Last Update : 2016/10/08 戻る

雲ノ平

2016年8月11日(木)〜14日(日)

メンバー: 菅澤ほか会員外2名

8/11 晴れ
新穂高530/600―わさび平小屋720/750―秩父沢855/910―鏡平山荘1110/1140―弓折乗越1240/1250―双六テント場1350 

 夜行バスで固まった体をほぐしながら爽やかな冷気の中を出発。左俣谷の左岸車道から右岸に移って笠新道入口をすぎると10分ほどでわさび平小屋到着。ここで朝食を済ませ、河原に降りたところから小池新道の石畳の登りになった。日が昇るにつれ暑くなり、秩父沢で水浴びする。シシウドの群生しているシシウドが原の木陰で一服。日陰に入ると涼風がとても心地よい。

 石ゴロの歩き難い登りを過ぎると池塘が点在しはじめ、鏡平山荘に着いた。鏡平は「静寂な池の畔」イメージだったが人、人、人で混雑している。冷たいビールで喉を潤して昼食。急登に大汗をかきながら斜上し、広い裸地の弓折乗越に出て冷風で一息つく。ここは槍・穂高の展望がすばらしく絶景を楽しめた。

 稜線沿いに双六谷源流に向かう道は結構アップダウンがあって寝不足がこたえた。それでもトリカブト、イワギキョウ、ウサギギクやチングルマの綿毛が眼を楽しませてくれた。

 双六のテント場は大混雑で、すでに200張りほども張ってある。最近のテント山行人気のゆえか個人用の小型テントが多く、混雑に拍車をかけているようだ。今回リーダー調達のテントはエスパースの2016モデルで、室高が高く壁も立っていて前室も広いのでたいへん居住性が良かった。本体とフライ、ポールを3人で分担したら1kg/1人ぐらいで個人用テントを持つより軽い。 小屋前からは真砂岳〜湯俣岳に連なる稜線が眼前に横たわり、湯俣方面に大きく落ち込んでいる。日の暮れるまでゆったりと歓談したが、例によって三人が持参の飲み物は一日でほとんどなくなってしまった。

 今日は今年からできた16番目の祝日・「山の日」。記念式典で畏き辺りが上高地に入っているらしい。 天の川はうっすらと見えたがペルセウス流星群はよくわからなかった。

8/12 晴れ
双六テント場550―三俣山荘830/915―黒部源流945―岩苔乗越1150―祖父岳1230/1245―雲ノ平テント場1340

 朝食は摂らずにテント場を出発。予定では双六・三俣蓮華の稜線から鷲羽岳を越えてワリモ北分岐から雲ノ平に向かうことにしていたが、お花畑を楽しもうとケルンの積まれた分岐を右にトラバースコースに向かった。本音は省エネである。ここで双六岳東斜面に今回初めて残雪を見た。

 三俣峠から下ってハイマツ帯の平坦地に立つ三俣山荘に到着。朝食は小屋のカレーを食べたが香料が効いていて旨かった。

 三俣山荘からいったん戻り、黒部源流に降りる。省エネといってもピークをひとつも踏まないわけにはいかず、行ったことのない祖父岳(2825m)には登ることにして岩苔乗越に向かう。40代のリーダーは69歳と66歳の同行者への配慮がなく、どんどん先行していく。高齢者たちは沢の水を何度も浴びながらカタツムリのように登る。

 岩苔乗越からの稜線でハイ松の下に隠れている雷鳥を見た。先行者に言われて眼を凝らしてみても初めはなかなかわからなかった。

 祖父岳の山頂からは奥黒部の山々が一望できて登って良かった。ここから見る薬師岳東面カールは雪が全く見えず、昨冬の小雪はよほどのことだと思った。雲ノ平の広大な溶岩台地の様子が良くわかった。

 祖父岳分岐まで下るとすぐ下にテント場が見えたが、「植生保護」の名目でとんでもなく迂回させられた。迂回路は崩壊箇所もある危ない道で、植生保護と人命重視とどんな秤にかけたのかと疑問を感じた。

 「スイス庭園」を横目で見ながら木道を歩き、暑さにヘロヘロになってテント場に到着。北アルプス最奥に変わりはないが、秘境といわれたのも昔のこと、テント場は一杯で、岩だらけのスペースしか残っていない。頑張って岩をのけて整地し、なんとか張れた。

 水場はホースから大量の水が流れ出ていてとても快適だった。30分離れた雲の平山荘は天水利用で水不足とのこと。登山者に水汲みバイトの協力を頼んでいて、数人がザックや背負子にポリタンを抱え並んでいた。20?のポリタン1個で500円とのこと。

 山荘の軽食を夕食代わりにと予定していたので雲ノ平山荘に向かった。ところが「本日は大幅な定員オーバーなので夕食準備のため軽食の提供はできない」と断られてしまった。夕食はカップ麺2個を3人で分ける寂しいものとなってしまう。 隣のテントは折立から入山したというN氏。残っていた焼酎をおすそ分けした。

8/13 晴れ/曇り
雲ノ平テント場515―黒部源流645―三俣山荘730/750―三俣峠840/850―双六小屋1040/1120―弓折乗越1225/1235― 鏡平山荘1300/1330―秩父沢1445/1500―わさび平キャンプ場1600

 予定では竹村新道を湯俣に降るつもりだった。6月末の豪雨で晴嵐荘の営業開始が遅れていて、竹村新道も荒れているとの情報があったためどうするか相談する。烏帽子小屋からブナ立尾根下山も検討したが膝が不安だったので結局新穂高へ下山することにした。

 ショートカットコースで祖父岳分岐へ登り、「日本庭園」を眺めながら黒部源流へ降る。途中、ハクサンフウロが咲いていた。

 三俣山荘で休憩後、トラバースルートを辿り、双六小屋で昼食。昔ながらの具沢山のライスカレーで、これはこれで旨かった。小屋のベンチで再びN氏と出会い、わさび平まで同行することになった。弓折乗越へ向う稜線から見る笠ケ岳はとても尖がって見えた。

 双六谷から湧き上がるガスが稜線にかかるころ弓折乗越に到着。鏡平山荘の名物・氷イチゴで体を冷やしてから歩き出したが、わさび平までがとても長く感じられた。

 わさび平小屋で楽しみにしていたお風呂は宿泊者のみと断られたが、小屋前を流れる小川で体を洗い、汗まみれの衣服も洗濯できた。キャンプ場は平坦で快適この上ない。夕食のスタミナ丼も旨かった。N氏を交え懇談。

8/14 曇り
わさび平キャンプ場635―新穂高730/755=平湯820/850=松本1030/1108=新宿1333

 新穂高からの始発バス時刻に合わせてゆっくりと出発し、汗ばむ頃にバス停についた。足湯に浸かって疲れを癒す。 天候に恵まれ、お花畑が楽しめ、水にも不自由しないテント山行だった。若い男女の登山者がずいぶん増えた気がした。
  菅澤記

 


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