Last Update : 2015/06/27 戻る

笈ケ岳撤退、大笠山

2015年5月1日〜3日 

メンバー:武部

5月1日(金) 晴れ 

 まず、ゲートが締まっていて登山口まで2時間以上も歩くことになった。打越トンネル内は寒く、長袖を着てヘッドランプを付ける。出口の明かりが遠く、20分かけて打越トンネルを登る。トンネル出口からもダムまでは結構な登りで、重荷なのでなかなか大変だ。ダムまでの車道は、帰りの車線にはまだ所々雪が残っている。ダムを過ぎると平坦になり、橋を渡るとまもなく除雪が終了し、雪道になる。道路の柵より湖側は、かなり雪が溶けているのでそこを歩く。キャンプ場近くからは完全に雪道だ。キャンプ場で、ハイキングシューズから登山靴に履き替え、ハイキングシューズをデポする。腹ごしらえをして、登山口までデブリを超えて進む。吊り橋まで来て、唖然とする。渡れない!吊り橋の床が無い。良く見ると、床の網は片側に立てかけてあり、針金でサイドに固定されていたのでホッとした。金網を全部降ろす作業は、10分でできてよかった。でももうすぐ昼なのでどこまで行けるか、問題だ。

 これからが問題で、ハシゴの連続、クサリ場を、重荷を背負って登る。急斜面にはもう雪はないのでその点は問題ないが、最初に通るだけのことはあって、邪魔な枝、大きめの石を取り除きながら登る。カラビナ、下降器具も落ちていたがそのままにする。登りきってまもなく、雪がポツンと出てきた。厚さは30cmないのでそのまま進むが、雪の底が空洞で無く、バランスを崩しそうになる。こんなところで転落したら大変だ。気を引き締めて登る。今度は通せんぼの雪で、腰上の高さまである雪の塊で、下は空洞、幅は30cm位なので、ピッケルで雪を崩す。だんだん雪が多くなってきたが、また夏道になる。鏡岩を過ぎると尾根の北側になり、雪はかなり出てきた。木の根でテラス状になっているところで休む。(帰りここで迷う)ここから急になりキックステップで登る。だが、非常に雪が薄くなっているところがあり、そこは通らずに雪の無いルートを選び、枝につかまって急登をわずかに登る。登りきったところは少しなだらかになり、赤布を付ける。これからは稜線上を登るが、所々雪が切れていてルートの取り方に苦労する。1200mになると斜度がゆるやかになり、雪の量はグッと増えて快適になる。もう3時なので、どこに泊るか悩みながら登る。途中窪地があり、ツェルトを張るには絶好の場所ではあったが、先に進む。結局、4時過ぎに夏道が出ているところがあり、そこにツェルトを張ることに決めた。

[タイム]
ゲートP 410m 8:20―――打越トンネル出口9:05/10―――キャンプ場10:35/11:00―――登山口111:25―――つり橋(網の床をセット)11:30/40―――鏡岩の上(960m)13:05/15――雪、枝につかまる(雪無し急登)――980m赤布付け13:35――雪所々途切れる、キックステップ、ピッケル―1160m 14:30/35―――1420m 15:25/35―――1540m(夏道)ツェルト 16:20

5月2日(土) 晴れ

 ここから大笠までは、まだそれなりに時間がかかる。全部の荷物を持って、避難小屋まで行くか、どうするか迷ったが、ツェルトは張りっぱなしで、シュラフ、コンロと、食糧の約半分を置いて行くことに決めた。ダウンジャケット、シュラフカバー、2.5日分の行動食を持った。ここから笈ケ岳までは遠いが狙うことにした。最初は快適だが、だんだんペースが落ちてきた。2時間で大笠に着くつもりであったが、2時間半以上かかってしまった。笈ケ岳まではよく見えるが、雪が付いていないところが多々ある。もう遅い時間なので、気にせず先を急ぐ。山頂からは雪がつながっていないので、少し薮こぎをする。すぐに雪が見えて、雪の斜面に降りる。ここからコルまで、亀裂が多々あるので、気をつけて歩く。数回雪がないところを超えるが、そのたびに木に捕まって降りる。なかなか大変だ。コルまではなんとか来た。ここから稜線上を登り、トラバース気味に薮こぎして再度雪に出て、また登る。岩も出てきたがなんとか登る。雪のある一番上からは、薮こぎになる。ここの薮はすごくなかなか進まない。20分格闘して戻ることにした。岩場には気を付けて、雪の急斜面はグリセードで下る。コルからは、バテバテ状態で、休み休み登る。雪が付いていないところの登りもあり、疲れる。1780mでは、雪解けでかなり早い勢いで水が垂れているので水汲みをする。ここまで来ればほぼ安全圏だ。大笠山からは、休む時間と歩く時間が同じ位のペースでツェルトまで戻った。

[タイム]
ツェルト6:10――1570mピーク6:20/25―――7:00トラバースになる―――ピーク下 7:40/55―――大笠山山頂1820m 8:55/9:05―――コル1560m9:40/50―――登り―岩あり―1660m 10:40――やぶこぎ――1700mUターン 11:00/10――グリセード―――コル1560m 11:50/12:00――― 1660m12:35/50―――1780m水汲み 14:00/20――大笠山山頂14:30/45――――ピーク下 15:10/20――初めのピーク 16:00/10―――ツェルト16:55 

5月3日(日) 晴れ

今日は下山。だれも来ないだろうと思っていたら、5分も歩かないうちに3人パーティにあった。彼らのザックはぺちゃんこで、今日はテントに泊ったそうだ。彼らはゆっくりしていたので、大笠までは行かない感じだ。冗談で、「追いつかれるかもしれない」と言って、別れた。(後でまさにその通りになった。)下りは快適だ。1200mから下も、うまくルートをとって、登りの時よりも快適に下る。彼らのテントは自分が付けた赤布のわずかに登ったところにあった。上から見ると、雪の薄いところはさらに薄くなっていた。登ってきたルートを使って、枝につかまって雪が無いところを下る。ここから急斜面をキックステップで木の根のテラスまで下る。ここで休憩。さて、次が進めない。雪が溶けて木が跳ねたようで、トラバースするルートがない。少し下ったが、そんなルートのはずはない。1時間登ったり、下ったりする。トラバースすればいいのだが、それが行けない。そうこうしているうちに、さっきの3人パーティが戻ってきた。彼らは、トラバースしないで、私が間違って付けたトレースを使って、雪のあるところを尾根から外れて下って行く。結局全員、やぶこぎして尾根のルートに戻った。全員ホッとする。まだ所々雪はあるが、問題なく下る。私の方が、休みが長いのでゆっくり下る。鎖場、ハシゴも越えて、吊り橋までたどり着く。

キャンプ場で休憩し、靴を履き替える。彼らはもうとっくに先を行っている。腕が日焼けで痛いので、途中道にある雪を取っては腕に当てながら歩く。長いトンネルを超え、ゲートまで長かった。

[タイム]
ツェルト7:05――ピーク7:10/30――赤布回収8:35――980m迷う(鏡岩の上)8:45/9:45―――雪を下って、やぶこぎトラバースでルートに出る960m―――10:20/30―――吊り橋11:35―――キャンプ場 12:00/30―――水場12:37―――トンネル手前13:40/55―――ゲート 14:40

武部 記



大笠山を望む



まだまだ遠い笈ケ岳



大笠より下り斜面/左 笈ケ岳、右奥 白山



2泊したツエルト

 


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