Last Update : 2015/08/15 戻る

金峰山(表参道〜大弛峠・国師岳)

2015年8月8日(土)

メンバー:田中(秀)単独

コースタイム: JR塩山駅 7:30-(バス)→8:35 アコウ平 8:40→8:55 荒川渡渉点 9:05→9:20 水晶峠への分岐点 →9:30御室小屋(廃屋)→10:00 片手廻し岩 10: 05→10:50 c2,430m点 11:05→11:25 金峰山 12:00→12:45 朝日岳 →13:05 朝日峠 →13:30 大弛峠 13:40→14:20 国師岳 →14:35 北奥千丈岳 14:50→15:20 大弛峠 16:00-(バス)→17:40 JR塩山駅 
 
 標高2,365mの大弛峠まで車が利用でき、森林限界のある金峰山は奥秩父でも涼風が期待できそうだ。単独行でのタクシー利用は負担が過ぎるが、地元の栄和交通さんが無雪期は土休日運行でバスを走らせていることをネットで知る。猛暑の折、直ぐに翌日の朝第一便を予約、運良く最後の一席をゲットできた。

 満員のマイクロバスを一人アコウ平(地図上1,968m点の北、アコウ沢の源頭)にて下車する。塩山駅から小型マイクロバスに乗り換える柳平までが1,000円、そこから先は同一の800円という料金設定だった。アコウ平の資材置場らしき平地には10台弱の駐車スペースがあり、渓流釣り目的らしき車が2台停まっていた。

 荒川側に数十メートル下ると錆びた玩具の様なレールが残る森林軌道跡に出た。これを荒川沿いに下ること15分程で渡渉点へ降りる標識があり、右折し河原に下る。10m程下流側に工事用のトラロープが渡してあるポイントを見つけ難無く荒川を渡る。ここは涸川となっている御室川との合流点で、荒川の右岸にその伏流水が湧き出している。絶好の休憩ポイントであるが、水量が増すと厄介な場所でもある。
 御室川谷底の薄暗い道を暫く進み水晶峠への道を分ける。観光地昇仙峡の奥にある金桜神社を里宮とし、此処から水晶峠を経て今日行く平岩尾根と八幡尾根に挟まれた小尾根を登り、奥宮の金峰山・五丈岩に至るのが表参道とされる。谷が開けて明るくなったところに崩れ落ちた御室小屋があり往時が偲ばれる。

 小屋裏から急登が始まり、鬱蒼とした針葉樹林(ネズコとか?)を抜け、大きな岩が石楠花の群落の中に点在する明るい尾根に取り付く。直ぐに鎖の付けられた大きな岩棚(鶏冠岩)となり、岩塔の「片手廻し岩」、その上方に頂上の「五丈石」が並立する絶景が望めた。アルミ製の堅固な梯子が続き高度を稼げるが、大きな岩を巻くことが多く岩稜歩きには程遠かった。片手廻し岩の語源は調べていないが、チベット仏教のマニ車を連想させる。高さは10m程だろうが全周が平滑な岩塔で、小生にはとても攀じ登れそうもない。

 踵に靴ズレを感じたのでc2,430m点にて靴下を履き直す。この辺りからは木陰は乏しいが風は涼しい。大きな花崗岩塊、這松、石楠花をかき分けるような急登に息を荒げながら五丈石の下に着く。ここまで誰にも会わなかったので、金峰山頂の賑わいに、まるで里に下山したかのような奇妙な感覚に陥る。五丈石には数人が取り付いていたが一向に登る様子が無いので道を空けて貰う。乾いた花崗岩の感触も良く、ホールドも明確に刻まれていたので快適に登れた。平らな頂部には径20p、深さ10p弱の孔が穿かれており、溜まった雨水に沢山の硬貨が沈んでいた。この場所と三角点がある金峰山頂部の岩の上(2,599m)とどちらが高いのか気になる。(帰宅後GPSログでみる気圧換算であるが2m程高い結果となっていた)

 日陰の風通しの良い場所を選んで昼食。大弛峠までは単調な山道、ほぼ予定通りに着く。舗装された駐車場どころか手前の路肩も車で溢れていた。小屋の水場で冷たい水を補給し国師岳に向かう。シラビソなどの針葉樹林の木陰に一面の石楠花群落、その中に木道・階段が整備されており疲れた足には有難い。前国師、国師岳と踏み、金峰山より2m高い奥秩父最高峰の北奥千丈岳2,601mにて休憩。自宅から凍結ビールを運び上げ堪能している御仁には感服、暫し雑談。

 峠に戻りバスの時間を確認後、小屋でビールを買う。「常温ですよ」と云われ一瞬引いたが、水場の流水に5分も浸しておけば飲むみ頃となった。涸沢と同じ高さのある山の上ということを実感する。ここからアコウ平までは1時間強で歩けるようだ。バスの無い平日でも紅葉や石楠花を楽しむ目途が立った。

(追記)

 栄和交通さんの下山バスがコースに組み込んでいる温泉施設「花かげの湯」は単純アルカリ泉のごく普通の立ち寄り湯ですが、併設レストラン「はくさい」は天丼のデカ盛りでは少々知られた店、「富士山丼」の元祖とか?知らずに頼むと大変です!

記:田中秀和

<添付写真>

1.鶏冠岩から片手回し岩と五丈石(金峰山頂)



2.GPSトラック画像



 


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