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大室山

2014年3月15日

田中(秀)・単独

5:30 自宅発、
6:30 渓谷遊歩道駐車場着
7:00 久保吊橋(450m)
8:05 大渡ルート分岐着
8:30〜8:50 c1,010m点にてシール登行準備
9:25〜9:40 痩せ尾根の1,200m点にて休憩
10:30〜10:55 大室山山頂(1,588m)、休憩 滑降準備
11:10〜11:15 c1,280m点ツボ足に切替
11:40〜11:45 c1,010m点にて長靴回収
12:25 久保吊橋着
12:35 遊歩道駐車場着。
13:15 駐車場発
14:20 自宅着。

 「ハイグレード山スキー」(2007年・岳人編集部)に紹介されていたが、丹沢で山スキーが出来るのか興味津々であった。今年は首都圏で2月に2回の大雪があり、これを試す良い機会であることは承知していた。しかし、自宅の大雪の後始末そして体制が整っていない地域での道路除雪の遅れが簡単にこれを許さず、3月半ばになりようやく実施できたのでその始終を報告する。

 自宅を早朝に出て、圏央道あきる野IC・中央道相模湖ICから道志村に入る。前夜来の雨が山間部ではやはり雪になり、里も山も薄らと雪化粧の朝だった。片道の高速代は500円、走行距離は50Km弱であり、天候を見て出かける雪国の山屋さんの気分に浸る。谷間から見る空模様は快晴、朝までの雪が木々の枝を飾朝日に眩しい。野原吊橋近くの無料駐車場にて準備し、街道沿いに久保吊り橋経由で登山開始となる。

 どのようなスタイルで登るか少々悩んだが、鬱蒼たる杉・檜の植林帯が1,000mまでは続くことから、軽量で防水完全な長靴を選択、これが正解であったと確信する(復路は足を痛めぬよう兼用靴で降りるとして、荷物となっても長靴は軽い)。吊り橋から僅かに進み、右折して登山道に入るがいきなりジャングル状態となる。大雪の影響で倒木や押し倒された弦性植物が主要に執拗に背負った板に絡みつき、行く手を阻む。

 取り付け部のジャングルを抜け、杉や檜の植林帯を急登すること約1時間で大渡に降りるルートの分岐点に着く。幾重にも重なる展望の効かない急登を続け、1,000m近くになるとようやく広葉樹林帯の明るさが戻ってきた。積雪量も安定してきたと判断、c1,010m点にてシール登行準備、長靴デポ。日当たりのよい斜面で数十メートル土の上を歩かされる場面があったり、広葉樹林内では大雪の影響と思しきジャングル状態が随所に現れ難渋する。過酷な使用環境にシールが音を上げたため、尾根が狭まった1,200m付近でワックスを塗りこむ。木々の間越しに見える南アルプスや秩父の山並みが疲れを癒してくれる。

 ここより上は、尾根の左が植林帯、右が徐々にブナの疎林帯となっていった。下りにこの疎林帯を楽しむべく樹相の境目を登ってゆく。大室山山頂は標識が僅かに頭を出していてその位置がわかったが、小さく平坦な頂で貧弱であった。そしてポピュラーなハイキングコースであるが、これまでも、ここでも誰にも会わなかった。

 山頂から疎林帯の緩斜面を滑る。2月の大雪の上に昨夜来の新雪が10センチほど積もっており準パウダーに感激!快適に滑る。しかし夢ははかなく200mばかりで5分にも満たない。少しでも板のまま降りたかったが、倒木、藪が五月蝿くなり、痩せ尾根手前のc1,280m点で板を外す。後はひたすら下るだけである。長靴を回収するも滑りやすい急な下りで足を痛めぬように兼用靴のままとする。

 昼頃に久保吊り橋に到着する。吊り橋の補修工事が行われており踏み板が半分程無い。靴の下の川の流れを見ながらスリル満点の橋を渡る。対岸に居た昼休みの作業員たちは、板を担いだ当方の姿に唖然としていた。

 自宅に戻ったのは2時半前であった。関越道ならばこれから渋滞が始まる時間であり、近場で楽しめる場所の貴重さを改めて実感した。ここも体力トレーニングを兼ねてと考えれば候補地である。山頂直下で仲間がいれば2〜3本滑っても良し。





(田中秀和 記)

 


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