弥山・八経ヶ岳（八剣山/経ヶ岳）

【期日】２０１５年８月２７日（木）〜２９（土） 【山域】大峰山脈　天川川合〜弥山川（双門滝）〜弥山〜八経ヶ岳〜明星ヶ岳-（栃尾辻）-天川川合 8/27（木）　前泊地（大山）＝高速バス+近鉄+奈良交通バス＝　天川川合・民宿泊 8/28（金）　民宿　4：50→5：30　熊渡（670ｍ）→6：00林道終点（カラビキ尾根分岐）6：30→7：05　釜滝・関電取水堰→１0：10仙人�ｰ前テラス（1,250ｍ）→11：10休憩ｐ（1,420ｍ）11：45→13：45狼平（1,595）→14：55弥山（1,895ｍ）→15：00弥山小屋 8/29　弥山小屋　5：35→6：00八経ヶ岳（1.915ｍ）→6：20明星ヶ岳（1,894ｍ）→7：15　ｃ1,725ｍＰ　7：50→8：05高崎横手→9：15栃尾辻→10：10　ｃ1,115ｍＰ　10：35→11：10　天川川合 27日　大阪に向かうバスの車窓から伯耆富士がくっきりと見える。期待に反して台風一過の晴れとはならなかった昨日とは正反対の好天日が移動日となってしまったが、先ずは渋滞に巻き込まれることもなく順調に乗り継ぎを重ね15時過ぎに近鉄・下市口駅に着く。天川村へのバス出発まで小1時間あり、駅近のコンビニで今晩と明日の食糧を仕入れる。台風通過の影響を計ったこともあり急遽予約を入れた今晩の宿では食事が用意できないためである。しかし、これが間違いの元であった。宿では大山登山（大学時代のＯＢ会）帰りの荷物をデポすることも断られ、期待していた山の情報も満足に得られなかった。 28日　明けかけた空に星が光り天気は心配なさそうだ。4：50荷物が重く、入りきらない荷を28Ｌのザックの上に載せヘッドランプを点けて早出する。天の川（十津川、熊野川となり熊野灘へ）沿いに309号線を歩く。30分足らずで白倉橋に着く。ここで北から山上川、東から白倉谷が北上してきた天の川とＸ字状に合流し西に向きを変える御手洗渓谷の入り口であり核心部でもある。地質的には中央構造線南側の外帯（北縁）であり四万十帯、秩父帯として奥多摩の山にも縁があり、修験の世界では吉野と甲斐に金峰山がある。 　5：30　弥山川出合の熊渡に着く。橋を渡って双門コースの注意喚起標識がある林道のゲートを開けて進む。増水時の代替および下山ルートとなっているカラビキ尾根道の分岐点広場で朝食とする（6：00〜6：30）。 　左に河原へと降りる林道は4年前の豪雨災害で路肩崩落、倒木と見る影もなく、この先のルートの状況が心配になる。暫くは砂防堰堤と上流の関電取水堰の影響で干し上がった河原を進むが、10分程で流れが復活してきた。ルートは右岸となっているが崖が迫り目印となるテープやペンキ、石積みのケルンも見当たらない（流失か？）。強引に木の根を伝いながら高巻き気味に右岸を進み、釜滝の下に出る。右岸に遊歩道を見出し、すぐ上の関電取水堰を越す（7：05）。 　弥山川の遊歩道は天川村が整備した（Ｈ17年）が、度重なる出水により寸断され、脱落し曲がり果てた鉄製の橋や梯子が自然の脅威を見せつける。この先、河原を石伝いに進んだり残された遊歩道に戻されたりと起伏激しい体力消耗戦が続き、2〜3kgであろうが想定外の荷が重い。仙人�ｰの大岩壁に近付くほどに谷は巨石で溢れた急流となり、2段に落ちる一の滝、二の滝直下の吊り橋は健在でであった（8：45）。 　仙人�ｰに設置された30連近くの鉄製梯子を連続して登り、ルートは巻くことなく岩塔を越えて双門滝の見えるテラス（仙人�ｰテラス）に出る（10：10）。右手に岩の目に沿った落差70〜80ｍの大滝が掛かり、滝壺の下に更に三の滝が続く。一から大滝までの総称が双門の滝であるが、1枚の写真には到底納まり切らず、足元の石楠花の株を分けて下を覗き込むことは怖くてできない。 　一旦、迷ヶ岳（1,695ｍ）への尾根筋をｃ1,460ｍまで登ってから滝上の河原に降りる（ｃ1,380ｍ）。渡渉地点を探したり高巻き道を探しながら我慢の消耗戦を再開し、ｃ1,420ｍの河原で昼食休憩（11：10〜11：45）とする。狼平の手前、弥山から落ちる沢を左に分ける屈曲点からは岩場を攀じ登るようになる。しかし、要所要所は岩壁に打ち込まれた鉄筋棒の足場、オーバーハング部には鎖梯子と整備されていた。 　道が林の中を進むようになって間もなく狼平に着いた（13：45）。仙人�ｰテラスで抜かれた今日ただ一人の同じコースを辿る男性（40〜50歳）もここで昼食休憩中であった。大阪在住の彼は此処から尾根道を戻る日帰り山行との由、ここまで予定より1時間半超過してしまったが自分が特別遅い訳でもなさそうだ。 　弥山に登る一般道は鹿の食害防止対策で整備され、これまでと打って変わり歩き易い。14：55天川弁財天奥宮が鎮座する弥山山頂に着く。参拝中、俄かに大粒の雨と雷鳴に襲われ弥山小屋に逃げ込む。雨宿りのつもりがビールの酔いと今日の疲れに負け投宿することにした。ここから1日で洞川温泉に出て帰京することは無理なので山上ヶ岳は次回の楽しみとし、明日は尾根道を川合に下ることとする。 29日　疲れと同宿者との酒が過ぎたか一度も起きることなく5時となってしまい慌てて起きる。5：35朝焼けの荘厳な景色を楽しみつつ八経ヶ岳（八剣山・経ヶ岳）に向かい、修験者の歩いた奥駈道を歩く。6：00近畿最高峰の標識がある八経ヶ岳山頂（1,915ｍ）着、東の大台ケ原〜熊野の山々に雲海の滝が掛かっていた。 　6：20大きな登りもなく、小さなお地蔵様が祭られた明星ヶ岳（1,894ｍ）に立つ。ここで奥駈道と分かれるが近道しようとして道迷い20分のロス。狼平への分岐近く、1,725ｍ点の南側で朝食タイム（7：15〜7：50）。 　8：05狼平への分岐点である高崎横手着。9：15栃尾辻に着くが天川弁財天社や温泉のある坪内へのルートは登山道崩落のため通行禁止の標識が出ていた。またしても準備不足を痛感、洞川温泉まで便少ないバスで行くには先を急がねば！。9：55林道と合流・分岐、少し下り日陰で風通しの良い1,115ｍ点近くの鞍部で大休憩（10：10〜10：35）。送電線を潜る辺りから村が見えるようになり、11：10川合バス停着。 　下市口行きバスが11：35にあるが、汗臭い格好では新幹線にも乗り難い。一旦逆方向の洞川温泉に向かう。温泉施設は土曜日ということもあり大盛況、しかし、こちらは帰りのバス発車まで30分も無い。入浴・着替え・荷物整理と慌ただしく済ませ12：25発のバスに乗る。 　近鉄下市口駅発13：48、橿原神宮前駅経由で京都に出て、新横浜経由で家に着いたのは19時30分。貧乏性の常で少々慌ただしい山行であった。 記：田中秀和　2015.09.05