Last Update : 2016/02/08 戻る

新宿山ノ手七福神巡り

平成28年1月9日 快晴

梅原秀一 ほか8名

 毎年新春に、渋谷駅周辺環境浄化(道交法違反の看板を警察のトラックに積み込む公務)団体で、七福神巡りを行っている。今年は新宿から牛込経由神楽坂迄約8q。

 午後1時半集合、新宿東口新宿通りカレーの中村屋前なら誰でも分かると思っていたが、自社ビルを建て替え、高額家賃を得られる地上階は他社に貸して、自店は上の階で営業していたため、皆途惑った。

 まず新宿通りを四谷方面に進み、新宿御苑南に位置する布袋尊の太宗寺。広い境内に本堂と庫裡がポツンと佇み、樹木が殆ど無い駐車場の空間が広く寂しい。

 花園神社を目指して裏通りを歩くと、薄化粧の男性など尋常でない雰囲気を感じた。新宿二丁目ではないか!そして極め付けの大きな看板が!!(写真)。凄い街である。



 七福神とは無縁だが、有名な花園神社に寄った。七福神の力を借りなくても参詣客で溢れている。別の言い方をすれば、普段の参拝者の少ない神社仏閣に七福神が多い。

神社を裏門から出るとゴールデン街。田中小実昌・佐々木隆三・中上健二といった作家達が入り浸った小さな飲み屋が密集する街には、ディープで危ない魅力を感じるも、一人では怖い。渋谷の仲間を誘っても、新宿は苦手らしく、話に乗って来ない。どなたかご一緒して頂けないものだろうか?連絡お待ちしております。二丁目は遠慮します。

歌舞伎町二丁目の稲荷鬼王神社と恵比寿様をお参りして、東北東に神楽坂上まで道なりである。新宿七丁目交差点から約1qで、寿老人の法善寺、弁財天の厳島神社、福禄寿の永福寺が三つ固まってある。暖冬で快晴無風、少し汗ばんできた。

若松町で伝統民芸品店・若松屋に寄ってから、牛込柳町は大黒天の経王寺。お寺の振る舞い樽酒が美味しく、3杯も飲むメンバーもいて、一斗樽を空にしてしまった。

神楽坂上から神楽坂を下り、神楽坂のシンボル・善國寺で毘沙門天をお参りして完結した。いよいよ皆が楽しみにしていた、慰労会兼新年会である。到着時間の予想が難しいので、店の予約はしていない。私は神楽坂と言えば「鳥茶屋」が一番候補。善國寺の目の前の店。開店は午後4時。開店したばかりで最高のタイミング。

お座敷にとおされ、この爺様の多い団体は膝が痛いからと、正座椅子を四脚も使ったのは情けない。ここは土佐料理の店で、饂飩鍬が抜群に美味い。この店の土佐鶴熱燗を飲めば、酒は冷に限るなどとは言えなくなる。  饂飩鍬 ぶっ太い饂飩です



七福神信仰は室町時代に始まり、固定されていなかった七神を、徳川家康の腹心・天台宗権僧正天海が、寿老人の長寿、大黒天の富財、福禄寿の人望、恵比寿の正直、弁財天の愛嬌、毘沙門天の威光、布袋の大量(度量の大きさ)を取り上げ、現在の七神となった。大黒天・毘沙門天・弁財天はインド。寿老人・福禄寿・布袋は中国。恵比寿は日本の神で、イザナギ尊とイザナミ尊の第三子。

天台宗最高位の僧侶が、七福神を選び奨励したことが面白い。日本の神・恵比寿は本地垂迹説からだろ。福禄寿は道教。毘沙門天はインドの神様が仏教に帰依した神。大黒天は出雲の大国主命といつの間にか習合している。一神教徒、特に原理主義者からすれば、許しがたいことだろうが、我々は何の疑問も感じずに、七福神巡りを楽しんでいる。宗教の諍いから砲弾の飛び交う国ではなく、この日本に生まれ本当に良かった!!

新宿駅東口中村屋ビル前13:30→太宗寺13:45→花園神社14:05→稲荷鬼王神社14:25→法善寺14:40→厳島神社15:00→永福寺15:05→経王寺15:30→善國寺16:00

(記:梅原)

 


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