富士山(その2)
富士山・須走口(春スキ−) メンバー:加瀬、田中(秀) 納会山行に参加できずフラストレーションが溜まっていたところに吉田口を滑るというIさんのメールが流れた。早速、滑り納め場所を探していた加瀬さんに連絡、明日朝6:30五合目駐車場集合と決まった。但し古傷を抱える還暦超組は少々日和って須走口とした。 拙宅からは富士山は最もアクセスが容易、須走口ならば距離104Km、圏央道・中央・東富士五湖道路経由で1時間半、今朝は4時に自宅を出て5時半着であった。ほどなく加瀬さんも到着、朝食、うたた寝をして7時出発に備える。 ほぼ快晴、風はほとんど無い、気温は+数度か地面には氷が張っている。富士を仰ぐと既に7合目近くまで人影が点在、駐車場にいた人達のほとんど出発していた。膝のリハビリ中とは思えない加瀬さんのハイピッチに息を切らしながら砂払い五合目を過ぎ、板を履ける程の雪面が現れたのは2,340m付近であった。 初心者と思しき単独行の若者、我々より若干先輩らしきやはり単独行者を抜き順調に登るが、30前後の若者3人組はエネルギッシュな歩きには敵わない。彼等は大きく御殿場側の沢筋にルートをずらしていった。 小生は2,790m点で、加瀬さんは3,100m点でクト−を付ける。ディナフィットTLT用のクトーは先端部のヒンジ構造で止めているだけなのでサポートを使用すると雪面に対する噛み込みは甘くなり効かなくなる。これを何とか出来ないかと加工した物を小生は今回持参し、その効果を確認した。経6mmのロングボルトを板の滑走面側でクトーのエッヂに穴を開けて通して固定する簡便な物だが、効果に問題はなくも寒い中で蝶ナットの締め付けが難しく、想定通りとはいえ改善策の必要を痛感した。 3,000mを超してから気温が低く感じられてきた。板やブーツに着く雪氷片も水滴にならない。3,330mの岩が露出している場所で大休止をとる。この尾根状になった場所から吉田側の通常ルート(須走ルートの夏道沿い)は風当たりのためかカリカリのアイスバーンとなっていた。再び登り始めたが、加瀬さんが足に違和感を感じていること、雪面が酷くなる一方なので20m程上がったところで今回の終了点とし、滑走準備に入る。この時、9合目付近から滑ってきた2人組の1人が転倒し暫く動けないでいた。彼等は私達の100m位上から大きく御殿場側にトラバースしていった。やはり登ってきたルートは未だ雪が固く、彼等に倣い1本御殿場側の沢筋を狙うことにする。 ルート取りは正解であった。時折ビデオを取り合うなどしてザラメ雪を存分に楽しむ。2,450m以下は凹凸の激しい狭い沢となるの慎重に下り、2,340m点で板を脱いだ。降りてきたシュプールを写真に撮ろうとした時、更に御殿場側の沢筋に7〜800mも一気に降りた見事なシュプールに気が付いた。犯人は朝一緒になった3人組であろう。あれを来季の目標にしよう。 |