Last Update : 2014/08/30 戻る

秋田駒ヶ岳 (1,637m、国見温泉コース)

2014年8月27日 天気 曇り 風弱く気温12℃(阿弥陀池付近)

メンバー:田中秀和、他会11人

日帰り・往復

 網張温泉で前日の肉体的疲れは癒せたが、夜更かしし過ぎたのか身体が重い。冬はスキーに興じる平均年齢70弱の高齢軍団を率いることになり、時期を過ぎてしまった花の名山に遊んだ。

 7時45分、宿泊ベースの休暇村網張温泉から3台の車に分乗し出発。一旦南下して46号線秋田街道に出て西へ田沢湖方面に、仙岩トンネル手前から昨今の大雨で痛んだ県道に入り国見温泉、ここまで約1時間であった。

 2軒の温泉宿の1段下に登山者用駐車場(30台位か)とトイレが整備されていた。立ち寄り湯は9時から16時までで500円で利用できる。

 9時丁度出発。10分ほど階段状に整備された急斜面を登ると緩やかな樹林帯の道になった。雨水による土壌浸食、湿気による木道の腐食など登山道の痛みは激しいが排水溝の開削、笹の刈払いなど相応の整備が続けられている。私達を追い抜いていった5人組も地元の関係者らしくツルハシなどを担いで登っていった。感謝!

 50分程で横長根分岐の標示がある低灌木帯の稜線に出る。長根は尾根の意味であろう、カルデラの反対・田沢湖側は金十郎長根である。砂地で歩きやすい緩やかな尾根道だが樹高は背丈より高いので展望は効かない。しかし所々に小広く切り開かれた場所があり、浅いブルーの田沢湖が眺められた。しかし、今日も青空はなく、眼前に聳える筈の女岳も山腹が見えるだけで、標高1,400m程から上はすっかり雲の中である。

 横長根分岐から30分強で横岳と女岳方面の分岐点・第2展望台に着く。この辺りからが「大焼砂」と呼ばれる粒径が小さい火山砂礫のザレ場で、「砂走り」を登るようで歩き難い。1,400mを過ぎるころから傾斜が緩くなりザレ場も終わり、緑に覆われた横岳(1,583m)に到着。全員元気、70代後半の最長老も5分と遅れず到着した。展望も効かないので阿弥陀池に降りて昼食を取ることにする。

 阿弥陀池避難小屋は土壌浄化方式のトイレが整備された立派な建物である。近くに水場が有るが周囲の状況から生水利用は避けたい。小屋を風避けに整備されているベンチでお弁当を取る。相変わらずガスは晴れず池の対岸も山頂も見えない。

 人の往来で自然に完成となる予定なのか目詰めの無い石畳、空っぽの砂防ダムの様な疑木の石段を急登し15分程で秋田駒ヶ岳最高点の男女岳(オナメダケ、1,637m、または女目岳)には立派な三角点標石があった。風化して文字が浅くなったが右書きで一等の文字がある。ガスは晴れる気配もなく証拠写真を撮り早々に下山に移る。

 阿弥陀池からの復路は、横岳と男岳の鞍部に一旦登り南面の火口壁急斜面を降りて鏡池などが点在する女岳火口原を歩くお花畑の道「馬場の小路」コースとした。降り口は初夏まで雪が残ることが多く、案内書には転落注意箇所の表記もある悪路である。落石や浮き石の危険性から間隔を取って慎重に下山。下りきった五百羅漢・女岳と国見温泉方面への分岐点は背丈に近いシシウドと笹の大群生地であった。

 ここから横長根に出るまでの火口原歩きは木道整備も十分で快適であった。チングルマは既に穂を風に揺らしていたが、キリンソウやリンドウの類はまだまだ咲き誇り、7月から8月上旬迄ならば素晴らしいお花畑だったことが容易に想像できる。圧巻は横長根に合流する手前、大焼砂の下部に位置するザレ斜面のコマクサの大群生地であった。花もそこそこ残っており眺望が得られない今回山行のハイライトとなった。

 最後まで眺望には恵まれなかったが、全員怪我無く国見温泉に着いたのは15時過ぎであった。国見温泉の入浴は諦め宿の晩餐に間に合わすべく網張に向かう。此処はもう一度訪れたい山の一つとなった。

記:田中秀和

<タイム>

8月27日
7:45  網張温泉発(車移動)
8:40  国見温泉着
9:00  同 発
9:50〜9:55 横長根分岐
10:30〜10:45 第2展望台(分岐)
11:15〜11:25 横岳
11:35〜12:00 阿弥陀池
12:15〜12:20 男女岳山頂
12:30〜12:40 阿弥陀池
13:10〜13:25 五百羅漢・国見方面分岐
14:25〜14:35 横長根分岐
15:15〜15:30 国見温泉
16:30 網張温泉着

ルート図(GPS記録)


 


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