の子供混じりのグループと毎月来るという初老の夫婦で結構盛況であった。このオーナー平林哲夫氏は蓮華温泉当主と懇意であるとの由、明日の行程は天候如何に因るので蓮華温泉の予約連絡は翌朝同氏からして頂くこととした。

[4月8日]

峰々に貼りついた雲が日の出と共に動き出すがなかなか消えないが頭上は青空である。足軽くゴンドラ駅に向かったものの、チケット売り場の前は大変な混雑である。久し振りの好天の日曜日にアジアカップを兼ねた山岳スキー競技日本選手権大会の開催が重なったためである。2010年4月にツェルマットで見た光景が思い出された。

春期運転でロープウェイが運行されるのはラッキー、登山者カードと引き替えに自然園までのチケットを購入する。ボーダーが4割で外人の比率は1割程か、天候が良いのでヘリも五月蠅く往復し始めた。

9:37ロープウェイ到着毎に実施される遭対指導員によるレクチャーを受け出発。10:30天狗原着、新雪は10〜20p。11:15小蓮華に向かう単独行者と別れ、滑降準備をして大池に向かう11:39。大池の東側は雪の付きが悪く、稜線通しで「天狗の庭」に向かうべきであった。以降は初めてのコースなので楽しむより高度維持に努める。

12:30「天狗の庭」の上部、地形図2093m点の上方に着く。此処が素晴らしいポイントであった。辿ってきた尾根の末端は、眼下の蓮華温泉まで一気に滑れる斜面が続いている。標高差約640m、斜面の上部はパウダー、沢部に入ってはさすがに重くなったが文句は無い。12:50滑降開始、13:10蓮華温泉着。

宿のご主人に挨拶し、缶ビールを仕込み再び板にシールを付けて雪中行軍。約15分登って蓮華温泉最高所にある薬師の湯に着く。幾つかある露天風呂も今は此処しか入れない。大人3人では窮屈な感じの小さな湯であるが、雪倉岳〜朝日岳が遮るものなく見渡せる別天地である。 湯船や周囲の落ち葉などを片付ける間、缶ビールを雪で冷やす。誰も来ない…独占!乾杯!

[4月9日]

天狗原−蓮華温泉のメインルートである小栂平〜振子沢を辿り下山することにする。予報とは異なり天候悪化が早そうである。6:50出発、積雪でカマボコ道路となった危険な乗鞍沢の橋を渡り終え、小栂平に至る中ノ沢に入る7:04。何時しか雪が本降りとなってきた。7:23小栂平、7:38振子沢へのトラバース点通過、この辺りまでは先行トレースが明瞭であった。風雪が激しくなったので1915m付近で身支度を整えているとスペイン人カップルに追いつかれた。以降は3人の即席パーティとなる。40歳代のミカエル氏は、欧米系独特のエネルギッシュなスタイルでラッセルを引き受けて進み、30歳代イヨナラさんも結構なペースで遅れない。時々立ち止まるミカエル氏に方向を指示し、現在地を確認しながら天狗原に至る9:29。

 時折、雷鳥の鳴き声が聞こえる天狗原は温度が上がり霙模様となってきた。天狗原の南斜面は前日のレース会場であり相当に荒れていることが確実視されるが、さりとて視界のない雨中を東の親沢方面に単独で入るのも気が引ける。迷いつつも怪我せぬようにスペイン人カップルに教えた通り、ポール標識に沿って下るだけとする9:47。10:46ゲレンデ途中からは完全な雨でずぶ濡れとなりながら栂池高原駅に着く。

 元湯「栂の森」で冷え切った身体を暖め帰り支度を整える。春先はこのような天候が恐い。早めに降りて正解だったと自分を納得させる。

(田中(秀)記)

 


山スキー同志会のホームページへ