Last Update : 2013/11/10 戻る

高妻山・乙妻山

2013年9月27日(金)〜28日(土)

田中秀和

27日18時30分、戸隠牧場入り口の駐車場着。慌ただしく積み込んできた荷物を整理し、空は満天の星、久し振りに天の川を見て車中泊。

28日4時45分、駐車場発、広い牧場の場内を行く、車中泊したと思しき2グループのヘッドライトが後ろに続く。大洞沢沿いの道が傾斜を増し、帯岩に出た頃から朝日が当たり始める。

6時05分〜同25分、氷清水(“一杯清水ではない”との小看板あり)にて朝食。

6時35分、一不動避難小屋着、直ぐ北側の笹藪で“ザザザーッ”と大きな動物が走った音がした。鹿か熊か定かでないが心臓が高鳴る。熊鈴の代わりに時折ストックで石や立木を叩きながら登ってきたが、以降は自身を勇気づけるため“ヨイショ”と大きな掛け声を発しながら歩く。7時頃先行する中高年男性4人パーティに追いつき一安心。彼等は避難小屋を利用したとの由。道は二釈迦、三文殊、四普賢と小さなアップダウンが続く。

7時15分、五地蔵山(1,998m)着、妙高が美しい裾のラインを見せ、黒姫、飯縄が雲の流れを堰き止めるも絶好の登山日和、暫し休息。5分も歩くと六弥勒に着く。此処から戸隠牧場に至る“弥勒尾根”という道が分岐している(所持していた05年25,000分の1には載っていなかった)。

 左は北アの峰々、前方に険しく迫る高妻、右手に妙高から黒姫・飯縄、後ろは富士山から中アのシルエットが浮かぶ快適な尾根道を写真を撮りながらゆっくり歩く。黒姫山の手前にはこの春に行った佐渡山が意外と低く見え、積雪期の氷沢川へのルートを想像する。七観音、八薬師と小ピークを越え、九勢至を越えると急登が始まり高度を稼ぐ。

9時00分、十阿弥陀のある高妻山(2,353m)着。南は富士、北は雨飾の左に日本海がかすかに認められる360°の絶景を独占し、暫し休息。ここから見る乙妻山の南側の岩壁は見事である。

9時25分、単独行者の到着を待ち記念写真を撮ってから空身で乙妻山に向かう。

10時05分、乙妻山(2,318m)着。昨年、笹刈りをしたという道は細いものの歩きやすかった。途中2,297mピークからゆったり緩やかに北東に伸びる尾根、その北側の氷沢川に続く沢筋が山スキーの好ルートと聞く。

10時40分、高妻山に戻ると十数人程の登山者が休んでいた。ザックの荷を詰め直し早々に帰路につく。小生同様にこの好天に誘われたのか続々と人が登ってくるので、狭い急登部分では待避する場所を選ばないと待つのが辛い。

11時55分、六弥勒の分岐着。弥勒尾根という新道を下ることにする(準備不足を露呈することになるが、この道はweb国土では表示されていた)。道は根曲がり竹を刈り払ったばかりの状態で踏み跡も薄く歩きにくい部分が多く、急登が続くかなりハードなルートである。沢筋にある一不動のルート利用が難しくなった場合に価値がある。但し、最後に牧場に出る時に小さな沢を渡らなければならないが、橋は架かっていない。

13時10分、弥勒尾根入り口の標識がある牧場の一端に着く。顔を洗い、身体の汗を拭う。今朝の気温は7℃だったが尾根に出てからは陽射しが強く、ほぼ全行程半袖という暑さだった。

13時40分、駐車場帰着。

(反省その他諸々)

 本コースの計画を立てたのが出立日の朝。地図の最新版を確認せずに出掛けてしまった。好天に誘われとはいえ事前の準備不足を反省。

 熊鈴の効果は如何ほどなのか?人慣れした熊には逆効果という説も聞く。人を恐れ続けている純粋?な熊だけならば熊鈴の効果も十分であろうが、奥山まで多くの人が簡単に入る様になった今はどうか?風向きや沢の音で効果が薄れることもあるのでは?

 一方、尾瀬の一角には“此処は熊が居ません。熊鈴は鳴らないようにして下さい…伝々”の看板があったと記憶している。小生もお遍路道中に巻き込まれのは御免であり、普段は鈴を持ち歩いていない。しかし、加瀬さんの富士山での熊目撃情報や、今回も足跡らしき痕跡や糞から近くに居たと思えることから対策の必要性を痛感している。

 入る山域や時期にもよるが、日高に入っていた時のように音の出る花火“2B弾”や爆竹、撃退スプレーを準備する必要がありそうだ。また、熊鈴はカウベルのような優しい音よりも高音域の鋭い音が有効と聞いている。



(田中(秀)記)

 


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