Last Update : 2012/12/25 戻る

立山周辺

2012.04.28-5.2

メンバー 武部

5 月1 は、作野、矢野、久保田、加瀬、今村さんと合流

4 / 2 8  晴れ 

 扇沢の駐車場は市営の無料駐車場は満車のため、爺ケ岳登山口の橋まで降りて止めた。( 有料駐車場は1 日1 0 0 0 円) 8 時半のバスに乗り遅れて、ずいぶん時間を損してしまった。扇沢から室堂に入るのは初めてのような気がする。もう団体客が来る時間帯になってしまった。室堂は晴れ。朝早く出てきた甲斐があった。今までGW に室堂に来た中で、最も立山〜 剣御前小屋の稜線が黒い気がした。( 雪解けが早いようだ。) 少しツボ足で登ってからスキーを付ける。みくりが池山荘経由にルートをとる。途中アップダウンがあり、狭いコースに大荷物でスキーのため苦慮する。みくりが池山荘を超えるとやっとコースが広くなり助かる。雷鳥平に向けて滑る。

 雷鳥平では、すでに無数のテントが張ってあった。テントが飛ばないように1 段掘ってテントを張る。掘ったブロックは、テントの風よけに積む。ここの管理事務所で水が汲めることがわかった。トイレもある。温泉もすぐそばにある。何しろ極めて快適なところだ。

 シールを着けてとりあえずまた室堂に向かう。マス寿司を買うつもりであったが、もうなかった。6 日分の行動食は持てなかったので、とりあえずおこわを買う。浄土山に向かう。もう時間が遅いのでほとんどコルになったところで下ることにする。帰りは沢コースで、みくりが池はパスする。それなりの急斜面を快適に滑る。ここから雷鳥平手前までの下りはアッと言うまだ。

 夕食後、シュラフの下に敷くマットを忘れたことに気づいた。小屋に行って説明して、捨てるダンボールでも借りようと思って小屋まで行く。出てきたものは、ブルーシートであった。油臭かったが贅沢は言っていられない。よしとして、借りることにした。

 扇沢9:00――室堂 11:00/30―― 雷鳥平12:00/14:15―― > 室堂15:15/15:30―― 浄土山直下16:00/15―― 雷鳥平17:00

4 / 2 9  晴れ

 天気よし。奥大日がばっちりだ。雷鳥沢をアイゼンで登る。雷鳥沢上部からは室堂、浄土山方面がきれいだ。剣御前小屋の手前はナイフリッジのようになっており、自分はスキーを引っ張っていたが、そこで上から来る人とすれ違うことになり、ちょっと緊張する。剣御前小屋から雷鳥沢へは雪が無く、少し下ってからスキーを着ける感じだ。剣御前小屋から久々に剣を見る。ここから別山までの稜線はほとんど雪がなく、歩きにくく、またアイゼンがかわいそうだ。

 夏道から外れて、北側の雪の上をところどころ歩く。別山の下りは雪は無く、アイゼンを履いたままの下りなので実に歩きにくい。今日の予定は内蔵助であったが、出発も遅く歩きにくいため、時間的にちょっと無理の感じだ。明日の予定の真砂沢の滑走開始場所でちょっと真砂沢の様子を見ると、

1  滑り出しは本来なら急斜面だが、昔より緩やかな気がした。( 積雪が多い)

2  雪がもうすでにやわらかい。( すでにスタート時間が遅い)

 それでも予定通り真砂岳を目指して進む。でも、やっぱり気になって戻った。内蔵助を断念して明日の予定の真砂沢にした。

 上部は快適。ターンはスムーズにできる。ノド部に来てちょっと休憩。前方に鹿島槍がよく見える。中間部辺りから、洗濯板のように波打ったような雪質になり滑りにくくなる。ターンが非常に難しい。なんとか滑って、だんだん下部になってくると今度は雪がどんどんやわらかくなってグズグズになってきた。ターンしたとき、反発がないからもう少しで前転するところであった。なんとか踏ん張った。もうほとんどターンができない。

 何度か休息しながら滑る。なんとか真砂沢出会いに着く。真砂沢出会いはものすごいデブリの上であったが、すでに落ちた後なので特に危険は感じない。滑った充実感というよりも、なんとか到着できた安堵感で長休み。昨日買ったおこわを食べる。これから長い登りが待っている。長次郎谷はデブリがかなりあり、傾斜が緩く感じられた。平蔵谷もすごいデブリであった。もう疲れているからゆっくり登る。剣御前小屋に着いて、後はほとんど滑るだけだから雷鳥平まで行くつもりであった。しかし、雷鳥平の天場は遠い。もうあそこまで滑る気力がなかったので小屋に泊ることにした。

雷鳥平6:00――剣御前小屋7:50 / 8:30――別山9:00 / 15―― 真砂沢上9:40 / 10:00―― 真砂沢出会い11:00/ 12:00―― 平蔵谷出会い13:30――剣沢小屋付近15:00/ 15―― 剣御前小屋16:30

4 / 3 0  曇り、雪、曇り、雨、曇り

 内蔵助は今回諦め。剣御前を滑ることにした。

 朝は雪が硬いのでまだスキーでは滑れない。アイゼンを着け、ピッケルを持って剣御前を散歩した。空身で剣を見ながら散歩するのは、実に楽しい。剣御前からは後立、奥大日も見える。曇りではあるが、天気はまずまずだ。小屋に戻って今度はスキーを引っ張って登る。ここは真砂沢の源頭よりも高く、曇りのため日当たりが良くないせいもあり、なかなか雪が柔らかくならない。

 9 時には滑れるかと思ったが、結局9 時4 0 分と昨日と同じ時間になってやっと滑れるようになった。短い距離だがそれなりに急なので慎重に小屋の下まで滑る。アイゼンを着けて登り返す。剣御前に着いたとき、「おやっ」と思った。さっきまで見えていた後立が見えない! 雲がもうすぐそこまで来ている! あせって滑る準備をする。

 今日は東から天気が悪くなるのか。ちょっとしまった。なんとか視界があるうちにほぼ先程と同じコースを滑る。滑り終わると、すぐにホワイトアウトとなり雪が降ってきた。雨具を着けて小屋まで登り返す。スキーを担いで雷鳥沢を降りることは避けたかったので、もうテント場まで降りることにする。

 小屋に預けておいた荷物を回収して、小屋から少し下ったところでスキーを着ける。まごまごしているうちに雪は止んだ。でもいつまたホワイトアウトしてもおかしくないので、雷鳥沢を滑ることにする。こちらは南面ということもありもうかなり雪がゆるい。登山者が先に降りて行ったが、ツボ足だと足首位は軽く潜ている。最初のうちはまだターンができた。でもすぐに急になり、雪はグズグズとなり、まったくターンができない。雪崩れるかもと思った。ずっと斜滑降となでるようなギルランデをし、中部〜 上部の危険地帯の急斜面を何とか通過する。やっとなんとか数回ターンして下部になる。傾斜が緩くなるとそれなりにターンができるようになった。これほど雷鳥沢の滑走に苦慮するとは思ってもみなかった。雪解けが早いということのようだ。雷鳥平まではもうすぐそこだ。

 天場に着くと、テントの脇に積んだブロックがほとんど溶けていたので、ブロックを積む。水を汲みに行って、やれやれと思っていると雨になった。もう、どこかに滑りに行くことは止めて温泉に行って、休息とした。

剣御前小屋7:10――剣御前( アイゼン)――剣御前小屋8:10( アイゼン)―― 剣御前9:40( 滑走開始)――9:50( 滑走終了) ――( アイゼン) ―― 剣御前10:50(滑走開始)――11:00(滑走終了) ―( アイゼン)― 剣御前小屋11:30 、12:10(滑走開始)――雷鳥平下12:30/50―― 雷鳥平13:00

5 / 1  晴れ、曇り、一時雨

 みくりが池山荘で作野さんグループに合流  天気よし。朝はまだ雪が硬いのでアイゼンを着けて雷鳥荘への斜面を登る。近道しようとして雷鳥荘への斜面を登るが、下ることになり損した気がした。それでもみくりが池山荘に7 時前に到着してよかった。ここでみなさんと合流する。作野さん久保田さんとは1 0 年ぶり? のスキーで、矢野さんとはたぶん実に2 0 年ぶり? のスキー。加瀬さんと今村さんとは初めてご一緒となる。

 久しぶりの団体行動で、アイゼンを外して、シールを着けていると、みくりが池山荘から出遅れる。なんとか追いついて一緒に登る。室堂山荘で作野さんは御山谷の状況を聞いていた。もう下部は水が出ているとのことだ。一ノ越手前の斜面は斜度があり、まだ雪が硬いので緊張する。みんなは平気のようだ。

 一ノ越からは雲はあるが、槍ケ岳、笠ケ岳が見えて実によかった。御山谷側の雪はすでに柔らかくなっていた。みんなはここからすごいスピードで華麗に飛ばす。自分はマイペースでじっくり滑る。大岩までの半分でもう足にきている。広く雪質も上々なのでいい気分だ。大岩で十分に休息する。もう下部は水が出ているということなので、ここから登り返す。一ノ越に戻る少し手前から浄土山の斜面を登る。

 ここから隊が2 分し、加瀬さん、今村さんが先行し、自分も着いていく。登りはなかなか大変。雪は柔らかいと思っていたら氷が出てきて、スキーアイゼンを途中で付ける。後の3 人は来ないので、先行の2 人を待たしてしまった。浄土山手前から滑ることになり、かなりの急斜面にチャレンジした。もうすでに雪はかなりグズグズになっており、ターンがしづらい。どう滑るかちょっと不安になったが、なんとかターンができ2 人に追いつく。

 少し難しかったがなかなか快適であった。今滑ったところを見ると、なんとホワイトアウトしていた。全然気がつかなかった。シールを着けているとホワイトアウトはどこかへ消えた。一ノ越に戻りみんなと合流する。

 もう、みんなはみくりが池山荘に戻るということなので、ここでさよならとする。楽しかった。後はゆっくり休憩する。まだすぐに天場に戻る気はしないので、しばらく休憩。( 戻るとブロック積み作業が待っている) 「もう1 回どこか滑ろうか」とも思ったが、結構疲れているのと、すでにどこも雪がゆるいので止める。ここから天場まではかなりあり、グズグズの雪ではあるが、最後の滑りを楽しむ。戻ると、昨日積んだブロックは解けてもうないのでまたブロックを積む。そのうちに一時雨となった。

雷鳥平6:05――みくりが池山荘6:50 / 7:30―― 一ノ越8:50 / 9:10――大岩9:20 / 40―― 浄土山手前11:20/ 11:30―― 滑走終了11:40―― 一ノ越12:00/ 13:40 ( 作野さんグループと別れる) ― ― 雷鳥平14:20

5 / 2  曇り、雨

 朝は思ったよりも視界はあり、まだ奥大日岳は見えていた。風はテントが斜めになるほど強い。朝飯食べてまた寝る。9 時の天気図を書いて、「もう帰るか」とテントから出てみると、周りにはテントがほとんどなかった。ここに来た時には無数にあったテントは全部で1 0 張りもなかった。まだたくさん食糧は残っているのでラーメンを食べて帰ることにする。

 借りたブルーシートを返して、強風の中テントを撤収する。シールで室堂に向かう。一ノ越は雲の中。まさか2 日に室堂に下山するとは思ってもみなかった。だんだん雨がまともに降ってくる。こんな悪天の中、室堂から来る登山者もいた。明日も天気は悪いのに・・・。まだたくさん食糧があるので、まだまだザックが重いなと思いながら室堂に着いた。アルペンルートは天気が悪いので空いていた。

雷鳥平12:50―― 室堂 14:20/40―― 扇沢16:20


写真


(立山の我が家)


(剣沢登りの途中から剣と八ッ峰を望む)


(剣御前からの剣)


(剣沢からの登り 1000m)


(真砂沢を登り、下降点を仰ぐ)

(武部 記)

 


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