Last Update : 2015/05/31 戻る

納会・乗鞍岳(その2:チーム・ラビットの記録)

2015年5月23日

当初は有志による金曜夜発で23日は富士見岳〜〜富士見沢or鶴ヶ沢を考えていたのであるが、今年は異常なほどに雪が少ないとの情報があってその計画は取りやめとした。

しかし幹事としては何としても事前に雪の状態を偵察したいとの思いから、土曜早朝発でTah車の出動を依頼し出発した。早朝のため道路は空いていて凡そ3時間で乗鞍高原観光センターのバス停に到着(920)した。940発に間に合う時間であったが大雪渓の状態を偵察するだけで十分なので欲張らず、同じく都内早朝発の菅沼車の到着を待ち、1150発にNis、Ume、Tah、Kasの4名が乗車した。また別行動ではあるがOka車3名も何とかこのバスに間に合い乗車することが出来た。

この時期はまだ肩の小屋口下までは開通しておらず、位ヶ原山荘前からシール登行となった。雪は例年に比べ少ないものの、大雪渓や富士見沢には雪渓が切れ目なく繋がっていて、もし中止しなければオプションの富士見沢の滑降が出来たのに・・と少し後悔した。位ヶ原山荘前からの最初の急登で、Nis、Ume、Tah、の3氏は健脚であることはわかってはいたが、登行時はあっという間に離されてしまった。私もなんとか朝日岳の下2770m付近まで上がり、そこでシールを外し位ヶ原への滑降となった。

夕刻に美鈴荘で今回のメンバー全員と合流し、温泉のあとは納会となった。今回のメンバーは関係者を含めて20名であり、大宴会となって大いに盛り上がることが出来た。(写真は、ラネージュ6月号参照ください。)

2015年5月24日

チーム・ラビット メンバー:Nis(TL)、Ume、Fuk、Ook、Kas (5名)

チーム・ラビットは、新人1人を含めたやや健脚グループの構成である。今回は岩代表が本部、行動隊はA(ラビット)B(タートルズ)の2班である。トランシーバ3台はそれぞれが所持し要所にて連絡を取り合うことにした。

位ヶ原の取り付き点から最初の急登でA班B班ともに苦労してチーム・タートルズの記述にあるような状態となった。スキーアイゼンを装着した人とベテラン勢はあまり苦労なく登れたが、シール登行に慣れていない人はここで体力の消耗戦となったようである。

私はスキーアイゼンが板に直付けとなるタイプを使用しており、ヒールを上げても常に雪面に板がホールドされているので急登では特に登攀力効果が大である。わたしのお薦めのクトーであるが、ただ残念なのはこれが取り付けられる締め具はトゥピースとヒールが分離したタイプに限られている。私はD社の締め具を使用しているため、本当は連結棒に干渉して取り付けが出来ないのだが、なんとか工夫して使用できるようにしている。

さて、大汗をかきながらも順調に肩の小屋口下に到着すると、なんと、会員の家族が除雪された道路を歩いて来たらしくカメラを構えて待っていた。我々の最初の壁の突破がいかに大変で時間を要したかという事を再認識した次第である。そこから道路を渡ると眼前に朝日岳に至る大雪渓が繋がっていた。

チーム・ラビットはまっすぐ朝日岳に向かうルートを取ったが、朝日岳と蚕玉(こだま)岳の間で岩が露出していたので、朝日岳直下まで上り詰めそこにスキーをデポすることにした。新人のOok氏はファットスキー板のため頂上直下の傾斜がキツイところでシール登行を終えて板をザックに取り付けて登頂となった。それにしても、ベテランのUme氏はクトーも使わず結局シールだけで頂上まで登攀してしまい、経験と力量の違いを思い知らされた。デポ後はツボ足で頂上までハイキングに出発し、頂上でチーム・タートルズと合流して御岳山をバックに記念撮影となった。


写真左:頂上祠前から御岳山を望む。写真右:剣ヶ峰(頂上3026m)の標。


《図:チーム・ラビットのトレース、赤往路、青復路》

デポ地点から滑降準備となったが、チーム・タートルズと連絡が取れない。後で我々の思い込み違いであることが判明したのであるが、てっきり朝日岳側に戻って来るものと考えて暫し待機状態となってしまった。結局、我々は見通しのきくところまで滑降することにしたのだが、なんとタートルズは彼らのトレース記録にあるように蚕玉(こだま)岳下のわりと難易度の高い斜面を滑降するルートを取っていた。チーム・タートルズとラビット間の思い込み違いによるトラブルであるが、すこし、タートルズの実力を見縊っていたようだ。

合流後はTah氏がカメラマンとなり各人の勇姿を撮っていただき(勇姿の写真は、ラネージュ6月号参照ください。)ながら、位ヶ原山荘に到着。バス下車後はそのまま解散となった。

(以下、新人初参加のOokさんの感想)

今回山スキー同志会に入会して人生でほぼ初めて山スキーをさせていただきました。自分の予想通り、とても楽しかったです。今年は仕事の関係でしばらく行ってなかったスキーを12月から再開しました。10年前と比べスキー場には、太いスキーで深雪を軽々と滑っている人や板の裏にノリを貼って山に登ってる人がたくさんおり、何か楽しそうなことをしているな、と思ったことがきっかけでした。それからネット検索し、見まねで道具を買い使って見ました。深雪は楽しかったですが、一人で雪山にいると結構怖かったです。

検索中にたまたま山スキー同志会のことを知り、すぐに今回の山スキーに連れて行ってもらいました。想像と実際にやってみるのでは、とてもギャップがありました。ほとんど山登りだということ、滑ったらなかなか止まらないこと、荷物(スキー)が重くてばてたこと、など、確実にみなさんの助けがなければ頂上まで行けませんでした。

苦労した分、スキー場以外では初めてみる雪山の景色は素晴らしかったし、スキーはあっという間で、悪雪の溝に足を取られそうでしたが、なぜかとても楽しかったです。来シーズンもぜひ参加したいです。この経験を生かして臨みます。

[コースタイム]
5/23  位ガ原山荘(取付点) 1244 -> 大雪渓上部2770m -> 1400/1415 -> 位ガ原山荘 1430

5/24 位ガ原山荘 830 -> 肩の小屋口バス停 940/950 朝日岳 1115 -> 剣ヶ峰 1150/1205 -> 朝日岳1240 -> 位ガ原山荘 1315

今回、写真係として活躍いただいたTah氏には現地での偵察同行と会計係までお願いすることになり大変お世話になりなりました。また写真係であったため、ご本人の滑降写真の勇姿が無くて申し訳ありません。

加瀬 記

(写真:Tah  GPSデータ:Ook、Som  コースタイム記録:Nis)

 


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