Last Update : 2016/01/18 戻る

高水三山


梅原秀一他4名

平成27年12月5日 快晴

ロッカーに荷物を預けるため、登山口の軍畑駅ではなく河辺駅に集合。軍畑駅にコインロッカーは無く、走り終わって汗を流す温泉施設が駅前にある河辺駅が好都合である。ロッカーは改札口の目の前だが、一度改札を出なくては荷物を入れられない。出札すると精算され、直接軍畑に行くより若干だが運賃が上がる。駅員さんに、精算せずに改札から2m先のロッカーまで行かせてくれるよう頼んだが、職務に忠実な職員であった。そこで私一人のみ改札を出て、5人分の荷物を二つのロッカーに入れた。

 軍畑駅を10時下車。この辺りは無人駅舎が多く、キセルのメッカであったが、降車客の多い休日だからだろう、駅員が1人改札を務めていた。  下車した登山者の多くが、南の御嶽山方面に向かうが、我々は比較的静かな北方面に、まずは舗装路をゆるゆるとジョギング。赤黄の木々の葉が、真っ青な空に映えている。

 次第に傾斜が増しやがて登山道となる。暗い杉の植林に日差しが遮られ寒い。稜線直下、朝日に輝く薄の原を抜け尾根に出ると、明るい落葉樹の自然林となりほっとしたところで、石段を登って常福院に到着した。



 常福院は鎌倉時代以前の開基という由緒ある立派な寺院で、モミジが素晴らしい。標高600mを越える地が紅葉最盛期というのは、暖冬のお蔭であろう。紅葉を愛でるのとトイレ休憩(非常に綺麗なトイレ)で15分程費やした。

 高水山(標高759m)は寺から指呼の間。そこから岩茸石山(標高793m)までは、雑木林の中、起伏の少ない足に優しい土の道を快調に走れる、ハイライトの箇所だった。

 岩茸石山は三山のうち、唯一展望を楽しめる(北側のみで、富士山方面は樹林で遮られる)。紅葉の山々の向こうに関東平野が広がり、スカイツリーを確認出来た。

昼御飯時、大勢の登山者で賑わっている山頂を後に、御嶽駅方面に出発。トレイル用でない靴底の溝が僅かしかない靴を履いていた私が、枯葉に足を滑らせ派手にずり落ちが軽い尻もちで済んだ。そんな際は道端に手頃な枯枝があるので、杖代わりにする。

大抵の登山者は金属の三段式杖を使っているが、私は積雪期と熊の出没する山域以外は杖を持っていかない。熊の十頭くらいは杖一本で軽くあしらえる。足の故障以来、走る方ははかばかしいことは叶わないので、古武術を習っていて、秘太刀「烏賊の骨」の継承者となっている。杖は場所によっては煩わしく感じ、ザックに取り付けるのも手間がかかるが、拾った枝なら何時でも捨てられる。急斜面の下りは杖でこなし、惣岳山への登りでは投げ捨てた。

三山の最後・惣岳山は標高756m。樹林に覆われた何の変哲もない山頂である。このコースの岩茸石山から御嶽駅までは殆ど植林の杉林の中で展望は無くつまらない。夏の暑さを凌ぐには適しているが、冬は寒さと暗さに気分も鬱屈してくる。

 この山を越えたらあとは下りだけかと思っていたら、散々下らされた後、御嶽駅が迫った後に小山を一つ越えさせられた。登山道は駅の側の踏切の上で終了するので、嫌な車道が無く、直ぐに青梅線に乗って河辺に向かった。

 河辺駅2階デッキを渡って行けるビルの6階にある河辺温泉梅の湯は実に便利だ。風呂も各種あり、食堂の食べ物もなかなかだ。激走後のビールは格別で、気が付いたら窓から眺められる奥多摩の山並みが朱色に染まり、夕闇に溶け込みつつあった。

[タイム]
軍畑駅10:00→10:50常福院11:10→高水山11:10→11:25岩茸山11:30→惣岳山11:55→12:35慈恩寺(青梅線踏切)12:40→12:45御嶽駅

(梅原 記)

 


山スキー同志会のホームページへ