Last Update : 2014/06/26 戻る

大品山、鍬崎山(富山県)

2014 2/22〜24、26

武部慎

2月22日 晴れ、曇り

今日は粟巣野スキー場までのコースの偵察。雷鳥バレースキー場のゴンドラを降りた所でシールを張っていると、たくさんの人が大品山方面から「わかん」を着けた登山者が戻ってきた。(私は、彼らのトレースに後日救われる。)雪は良く、トレースの脇を進む。最初のピークから鍬崎山がはるか彼方に見える。そこからの下りと瀬戸蔵山の下りは、シールを付けているので曲がらないから大変だ。大品山への細い尾根を登るのは大変だ。そこを登りきると、なだらかになり大品山だ。粟巣野スキー場分岐はその先で広くなっており、木に2本の赤テープが巻いてある。すでに多数のスキーのトレースがある。それを行く。雪はいいのでどんどん滑る。少し登って、左にカーブするとだんだん尾根が明瞭になり、貯水池が見える。ここからは尾根が細く、急なので注意する。でも雪はいいので快適だ。貯水池の下からは、緩斜面を行くと、送水管の隣に沿って樹林帯の中を行く。コースが狭いので滑りにくい。赤布で送水管を渡り、樹林帯の急斜面を行くと粟巣野スキー場だ。



鎌崎山

[タイム]
雷鳥バレースキー場ゴンドラ上11:10/30―――瀬戸蔵山12:15/30―――大品山1:15―――粟巣野スキー場分岐1:30/2:00―――貯水池が見える2:20―――貯水池下2:30―――粟巣野スキー場2:50

2月23日 晴れ、曇り、雪、曇り

 昨日よりも雪は少し粉雪から締まった雪になっている。その分、シールを付けての下りはスピードが出て大変だ。今日は先が長いので昨日よりも飛ばしたつもりだがあまり時間は変わらない。粟巣野スキー場分岐から真谷乗越へはシールを着けたままで下る。結構下り甲斐がある。ここからはどんどん登る。1480m地点は休憩場所にはよく、休んでいるとスキーで下ってくる人が一人いた。彼は、1756mピーク手前の岩場でUターンしてきたそうだ。ここからの登りは結構大変で、大斜面を登りきると尾根が細くなる。岩の下部をトラバースして板を外して、急登を登る。上から一人降りてくる。すでにホワイトアウトしてきて暗くなっている。気はあせる。急登はすでに数人のトレースがあったのでよかったが、始めの人は大変だと思う。2人のパーティがこの難所を通らずにスキーでトラバースして下っていた。自分は尾根に出て、1756mピークまでツボ足で登る。どんどん天気は悪くなってきているので、シールを外してすぐに下る。先程の2人パーティのトレースを頼りに滑る。始めは少し何ターンかしてから大トラバースに入る。雪崩れないか心配だ。先程来た岩の下部の下のさらに下をトラバースして、細い尾根に出る。この細い尾根を滑るのも慎重になる。そこが終わると快適な大斜面だ。1480mでは少し登るが、真谷乗越まではどんどん滑る。ここから粟巣野スキー場分岐までは結構な登りだ。昨日よりも30分位遅い時間になった。そのせいか、粟巣野スキー場までの雪は昨日の方がよかった。でも結構よかった。粟巣野スキー場下では、丁度バスが来たので今日はバスで雷鳥バレースキー場に戻った。

[タイム]
雷鳥バレースキー場ゴンドラ上8:30/45―――瀬戸蔵山9:30/40―――大品山過ぎて粟巣野スキー場分岐10:30/40―――真谷乗越11:00――1480m11:20/30―――ピーク直下ツボ足1756mピーク12:30/13:00―――1480m13:15/25―――真谷乗越13:35/45――粟巣野スキー場分岐14:10/14:30―――貯水池下15:00/05―――粟巣野スキー場15:15



鎌崎山

2月24日 晴れ、曇り

昨日よりもさらに雪は少し締まった雪になっている。その分、シールを付けての下りはスピードが出てターンもできない。最初から転んでのスタートだ。瀬戸蔵山の下りを含めて何度か転ぶ。今日こそは山頂まで行こうと思いながら進む。初日に比べたら雪は良くないので、大品山の細い尾根はさらに緊張する。真谷乗越への下りも雪は重いので昨日よりも滑りにくく時間はかかる。1480m から上は登り甲斐がある。大斜面を超えて尾根が細くなると滑落しそうなのでツボ足になる。少し登るとボコボコ潜ったので再びスキーを付ける。1756mピークへは昨日より少し遅くなった。まだまだ遠いので先を急ぐ。ここからは雪稜で若干尾根より南側を登る。木はほとんど無いので、若干雪崩れる心配はあるので、慎重に登る。小さなピークを超えて大分山頂に近づいたら、表面の雪のすぐ下に氷が出てきた。アイゼンに履き替えて登ろうかとも思ったが、時間も時間なのでここから滑走することに決める。快適な斜面だが、すでに雪は重くなっているのでターンはしづらい。もうすぐ1756mピークというところで、ターンしたときスキーの先端が潜り前転した。雪に腰が無く潜ってしまった。滑落しなくてよかった。1756mピークに戻り、すでに2:30なので先を急ぐ。スキーのシュプールに従って滑る。このとき、昨日自分が滑ってから、今日の今までスキーの人に会っていないからそのシュプールは昨日の自分の跡だと勘違いしてしまった。少し滑ってそれはずっと沢を下っているので、今日滑ったシュプールだと気付いた。このときすぐに登り返せばよかったが、トラバースして来た尾根に出ようと考えた。ずっとトラバースしてもうトラバースできないところに来た。シールを付けて急な斜面を登るが、雪崩そうなのでズボズボ潜るのは覚悟してスキーを外し、小尾根の急登を登る。ニーパットして1回雪を固めてからキックステップで登る感じだ。傾斜が緩くなったかと思うと雪のすぐ下は氷でヒヤッとする。さらにツボ足で少し登ってからシールで登る。やっと昨日自分が付けたシュプールにたどり着いた。もう4時過ぎだ。暗くなるのは確実となった。はて、何時に着くだろうか。粟巣野スキー場コースは近道だが、暗くなると迷う可能性があり、滑落、転落の可能性もあり、貯水池に落ちる可能性もある。雷鳥バレースキー場に時間がかかっても戻るしかない状況になった。シールを外し、なにしろここからどんどん滑る。雪崩の心配は多少あり緊張したが、長いトラバースを終え、登ってきた尾根に出る。細い尾根を慎重に過ぎると、真谷乗越まで快適な斜面はあっという間だ。もう5時で表面の雪はクラストしつつある。クトーを付けて登ると、クトーがよく決まってすいすい登る。大品山分岐ではまだ明るかったので、ちょっと粟巣野スキー場コースに行くことも考えたが、明るいうちに粟巣野スキー場に着くことは無理なので、雷鳥バレースキー場を目指す。シールを外してせっかくだから大品山からのわずかな下りをスキーで滑る。狭い尾根は北側斜面を滑る。なんとか暗くなる前に滑走終了。後はツボ足で雷鳥バレースキー場を目指す。ヘッドライトはあるが電池があまり無いためよくルートがわからない。ボコボコ潜りながら、トレースの窪んでいるところを見つけて進む。瀬戸蔵山の登りは結構あって予想以上に雷鳥バレースキー場に戻るのは大変だ。瀬戸蔵山までくると、あともう少しという感じになる。宿には連絡ができないのが気になる。まさかここで夜景を見るとは思わなかった。直角に右に曲がるピークまで来た。後もう少しだ。雷鳥バレースキー場ゴンドラ上になんとかたどり着く。しかし、駅舎にはカギがかかっており入れない。ここでも電話は通じない。スキー場はアイスバーンになっていて、しかも暗いのでどうしようかと考えた。スキーをデポしてアイゼンで下ることに決める。スキー場の真ん中位まで下ると数台の雪上車が広いコースをメンテしており、引かれないよう注意して下る。スキー場のかなり下に来てやっと宿に電話がつながり、無事を連絡できた。

宿のみなさんにどうもすみませんと言って戻ると、とっくに宿の夕食時間は終わっているのに夕飯があった。よかった。(頭にはまだヘッドライトが付いていることに気がついた。)

次の日、スキーを回収した。

[タイム]
雷鳥バレースキー場ゴンドラ上8:10/25―――瀬戸蔵山9:05/10―――大品山10:10―――真谷乗越10:20/30――1480m11:10/20―――ツボ足3回―――1756mピーク12:35/45―――2020mUターン1:45/2:00―――1756mピーク2:30―――3:00ルート間違いのためトラバース後登り返す―――1756mピークのすぐ下4:15/30―――真谷乗越4:50/5:00――大品山5:15/20―――滑走―――5:30/40―――瀬戸蔵山6:20/30―――雷鳥バレースキー場ゴンドラ上7:15/30――アイゼン―雷鳥バレースキー場下8:20

2月26日 晴れ

今日もチャレンジする。もう通い慣れたコースだが、日増しに雪が締まり、今日もスタートから転ぶ。雪の表面はクラスト気味でトレースに入るとスピードが出すぎて止まるためには転ぶしかない感じだ。初心者に戻った感じだ。気にせず先に進む。今日も下りは転ばないように踏ん張るが転ぶ。今日は非常に暖かい。大品山の登りの前ですでにシールが雪だんごになる。今日は登るのが遅くなることが確実だ。もうすぐにシールには雪がベッとり付くので、真谷乗越へはシールを外して滑走することにした。なかなかターンができない雪質で苦労してターンする。真谷乗越からの登りで新しい下りのシュプールを見つける。先日1756mピークで私が間違って辿った人のシュプールとすぐにわかる。(彼は2ビバーグして戻ったことになる。)そんなことを考えながら登るが、すぐにシールはダンゴになり負荷を伴っての登りで大変だ。いつもの休息地1480mでシールメンテする。すでにこの前の30分遅れであり、今日は帰るのでこの上の快適な斜面を何回か滑り、その上には行かないことにする。北面なのでそれなりの新雪を楽しむ。2回滑って、3回目チャレンジするかどうか迷ったが、もう帰ることにした。真谷乗越に近づくと雪は重くなりターンが難しくなったが、それなりに快適だ。

粟巣野スキー場分岐から粟巣野スキー場への雪質は、来るたびに悪くなる。たくさんの人が滑るので雪が荒らされ、どこを滑ろうか迷う。特に、貯水池が見えてからの細い尾根では新雪が無いので、滑りすぎて大変だ。なんとか突破して貯水池の下に着く。やはり、先日夕方にこのコースに来なくてよかったと思った。スキー場までは狭いコースなのでもうゆっくり滑る。

 雷鳥バレースキー場へは、送電線を目印に道があることを地図で知り、雪の道を滑って近くまで行けた。

[タイム]
雷鳥バレースキー場ゴンドラ上8:20―――瀬戸蔵山9:00/05―――大品山手前ピーク9:30―――シールメンテ9:40/10:00―――粟巣野スキー場分岐10:05/30―――真谷乗越10:35/55――1480mシールメンテ11:30/50―――1550mピーク12:30/13:00――滑走―13:05/20―――1550mピーク13:50/14:00―――1480m14:15―――真谷乗越14:20/30――粟巣野スキー場分岐14:45/15:10―――貯水池下15:35/45―――粟巣野スキー場16:05



奥大日、剣の頭、立山

 


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