Last Update : 2013/05/14 戻る

ルートバーン・トラック一部(キーサミット、アーランド滝)
&ミルフォード・トラック


2013 1/13〜21

メンバー:武部

2013 1/13
 3連休の真ん中に出国なので電車で行くことにした。昨年成田第二ターミナルで降りたので、迷わず成田第二ターミナルで降りたが変なので案内に聞くと、なんとNZ航空は第一ターミナルとのことであった。シャトルバスに乗って第一ターミナルへ移動するというハプニングからのスタートになった。今回はVISAカードの保険ですませ、特に成田で新たに海外保険を頼まなかった。NZ航空の行列は意外に短く、出国の行列も無く、スムーズに搭乗ゲートに着けた。どこかでおせんべいを買おうと思っていたが、搭乗ゲートそばの売店でおせんべいを買うことができてよかった。

新宿3:00―――成田(第二) 16:00/18:25(NZ0090)―――

1/14 
入国の行列では昨年ほどは待たなかった。パスポート審査後、登山靴と食糧を持っているから荷物審査があるが、昨年よりも厳重になっていた。ザックの中を出して審査員に見せる前に、別の審査官が行う聞き取り審査があり(昨年はなかった)、それに30分位待った。自分への質問では、「山小屋は予約をしたか?」「yes.」「テントを持っているか?」との質問に対し、ちょっと考えて、「エマージェンシテントを持っている。」と答えたら、うなずいて、OKであった。審査時間は短かったと思う。それから、登山靴、食糧の現物審査があり、全部見せたが特に問題は無かった。米、みそ、乾燥野菜、つくだに、行動食(ドーナッツ、カステラ、チョコレート、おせんべい、ビスケット、かりんとう、チーズ)など。今回野菜は無いのでスムーズにOKとなる。

魚の缶詰も持っていたので、申告書には魚の欄にチェックしたがあまり審査官は気にしていなかった。かりんとうの袋を見て、「これは何だ?」と聞かれて困って「スイート・・・」と言うと、うなずいてOKとなった。登山靴は、泥が付いていないのでOKとなる。(審査員が問題ありと見なせば没収される。)今回は荷物をキャリーに積んで国内線の搭乗手続きのターミナルのところまで15分歩いて行く。晴れていてよかった。国内線のオークランド空港では今回もすしを食べる。なかなかおいしかった。飛行機は定刻通りに出発した。クイーンズタウンまでの飛行機ではビスケットが出たが、非常に硬かった。

クイーンズタウン空港からタウンまでのバスを待っているときに、待っている人が帽子をかぶっていたので、帽子を忘れたことに気付く。(毛糸の帽子は持っていたが・・・)これで忘れ物は、方位磁石と帽子になった。タウンに着くと、バスのステーションにザックを置いてDOCに行った。DOCの下の階は登山用品店で方位磁石を買う。帽子は良くなかったので買わなかった。2FのDOCでまず明日のホーデンHUTのHUTチケットを手に入れる。



DOCに書いてあるフィヨルド地方の天気は、明日は晴れ、明後日はシャワー、3日目は雨、4日目は晴れ(下山日は雨だとテアナウのDOCでわかった)。数日前の日本で見たミルフォードトラックの天気予報は毎日雨だったので、それに比べるとずいぶん良くなった。特に明日のルートバーントラックとミルフォードトラックの峠を越える日は晴れなので、ラッキーということだ。下山日はずっと雨なのはちょっと大変という予報であった。余った時間は、ヌードルを食べ、後は帽子を探したがいいのは無かったので買うのを止めた。バスのステーションには10分前に着いてトイレに行く。すでにバスは来ていて、今回は大型バスであった。バスに近づくと、「テアナウ?」という声がして、運転手が現れた。「Yes」と言う。「チケットは?」と聞かれたが、「日本で予約したから持っていません」と答えてOK。運転手は名簿をチェックして、MAKOTOを確認した。荷物を渡して乗り込む。このバスはダウトフルサウンドと書いてあった。(バスはツアーが入っているようだ)バスは半分も乗っていなかった。テアナウの湖が見えなくなるころ雨が降ってきた。ニュージーランドの雨はいつ降るかわからない。

途中右に曲がったところで反対方向から来るバスと運転手は交代した。レイクフロントバックパッカーズで降りようと思ったが、丁度そのバックパッカーズで降りる人がいたので、特にレイクフロントバックパッカーズで降りると言わなくても降ろしてもらえた。雨は止んでいて助かった。昨年も泊ったこのバックパッカーズでは、すでに日本で予約していたが料金をカードで払ったつもりでも未払いとのことなので、カードで払った。泊った部屋は、1つ建屋が奥にあるシャワー、トイレ付きの4人部屋で、ベッドは1階になった。他に机、椅子、洗面所もあった。ここでは1人ケプラートラックもミルフォードトラックも行ったという人がいて、だから荷物がゴタゴタだと説明していた。明日10時のチェックアウトまでにパッキングをしなければならないから大変だと言っていた。

 スーパーまでの間、湖畔を散歩するが、今日は特に天気がよく、ケプラートラックのルクスモアも見えてよかった。スーパーで玉ねぎ1ケ、パプリカ2個、サンドウイッチ2個(三角)、チキンサンドウイッチを買う。NZのサンドウイッチはすごいので昨年同様、たくさん買ってしまった。

8時30でもまだ明るかったので、昨年と同様にバックパッカーズ前の湖の歩道のベンチで夕食(サンドウイッチ)を食べた。少し風が冷たかった。食糧を確認して、明日預ける荷物(ミルフォードトラックに持って行く食糧と装備、帰りに着る衣類)を準備した。カメラの電池の充電をした。

 夜は8時半過ぎまで明るい。朝は6時過ぎに明るくなる。昨年より1ケ月早い分、朝明るくなるのがたぶん約1時間早い。日本の感覚よりも昼が約2時間長いと思う。

ベッドは1階でよかった。今回は思ったより眠れた。

オークランド 9:20、11:00/12:05―――クイーンズタウン空港1:55/2:30――バス―――クイーンズタウン2:40/4:30――バス――――テアナウ19:00(BACKPACKERS泊)

1/15 曇り、晴れ

昨年は寝坊したが今回は寝坊しないでよかった。他の人はまだ寝ている間に食事して、フロントがオープンする8時30分に荷物を預ける。道を隔てた隣の建屋に荷物を入れるのに、荷物を再確認したので時間がかかっていた。「後でもう一回来なさい。」と言って出されてしまった。このときナスカンを1つ建屋の中に忘れてしまった。再度その建屋に入った時には、置いたところの確認を忘れたので結局失くしてしまった。DOCに行く。DOCで明日からのミルフォードトラックのHUTチケットを入手する。まだバスには時間があるので湖畔を散歩する。すでにバスで中国人の団体が観光旅行をしていた。

DOCに戻る。バスは来たと思ったらデバイド方面から来たバスで違った。デバイドへのバスは少し遅れて到着した。デバイドまでの途中にテアナウダウンというところがあって、ここでミルフォードトラックに行く人が何人か降りていた。(明日の昼便では自分がここで降りる。)

・ここからルートバーントラック 
デバイドで降りる。天気は朝よりも良くなっていた。今回は1泊なので昨年よりもずっと荷物が軽くてよい。でもゆっくり登る。倒木は前回よりもさらにひどくなった。昨年気がつかなかったが、キーサミットへの分岐まで約半分の所で右側に小さな滝を見つけた。荷物が軽くなったせいか、三回目にして初めて気がついた。キーサミットへの分岐前ですでに展望がよく、ついつい休んで景色を見てしまう。キーサミットへの分岐ではザックを置いてサブザックでキーサミットに登る。ちょっと登っただけで展望が再び開ける。あれ、そうそう、なつかしのエメリーピーク、オーシャンピーク。もうここから見えるのかと初めて知った。天気は前回と同じく良く、マリアン湖展望台からもエメリーピーク、オーシャンピークも見えた。「昨年はあそこのそばに行ったのか。」と懐かしんだ。マリアン湖展望台の標識から先に行く。昨年はここから休み休み1時間位登って下りになるところまで行ったが、今回は約20分位登って、マリアン湖が良く見えるところまで登った。あまりここで時間を使うわけにもいかないのがちょっと残念ではあるが、十分に堪能する。キーサミットに戻り、分岐に戻る。サブザックを持ったまま、ホーデンHUTに急ぐ。ザックをホーデンHUTに置いて、ベッドを確保する。HUTでは日本人の一団が食事をしていた。自分はサブザックで出発する。軽い荷物でそれなりのスピードで歩いていたつもりであるが、(アーランド滝まで約1時間のペース)後ろから迫ってくる人がいた。小屋の人のようであった。1人で、サブザックで歩いているせいか「どこまで行く?」と聞かれて、「アーランドフォール」と言うと、うなずいていた。ちょっと経って、「トイレ」というと「何?」と聞き直してきたので、「アーランドフォールを過ぎて、トイレで戻ります。」と言うと、「何年前に来ましたか」と聞かれて、「去年来ました」と答えた。アーランド滝の直前につくと、水しぶきがかかり、水量が豊富なことがよくわかる。やっぱりこうでないと迫力がないな、と思った。昨年は水量が少なく今一の感があった。たくさんの人が休んでいる。写真を撮っていると、ホーデンHUTにいた日本人の団体(ガイドウオーク)が来た。自分は50分もここにいたので、先に彼らは出発した。カメラを出してしまう時間を省略するために、両方の手にカメラを持って歩く。すぐに彼らを抜いて、ところどころすばらしい展望があり、そのたびに写真を撮る。アーランドフォールからトイレの間は非常に気に入ったところだ。昨年は荷物が重かったせいとカメラの出し入れでトイレまで1時間かかったが、今回は30分と思ったより時間短縮した。トイレがあるところで最後のアーランドフォールの遠望を楽しむ。後は戻るだけ。帰りたくないせいか、途中でちょっと戻ったりして帰りの方が時間はかかった。アーランドフォールに戻った時にはもうだれもいない。静かなアーランドフォールもまたいいものだ。ホーデンHUTに着く前に疲れてしまった。もうすぐ着くというのに休み休みになってしまった。

 HUTでアジア系の約10人のグループの一人と話をしたら、明日は自分と同じくデバイドに下るとのことであった。

テアナウDOC バス9:50―――デバイド11:05―――キーサミット分岐12:05―――――キーサミット12:35――――キーサミットの奥12:50/1:15――――キーサミット分岐1:45――――ホーデンハット2:00/05―――アーランド滝3:10/4:00 ―――トイレ4:30/55―――アーランド滝5:35/5:40 ――――――ホーデンHUT6:45

1/16 曇り

朝から雨かと思ったら、曇りで助かった。アジア系の人たちは9時に出発するとのことであったので、一足先に自分は出発する。デバイドまではなんとか雨は降らずにもちそうだ。昨日キーサミットの先まで行ったが、今日はバスまでの時間も少しあるので、途中の池まで行くことにする。今日はエメリーピーク、オーシャンピークも見えない。雲の中だ。昨日天気がよくて本当によかったと思う。分岐に戻り、下る。昨日見つけた小さな滝で休憩していると、まだ来ないと思っていたアジア系の人たちがやってきた。挨拶して、彼らにちょっと遅れてデバイドに着く。てっきり彼らも同じバスに乗るものと思い、荷物整理をしていたら後ろから声がかかった。テアナウに行くバスの運転手であった。もうバスの出発時間になっていた。シェルターの逆側にバスはいたが、バスが来たのに気付かなかった。危うくバスに乗り遅れるところであった。トイレに行かしてもらってバスに乗る。乗客は他に2人で、テアナウでは別のバックパッカーズで降りて行った。運転手に聞くと6、7箇所テアナウにバックパッカーズがあるとのことであった。

 DOCでバスを降り、荷物を一部回収しにレイクフロントバックパッカーズに行く。ツェルトはミルフォードトラックに持って行くつもりでレイクフロントバックパッカーズに預けてあったが、軽量化のため再度預けた。徒渉とか増水とかあるので、フェルトタビを持って行くことにした。時間がバスの出発までありそうなので、今日もスーパーに行く。また、サンドウイッチと玉ねぎを買う。DOCに戻る直前に雨が降り出す。

ホーデンHUT8:00―――キーサミット分岐8:20/9:00<―――>キーサミットの手前(池)9:40/45―――デバイド9:55/10:15―――テアナウDOC バス11:20

・ここからミルフォードトラック
小雨

バスの中でサンドウイッチを食べる。雨具を着てテアナウダウンで降りる。

すでに小雨で、かなりの人が船に乗る。100人位乗っている。たまたま船内の座席に座ったら隣が日本人であった。その人はガイドウォークで、全部で40人に対してガイドが4人とのことであった。ガイドウォークはサンドフライの船が3時か4時とのことであった。インデペンデントウォークは2時か3時の船に乗るが、自分は3時の船のチケットなので、乗り遅れても実は後1回船が出ることがわかった。(そんなことは考えてはいけないが・・・)自分より1日遅れで日本を出国したとのことだが、雪のため飛行機は3時間遅れての出発とのことであった。

★ガイドウォークが泊る小屋は、インデペンデントウォークが泊る小屋の1〜1時間半手前にある。

船に1時間15分乗って、何もないところに到着。どうも増水しているようで、小舟に乗り換えて岸に辿り着く。ここは無人の港で、トイレがあるのみだ。

小雨のため上下雨具を着けていたが、5分も歩かないうちに雨具の下を脱ぐ。グレードハウス(ガイドウォークが泊る小屋)を過ぎ、吊り橋を渡ってどんどん進む。だんだん雨が強くなってきてだんだんあせってくると、やっとクリントンHUTに着いた。トイレと食堂とベッドがある建屋はすべて別々なので、スリッパを持ってきている自分にとっては生活しづらいレイアウトになっている。(移動のたびにスリッパと登山靴の履き替えが必要)今日の献立は玉ねぎとパプリカの野菜いためとパプリカと春雨のスープと缶詰。HUTは40人で約30人がニュージーランド人のグループで、10人はイスラエル人のグループ。どうもニュージーランド人は毎晩同じメニューのようで、自分が何を作るのか非常に興味を持っていた。ニュージーランド人のグループの食事は乾燥食料が主体で、ライス、マッシュポテト、ミックスベジタブルなどであった。イスラエル人のグループは、パスタにトマトソース(2日目、3日目)。

 夕食後、雨は止んだ。

 HUTには、ミルフォードトラックの写真もあり、洪水のときのものすごさが載っていた。雨具を着けて、ももまで水につかって前進している写真もあった。(次の日、その写真を撮った場所がわかった。そこはクリントン川から標高差で1mないところを通るところがあり、ルートの左右にはポールが並んで、洪水になってもどこがルートかわかるようになっていた。それが2〜3箇所あった。)

テアナウDOC バス13:15―――テアナウダウン13:30/14:00―――15:15/35―――クリントンHUT17:15(雨強くなる)

17日 曇り、小雨

 テアナウでの今日の天気予報は雨であったが、雨は上がって助かった。少し進むとザックが置いてあって、自分もつられて寄り道をした。どうも緑がすごいとのことであった。確かに原生林でコケ等の緑がすごかった。でもここで20分もかけてしまって、ちょっと時間のかけかたがまずかった感じがした。少し行くと、クリントン川に出られるところがあってまた寄り道すると、氷河が見えてすごかった。後ろから来た人に「Good view point(いい景色)」と教えてあげた。(あとでわかったが、その人は何度も来ているニュージーランド人だった。)さらに行くとクリントン川の二股は散歩道と言われるだけあってよかった。さらに行くと先程の氷河が角度を変えてこれまたすごかった。さらに進むと対岸に無名の滝が現れてこれまた面白かった。またザックを降ろして写真を撮って、・・・そんな感じでなかなか進まない。後ろからアジア系の3人組みがやってきた。挨拶して彼らは先に行った。少し進むとさっきのアジア系の3人組(ナタネルさん達)がコンロを出して休憩していた。なぜかそこでコーヒーをごちそうになった。「ターキッシュコーヒー(トルコのコーヒー)」とのことであった。疲れているときにはすごくおいしいコーヒーだった。彼らはイスラエル人だとわかった。「このミルフォードトラックはいつ予約した?」と聞かれて、「12月30日にキャンセルを見つけて、31日に予約した」と言った。彼らもキャンセルがあって予約していたが、なんと彼らは11日前に予約したとのことであった。上には上がいるものだ。お礼を言って先に行く。ガイドウォークが昼飯に使うHIRE HUTには12時になってしまった。まだ今日の工程の半分来ていない。そう思いながらHIRE滝を眺めながら行動食を食べる。何しろたくさん無名の滝があり、それぞれ見るべきものがある。散歩道と言われるゆえんだと思う。だんだん雲がどんよりしてきて雨が降りそうになってきた。「First view of マッキノン峠」というところがあり、雲はかかっていたがマッキノン峠は見えた。遠かった。今日は距離的にはあのそばまでだから大変だ。もしこれからずっと雨になったら大変だ、とあせってきた。さらに少し進むと左はHidden湖という標識があり、雨が降ってきたので雨具を着けていると、さっきのイスラエル人の3人組みに抜かされる。自分は雨にもかかわらず寄り道をする。池があってさらに進むがだんだん雨が強くなってきており、まだ寄り道は遠そうなので戻る。池からはマッキノン峠がいい感じに見える。戻ってあせって彼らの後を追いかけるとだんだん晴れてきた。助かった。ミルフォードトラックの天気は全くわからない。今度はプレーリ湖橋を渡ると左手に滝が出てきた。大きな滝壺を有する滝に行くと、またさっきのイスラエル人の3人組みに会った。「Beautiful. Beautiful.」とナタネルさんは言う。本当にすごかった。自分は先に行く。なにしろ今度は左側もすごい景色になって、写真を撮っているとまたイスラエル人の3人組みに抜かされる。バス停という名のシェルターがあり、ナタネルさん達はここで昼食を取っていた。彼らに、「何でバスは来ないのに、“BUS STOP”というのだろうか?」と聞いたら、「バス停に似ているから。」という答えが返ってきた。

そのすぐ先に、水が流れていない沢(マーレン氷河)に橋がかかっていた。それを渡って自分は休憩していた。マーレン氷河の上部は雲で見えないが、絶壁になっていた。ここまで来ればミンタロHUTまでは4km地点なので休んでいると上から人がきた。(本来逆コースの縦走はありえないので、一般の人でないとわかる。)その人は、「1週間前、ここは洪水で渡れなかった。」と言っていた。ここからすぐのところにポンポロナHUTというガイドウォークが泊る小屋があるので、その小屋の人だとわかる。「どうやって渡ったのですか。」と聞くと、「ライドして渡った。」とのことであった。増水が収まってから渡ったということなのだろうか?まあ、とりあえず自分は問題なく渡れてラッキーということだ。ポンポロナHUTとの分岐を過ぎると登ったと思ったらまた下って、橋を渡る。橋のそばと橋の上は、特に展望が開けて写真にはもってこいの場所だ、またここで、イスラエル人の3人組みに抜かされる。だんだんまた暗くなってきて、セイント クインティン滝(落差230m)が見えるところでついにまた降ってきた。幸い木の下なので雨に濡れずに休める。この辺からだんだん登りになり、まだミンタロHUTに着かないかな、雨も強くなってきたし、と思っているとやっとミンタロHUTに着いた。たぶん自分は最後の到着だ。親切な人がいて、「ベッドルームはここ(食堂)の2Fが空いているよ。」と教えてくれたので、行ってみたが空いていなかった。どのベッが空いているのかわからず、下に戻ってきた。1Fの奥にあるベッドルームに行くと、1つ上段のベッドが空いていたのでそこを確保しようとしたら、反対側の下段の人が、替ってくれた。どうもマットだけ持ってさっきの2Fに行ったようだ。

 なぜか雨が止んだのでミンタロ湖に行ってみる。ビショビショに草が濡れていて不気味な湖であった。何かと思ったら近くにヘリポートがあった。

 今日の食事は、ミートボールとツナステーキ。どちらも温めるだけの簡単なもの。それとパプリカと玉ねぎのスープとご飯。あんまり簡単なので、「Very easy cooking.」と、隣のコンロで調理をしているイスラエル人(ナタネルさん)に言うと、「Good!Good!」と喜んでいた。彼らは、パスタにトマトのみじん切りソースという料理をしていた。何しろイスラエル人は全部で10人いて、全員分の食事を作っているから大変だ。(次の日も同じメニューの感じであった。)

 夕食後、管理人の説明があり、それが終わるとイスラエル人のテーブルにコーヒーのお礼のつもりで紅茶を持って行った。(ちょっと10人分はないが・・・)彼らは紅茶を飲まなかったが、いろいろと話すことになった。イスラエルでは男性も女性も全員兵役の義務があり、男性は3年、女性は2年とのことだ。トルコのコーヒーをくれたナタネルさんは、丁度兵役が終わったとのことで、なんと17歳。イスラエルには“死海”という湖があるが、塩分濃度が高すぎて魚が住めないので“死海”というそうだ。なぜ塩分濃度が高いかというと、古代は海底に沈んでいたところで・・・。一生懸命説明してくれた。“こんにちわ“は、“シャローン”とイスラエル語では言う。“おはよう”は“ボッケルトーブ”、“おやすみ”は、“ライラトーブ”。いろいろ教わって面白かった。

クリントンHUT8:05―――クリントン川の分岐10:30―――トイレ 11:00―――HIRE HUT11:50/12:00―――マッキノン峠1st.view12:25―――分岐(雨が降り出す)HIDDEN湖手前の湖12:30 ―――プレーリ湖橋(晴れる)13:00/25―――BUS STOP14:05―――橋渡る(水無し)14:10/15―――セイント クインティン滝15:00/10(雨が降り出す)―――ミンタリオHUT16:30(雨強くなる)

18日 晴れ

 昨日は出発が遅かったので、今日は早く起きて出発することにした。まだ暗いうちに起きると、鳥がHUTのデッキに多数やってきてさえずっている。フラッシュを焚いても逃げないので、たくさん写真を撮る。今日は1番にHUTを出発する。今日はサザーランド滝へも行くつもりなので、10時間以上の行程になる感じだ。だいぶ登ると、展望が開け疲れてきたせいもあり、休み休み登る。マッキノン記念碑に着く前はMt. ハート方面がすごい景色であったが、マッキノン記念碑に着くと反対側のMt. エリオット方面の方が氷河も多くもっとすごかった。結構休憩していたのでたくさん抜かされる。マッキノン峠のシェルターに入ると、そこはコンロがあり大きな鍋にお湯を沸かしていた。昨日の朝、「Good view」だよと、自分が教えた人がお湯を沸かしていて、「お湯をあげるよ」と言ってくれた。ありがたくもらった。なんとシェルターには、自分を抜かしていった人全員がいて、みんなコップを持って休憩していた。まだまだ工程は長く、サザーランド滝へは、寄り道1時間半かかるのにゆっくりしているのは奇妙ではあったが、自分はHUTの中であまりゆっくりしていられないので、お礼を言ってお先に失礼した。外は天気抜群でMt. エリオットを眺めながらトラバース気味に下る。水がほとんど流れていない鉄の橋を渡り、少し下ると、サザーランド滝(世界第5位の落差)の上のところがわずかに見えた。ここはMt.ハートとその隣の真っ白な山も見えて広くていいところなので、休憩する。ここで何人かに抜かされる。ここから10分位で“サザーランド滝 1st view”という標識があったが、またサザーランド滝を見られるだろうと思って先に進む。ところが、下っても下ってもサザーランド滝は見えない。右足のかかとの上がすれて痛かったが、シェルターを過ぎ、吊り橋を過ぎ、どんどん下る。ダッドライ滝という標識があり、休憩する。さらにもう一つ小さな滝があり、どんどん下る。クインティンHUTへの分岐に着き、サザーランド滝に行くためにクインティンHUTへと寄る。自分を抜かした人たちがそこの芝生で寝そべっていた。なぜ、サザーランド滝を見に行かないのか不思議であった。ニュージーランドのグループのリーダ格の人に、「サザーランド滝を見に行ってきましたか?」と聞くと「見に行ったことはあるよ」との答えだったので、「今回は?」と聞くと「落石で行けないよ」とのことであった。どうりでみんなゆっくりしているわけだ。やっと理由がわかった。すぐそばのサザーランド滝への入り口まで行くと、「雪崩のため通行禁止」を消して、「落石のため通行禁止」とあり、厳重に絶対行けないようにしてあった。自分は残念がっていると、リーダ格の人は「5分位下ると、サザーランド滝を見ることができるよ」と教えてくれた。サンドフライ(蚊)がすごいので、さっそく出発。5分位下ると左に踏み跡があり、ザックを置いてそれを行く。ロアリング川に出て川に沿って少し下る。サザーランド滝が見えた、見えた。よかった。下部は見えないが、上部2段、良く見えた。ザックに戻り後ろを気にしながら進む。木の橋に来ると再び見えた。これがサザーランド滝を見る最後であった。もう足が痛いのでゆっくり歩く。サザーランド滝へのサイドトラックに行けなかったので、早くダンプリングHUTに着く。

 ダンプリングHUTは、ベッドのある建物とトイレと食堂はすべて別の建物で、さらにベッドのある建物から食堂へは登り坂になっていた。夕食の支度で行ったり来たりするのはちょっと不便かな。今日は力ラーメンに天ぷらとパプリカ。今日も隣のコンロではナタネルさんがパスタを茹でていた。自分の料理はすごく簡単ですぐに終わった。申し訳ない感じで「はい、料理終了」と言うと、「Good!Good!」と彼は言う。夕食のテーブルは、ニュージーランド人グループのところで、AmyとKellyとお同じになった。なんと17歳とのことだ。夕食後のHUTの管理人の説明は、サンドフライポイントから船に乗るので、みんなが乗り遅れないように、どこからどこまで何時間というコースタイムを10行位黒板に書いて説明してくれた。何しろ明日は雨。大変だ。イスラエル人たちのテーブルにお邪魔すると、彼らも明日の船は自分と同じ3時ということがわかった。クインティンHUTでたくさん蚊に喰われてかゆくてしょうがない。すると、薬を持ってきてくれた。それは透明な緑のゾル状の塗り薬で、アロエから取ったものだと教えてくれた。すごく効いてかゆみが治まった。助かった。お礼を言ってビニールに入った薬を返そうとしたら、「いいよ、あげる」とのことでもらった。「明日、どこに泊るの」という話になって、「テアナウ」と言うと、「打ち上げしよう」ということになった。

ミンタリオHUT7:05―――マッキノンメモリアル9:15/45―――マッキノン峠10:10/40―――緊急時の下降ルート分岐11:15―――橋11:45―――サザーランド滝が少し見えるところ11:50/12:10―――シェルター、吊り橋12:45―――ダッドライ滝13:15/20―――クインティンHUT(サザーランド滝に行く分岐、かつ、ガイドウォークが泊る小屋)13:50/14:20―――ダンプリングHUT15:45

19日 雨

 朝から雨。登山靴にしようか、フェルトたびにしようかどうか迷った末、踵の上がすれて靴ずれになっているのを思い出し、フェルトたびにした。まだ食堂にイスラエル人がいたので挨拶して出発。小さな沢には橋がないので、洪水になっているところが多々ある。登山靴なら、足首から靴の中に水が入る位の洪水だ。フェルトたびにしてよかった。

 ボートシェルタはガイドウォークが使う小屋はまともだが(カギがかかっている)、インデペンデントウォークが使う小屋は小さい。なんとか中に入って休憩。ニュージーランド人のグループは2時の船なので、あまり休憩している時間はないので、雨の中すぐに出発していく。ここを出るとすぐにつり橋で、ものすごい濁流だ。今日の天気が2日前なら、完全にももまでの徒渉で、マーレン氷河の橋も渡れない状況だと思われる。それを思えばまだまだ運がいい方だと思う。マッケイ滝直前でイスラエル人のグループの一部に抜かされる。マッケイ滝は普通ならきれいな滝のようだが、濁流のためすごい迫力であった。イスラエル人に写真を撮ってもらう。マッケイ滝の展望台を降りると、どんどんイスラエル人がやってくる。マッケイ滝の入り口にベル岩があり、岩にこごんでやっと入れる穴があった。先にイスラエルの人が2人入っていたので、恐る恐る入ってみると、真っ暗であるが、イスラエル人がジェスチャーで「立てるよ」と教えてくれた。天井がどの位上なのかさっぱりわからなかった。ここは雨に濡れないので、彼らは休んでいるようだ。ベル岩から出ると、どんどんイスラエル人がやってくる。自分は一足先に進む。左に滝があるところで雨の中写真を撮っているとイスラエル人にどんどん抜かされていく。まだ今日の工程の半分に来ていない。1時間位で連続したつり橋になった。特に最初は濁流がすごい。今日の工程の半分になった。カメラはビニール袋に入れていたが、その中もすでに濡れていて、ついにカメラのズームが効かなくなった。ロックカッティングの辺りからはアーサ川はアダ湖になってものすごい水量になっていた。少し雨も小降りになり、だんだん疲れてきたので休みがちになる。元気を取り戻して進むと、ジャイアントゲートシェルターに着いた。誰もいない。休憩していると、ガイドウォークの一団がやってきた。ベンチを譲る感じでお先に失礼する。すぐつり橋になり、ジャイアントゲート滝が大きな釜を有して、豊富な水量でみごとな滝であった。もうデジカメがまともに機能しないのが残念だが、アナログカメラで写す。30分で小さな小屋(カギがかかっている)に着き、分岐になっているのでアダ湖の見物に行く。ものすごい水量だ。戻って進もうとしたら、左側は一面の滝になっているので、しばしまた休憩して写真を撮る。この間にガイドウォークの一部に抜かれる。遅いペースながらなんとかここから1時間でサンドフライポイントに到着した。小屋はガイドウォークとインデペンデントウォークに分かれていて、インデペンデントウォークの小屋にはだれもいない。みんなは2時の船で行った。丁度船が来た。行きに乗った船は100人以上乗れる船であったが、帰りの船はボートでかなり小さかった。2時の船は40人近く乗ったことになるが、3時の船は20人程度だ。船はミルフォードサウンドの近くで観光船と同じように滝のそばを寄り道する。今日は雲が低いので景色は良く見えないのが残念だ。最初に船に乗ったので、ザックは一番奥にあるので、ミルフォードサウンドでは最後に船を降りる。

 イスラエル人はもういなかった。グチョグチョなので、着替える。バスにはあまり時間がないので、フェルトたびのまま展望台トラックに登る。雲が低いのであまり見えない。戻ってくると駐車場にマイクロバスが来ていた。ザックの荷物を整理していると、今日も運転手が声をかけてきた。「まだいいとのこと。」全員見つけていない感じだ。結局1人来ないままバスは10分遅れで出発した。バスの中で、靴を履き替える。

 レイクフロントバックパッカーズの今日の部屋は、来た時と違い受付と同じ建屋で、「ミルフォード」というカギの名前が着いてあった。一番いい部屋のようだ。ベランダがあり、前の湖が見える。ザックの中もグチョグチョなので、ベランダでいろいろと干し物をした。ベッドは2Fで、柵が無いので、ロープを張った。まさかこんなところでロープを使うとは思わなかった。

ダンプリングHUT7:35―――ボートシェルタ9:05/25―――マッケイ滝、岩9:45/55―――GLACEALを渡る(つり橋)11:00鉄の橋12:00―――ジャイアントゲートシェルター12:35/45―――小屋1:15/30―――サンドフライポイント2:30、3:00――船――ミルフォードサウンド3:15 、5:10―――テアナウ(レイクフロントバックパッカーズ)7:00

20日 晴れ

 バスは11:15にDOCなので時間がある。右足の踵の上にマメができているが、今日は曇りなのでケプラートラックの始めの緑の温帯雨林を見に散歩に行くことにした。せっかくテアナウに来て、あの緑の風景を見ないで帰るのはもったいないと思った。ミルフォードトラックと同じフィヨルドエリア特有の一面緑の世界だ。DOCの裏からレイクサイドトラックを行く。ここからコントロールゲートまでが長い。ケプラートラックの稜線がよくわかるところで、朝飯のサンドウイッチを食べる。去年はルクスモアでは風雨で寒かったが、縦走した。昨日のことのように思いながら食べる。コントロールゲートにはずいぶん遅くなってしまった。ここからペースアップ。9時にUターンを目安にどんどん歩く。DOC BAYを過ぎると緑がすごくなってきた。ブロードベイまではまだまだ遠いが、それなりに一面の緑を見ることができた。帰りの方がペースは上がらないが、なんとかDOCに11時までにたどり着く。バスは予定の15分になっても来ない。DOCの出口の椅子でおやつを食べていると、なんとミルフォードトラックで一緒だったイスラエル人のうちの一人に会った。彼は「待っていたんだぞ」と言った。え?「サンドフライポイントにだれもいない、ミルフォードサウンドにもだれもいなかった。」と、私は言った。「船は一人だったのか?」と彼はいった。「ガイドウォークと一緒だった。」と言うと、そうか、という感じだった。彼は彼なりに納得したのだろう。「バスが来ないけれど、どうしようか。」と言うと、「何時のバス?」「11時15分。もう過ぎた。」と言っているとバスがきた。そのとき彼は「クィーンズタウンにもたくさんイスラエル人がいるから、その人達と友達になりなさい。」と言っているようであった。まともな挨拶もできずに、急いでパッキングしてバスに乗り込む。

 クィーンズタウンのステイションに行く手前で、バスはクイーンズタウン空港に寄るが、時間が中途半端なのでステイションまで行く。ちょっと散歩して、今度は路線バスに乗ってクイーンズタウン空港へと向かう。

テアナウDOC 7:00―――コントロールゲート(水門)8:20―――DOC BAY8:47―――Uターン9:10――DOC BAY9:30―――コントロールゲート10:00―――テアナウDOC11:00、11:30――バス――クイーンズタウン14:00、15:05――バス――クイーンズタウン空港15:30/16:40―――NZ648―――オークランド18:30

21日 晴れ

 今回は過去2回より30分遅い、7:30の送迎バスで宿を出発した。NZ空港の列に並びながら出国カードを書いて時間の短縮を図った。

 成田のそばに来ると上空から白い雪がところどころあるのに驚いた。日本の税関は簡単にパスする。相模大野にもまだ雪があるのに驚いた。

オークランド9:40――NZ99―――成田―――バス―――相模大野


写真 〜ルートバーン・トラック〜


(オーシャンとエメリー滝 1/15 8:24)


(キーサミット手前の池 1/15 8:26)


(アーランド滝 1/15 11:50)


(アーランド滝遠望 1/15 12:31)

写真 〜ミルフォード・トラック〜


(バス 1/16 9:40)


(ミルフォード行きの船 1/16 9:42)


(船から降りる時 1/16 11:17)


(ミルフォードトラックスタート 1/16 11:30)


(緑 1/16 11:40)


(ミルフォードトラック2日目朝 1/17 5:30)


(氷河ミルフォード2日目朝 1/17 5:59)


(無名の滝 1/17 7:00)


(HIRE滝 1/17 12:00)


(鳥 1/18 2:30)


(マッキノン峠より 1/18 5:47)


(滝 1/18 9:40)


(サザーランド滝 1/18 10:30)


(下山日 滝 1/19 9:40)

(武部 記)

 


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