Last Update : 2016/04/07 戻る

知床岳

2016年4月2日

L:田中秀和、M:野村勉

(但し、札幌山の会;Ha、Mm、Mfの各氏、会員外Sa氏、釧路白湯山クラブ;To、Hr氏の6名が同行)

<コースタイム>  (>>>>は歩行、〜〜は滑走)
相泊P 6:38 >>>> 6:58 カモイウンベ河口の橋 7:02 >>>> 7:08 段丘の上(c35m、スキーを履く) 7:18 >>>> 7:34 c105m・休憩 7:44 >>>> 7:50 クズレハマ川・小沢のスノーブリッジ >>>> 8:14 カモイウンベ右俣スノーブリッジ>>>> 8:42 c325m・休憩 8:53 >>>> 9:13 474mP 9:18 >>>> 9:53 c635m・雪壁下 10:05 >>>> 11:04 c900m・雪壁上 >>>> 12:42 知床岳(1,254m)13:04〜〜 13:15 c1140m・昼食 13:35 〜〜 14:12 雪壁下 14:16 〜〜 14:25 c300m・休憩 14:30 〜〜 14:55 段丘の上 15:05 >>>> 15:30 相泊P

 今日は釧路白湯山クラブのTo氏(全体リーダー)とHr氏を加えて総勢8名(Ak氏は発熱で離脱)と賑やか、地元経験者と同行できるのは心強い(特に熊!に対して)。車道終点の相泊に6時集合を希望しながら、当方が遅刻し出発は6時40分になってしまった。

 この冬季知床岳登山の特徴は何と言っても、海抜0mから知床半島最果ての1,000m峰に登ることに尽きる。昆布漁の番屋が立ち並ぶ石の浜からスタートし、山頂からは知床岬尖端そして国後、風向きによっては流氷群が見えることに映像化される。知床岳から岬先端までの水平距離は僅か13Km弱である。

 未だ人気の無い番屋の前浜、雪が覆われている部分は雪を踏み抜き、雪が無ければ石だらけで歩き難い。20分程でカモイウンベ河口の橋に着く。鋼製の小さな歩行者用であるが、無ければ一苦労させられる場所である。雲はあるが陽射しが時折覗く、予報は昨日より良いので期待に胸が膨らむ。

 橋を渡って直ぐ左手、カモイウンベ左岸の笹を掻き分け海岸段丘の上に出る。ここで板を履きスキー登山開始となる。To氏を先頭にカモイウンベ川沿いに背の高い針葉樹優勢の森を歩く。程なく数日前と思しき大きな熊の足跡に遭遇、二股の渡渉点までの間に真新しいものを含め都合3回も目にした。

 クズレハマ川からの伏流水による小沢、カモイウンベ右俣(二股)と2箇所のスノーブリッジを渡り、沢に挟まれた474mポイントが有る尾根筋を進む。雲海が厚くなったのか少し暗くなり視界も数キロメートルとなった。

 この尾根筋はc650m〜c900mが急峻で雪壁状になっている。先行するガイドツァー隊が四苦八苦している様子が見えた。続く単独の1人は途中から下山していった。ここで体調戻らないHa氏、Sa氏が下山、Hr氏は待機することになった。先行者の踏み跡で荒れた雪面を回避し、少し東側に回り込むとクトーも効いた。全員靴アイゼンとなった北海道勢との時間差は無し。流れるガスの明るさから雲海の上端が近いことが感じられた。

 c1,050m辺りで突然ガスが切れ知床岳が見えた。純白の大氷原の上に1Km近くもある平坦な山頂部(カルデラの縁)の左端の飛び出した部分が三角点の山頂である。素晴らしい展望・光景に写真を撮りながらのんびり歩く。

 山頂からは南西に、昨日の東岳〜硫黄山が大きく、その右はオホーツク海に落ち込む。北は、知床沼辺りの平坦地、ポロモイ岳、知床岬尖端と続き、洋上には国後が浮かび、コニーデ型の大きな雪山が2つ見える。

 少々風があるので50mばかり下がって昼食休憩。To氏から貴重な缶ビールのお裾分けを戴き皆で乾杯。予報通り天候は安定し、雲海も下がりつつドンドン薄れて行く。

 写真などを楽しみながら滑り降り、問題の雪壁部に差し掛かる。午後2時となったが表面はまだ固く、カモイウンベ右俣源頭部には真新しいデブリも見えた。安全第一に登路沿いにc650mまで下がる。此処でHr氏と合流、先行したガイドグループも使った沢芯ルートを快適に飛ばし、c350m辺りで尾根筋に戻る。後は如何に無駄なく渡渉点を違えずに下山するかだがスピードが出るので要注意。往路と渡渉地点が1箇所異なったがスノーブリッジも健全で助かった。

 浜の直ぐ上の段丘で板を外したのは15時。登り6時間、下り実質2時間、これまで味わったことのない充実した爽快な山スキー山行であった。

(記:田中秀和)



知床岳トラック





写真:田中(秀)

 


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