Last Update : 2015/02/28 戻る

倉 見 山


平成27年1月1日 天気:晴後曇・雪 

メンバー:梅原(単独)

 倉見山の位置を大雑把に示せば、富士急線を中枢として、三つ峠の反対側に、線路に沿って延びる尾根の最高点である。月刊「新ハイキング」で何度も紹介されているのは、優れた富士山の展望が得られるからだろう。藪山だったそうだが、近年登山道が整備されて、単純に尾根を歩けばよい。

 富士急線西桂駅で、私以外には中年夫婦の一組が下車した。その朝の冷え込みはきつく、登山口の今宮神社まで、霜の降りた両側の畑が、雪と紛うほど真っ白で、それが朝日に煌めいていた。元旦早々素晴らしい光景に出合えた。



 年末に右膝関節に溜まった水を抜き、その再発を懸念し、また霜で滑る登山道なので、通常より遅いペースにした。積雪は全くなかったので、ストックのみアイゼン無しで適切だった。山頂まで、杉の植林ではない自然林を歩けるのも嬉しい。

 駅で会った老夫婦以外に全く登山者に出会うことなく、1,256mの倉見山山頂に立つと、富士の眺めは抜群であった。ただ、直ぐ先のピークからの展望は更に良い。西風に雲が纏わりついて流れる、荒々しい光景でもあった。静岡県富士市生まれの我が母から良く聞かされた。「富士山は静岡から見るのが一番優雅で、山梨側からは荒っぽい。」私は西伊豆・大瀬崎からの富士を一番としたい。

 尾根を南南西に下ると、伐採された後に杉が植えられて間もないという山肌になり、やや落胆した。堂尾山公園(公園とは名ばかり)の区域に入ると、各所へと登山道が派生しているので戸惑いながらも、自動車道に下り、富士急線・寿駅に到着した。

元旦に相応しい目出度い駅名だと喜ぶのも束の間、電車は出たばかりで、寒さに震えながら、屋根だけの駅舎で小一時間待たねばならない。付近の飲食店は正月休みで、唯一営業しているコンビニで、コーヒーと肉まんを購入。飲食用の椅子とテーブルがあり、山では全く飲食物を摂らなかった意袋を和ませた。

やがて曇天から雪が舞い始め、間もなく激しく降り始めた。大月から高尾の中央線車窓は、雪景色を楽しめた。高尾で京王線に乗り換える際、京王線駅舎隣接の蕎麦屋が視界に入った。このまま帰宅しても、元旦に山に行ったことにたっぷり嫌味を言われるのは確実である。たった一人なので「侘しい」行為とも自身思えもしたが、一杯ひっかけてから、攻撃をやり過ごすことにした。



東桂駅7:50−今宮神社(登山口)−9:30倉見山9:40−自動車道(富士環境システム付近)10:40−11:00寿駅

文及び写真:梅原

 


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