Last Update : 2013/03/09 戻る

東谷山(1554m)

2013年3月3日(日)

L:西川 M:菅澤、加瀬   

(行程)
光が丘6:10―関越道練馬IC―越後湯沢IC―9:00二居集落除雪終了点(840m)9:45>>10:15二居峠(1020m)10:30>>送電鉄塔下(1150m)>>12:00東谷山(1554m)12:20〜〜(北西斜面滑走)〜〜12:55国道17号(750m)13:20―13:30「宿場の湯」14:00―越後湯沢IC―15:50練馬IC

前日の暴風雪の影響が懸念されたが当日は良好な天候・雪質・量で、前から気になっていた山を期待以上に楽しむことができた。

関越下りの渋滞はなかったが、湯沢ICを出てから二居までの国道は除雪車などの影響で時間がかかった。当初は田代スキー場に車を置く予定であったが、二居集落奥の除雪終了点まで車を乗り入れてみた。

民宿のご主人の話では今日の「ひがしやさん」には数十人が入山したとのこと。たしかに入山から下山までの間に20名は見かけた。メジャーな山スキーエリアになりつつあるようだ。板とザックを下ろしてから「宿場の湯」まで下り、除雪スペースに車をデポ。空身で10分弱の除雪終了点に戻りシールを装着。

9:45民宿「見晴屋」前をスタート。それまでの雪もやみ、薄日さえさしてきて気温も高い。二居峠への杉林の中の先行トレースは急角度で登っていて、一汗かかされた。峠の東屋は屋根まで雪にすっぽり覆われていて見えない。ここからは吹きさらしの南西尾根を辿るので、クトーを装着した。最初は柔らかい雪であったが南側に雪庇が張り出し始めたあたりからクラストした雪面となり、クトーがなければ難儀するところだろう。

送電鉄塔を過ぎると左側のヤブと右側の雪庇の間が狭まり、1195m地点からはさらにヤセ尾根となった。この尾根をスキーで下ってくる人もいて、わずかに張り付いている雪を横滑りでこそげ落としていくから雪面はさらにガリガリとなる。トップの西川さんは固くうねった雪面と左側のヤブを出たり入ったりしながら、細かいキックターンとクトーを効かした登りで高度を上げていく。この尾根はホワイトアウトの時は右側の雪庇を踏み抜かないよう細心の注意が必要である。

1350m付近からは傾斜も緩くなり、真っ白の気持ちよいブナの疎林で一息入れた。ニセピークを三つほど越えて12:00山頂到着。スタートから2時間15分の短いハイクアップであったが中身の濃い登りであった。開けた山頂にはガイドツアーらしきボーダーの集団ほか数名がいた。目前の日白山は見えず、景観を楽しむことはできなかった。足を休めながら滑る準備をする。

山頂から西に少し戻り、周囲の地形を観察してドロップポイントを決めた。1530m地点から北西に広がる林間の凹状斜面を滑り出す。はじめのうちは昨日降った30cmほどの柔らかい雪と固い雪面が交互に現れ、エッジを効かして慎重に高度を下げていく。70mも下るとガリガリの雪はなくなり、ブナの疎林に気持ちのよいやや重パウダーが続いていた。30度ほどの斜面が標高差300mも続き、ところによっては顔まで雪が吹き上げてくる。加瀬さんも声を上げながら飛んでくる。西川さんのロッカータイプの新品ファットスキーは先端がきれいに浮き、効果を発揮している。

斜度が緩くなってから左岸よりに少し方向を変えて下る。地形図からは読めないが、沢はどんどん狭くなる。新雪の下はカチカチの荒れた状態で、数日前であれば疲れる下りであったろう。また雪質やトレースの有無によっては下りラッセルの可能性がありそうだ。

国道にかかる赤い橋が見え、その手前で右側の雪壁を登る。目の前に暗渠が現れ、先行トレースはその下をくぐっている。ここから貝掛温泉バス停までは600mほども平地滑走となるので、予定しているバス時刻(13:13)に間に合わない可能性が出てきた。しかたなくこの場所で来るバスをつかまえることにした。手を挙げれば停まってくれるはずだ。2mほどの除雪壁を国道に降り立ち、13:14に通りかかったバスに手を挙げたが停まらずに行ってしまった。ヒッチハイクのつもりで通りかかった車に手を挙げたら停まってくれたのはタクシーだった。苗場に迎車に行く途中とのことでいったんは断られたが、なんとか頼み込んで二居の「宿場の湯」まで乗せてもらうことができてラッキーだった。

東谷山はアプローチも楽で、登りさえこなせば北西斜面の標高差750mの深雪を楽しめる。3月に新潟の1500mの山でこんなにおいしいコースを見つけられるとは思っていなかった。車が2台あれば効率的な行動も可能で、次回は2月のパウダーシーズンに来てみたい。はたして激パウか、それとも激ラッセルか。

(菅澤 記)

 


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