Last Update : 2016/01/18 戻る

葛城古道


梅原秀一(単独)

平成27年12月2日 快晴

 二日間奈良を歩いた。12月1日は何故か負け組巡りとなった。業平ゆかりの不退寺、弓削道鏡とのスキャンダルで有名な孝謙天皇陵、西大寺。西大寺では、奈良の寺社の受けた戦国時代の戦禍、歴史の本流から外れての経済的困窮。また西大寺の様に、反藤原氏の孝謙帝・道鏡の系統のため受けてきた政治的迫害。などをお教え頂いた。

 その晩は大胆にも、辰野金吾設計の奈良ホテルに泊まった。明治42年創業、檜造りの本館のバーで、カクテルをゆったり楽しんだ。

 12月2日、近鉄奈良から大和西大寺・橿原神宮前・尺土と3回乗り換え、近鉄御所(ゴセ)駅午前10時頃下車。駅から西に2qほど車道を登れば葛城古道が始まる。

葛城古道は葛城山と金剛山の連山の東の裾野に南北に延びる、大和朝廷以前に栄えた豪族葛城氏が、交易に利用した道。山並みの向こうに真っ青な空。紅葉は見頃で今日は楽しめると意気込んで歩き始めると、やや!? 前方に夥しい集団が。

折悪しくウォーキングラリーと重なってしまった。大汗かいて百人を越えそうな集団を、古道最初の神社・鴨山口神社で追い越した。

古道は山道・農道・林道・舗装路の混在で、起伏は頻繁にあり、南下するにつれて高所となる。まず九品寺。聖武帝の詔から行基が開いた寺。紅葉が素晴らしい。

更に南下する。常に左手(東方)に奈良盆地が広がり、奈良三山と二上山を確認しながら、葛城一言主神社に。願い事を一言だけ叶えてくれる。険しい斜面に建ち、樹齢1200年の大銀杏の黄葉が青空に鮮やかだ。ここから先は残念ながら舗装路が多くなる。

終盤に高鴨神社。全国数多の鴨神社の総本社で、京都の上賀茂・下鴨神社より格上とのこと。荘厳さの中に真紅のモミジが鮮やかだった。

神社から車道を下り切って「風の森」バス停が、葛城古道の定番の終点である。ここから御所市コミュニティーバス(マイクロバス)で近鉄御所駅へ戻った。古道には飲食店もコンビニも殆どないので、御所駅の商店街で昼食にしたかったが、写真屋一件を除いて全て錆びたシャターが下りているという、凄まじいゴーストタウンであった。

[タイム]
御所駅10:00→10:15鴨山口神社10:20→10:50九品寺11:00→11:20葛城一言主神社11:30→12:35高鴨神社12:45→13:05風の森バス停



(梅原 記)

 


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