Last Update : 2016/11/26 戻る

越後駒ヶ岳 (水無川から銀山平へ)

【期日】 2016年10月15日(土)〜16日(日)
【山域】 越後山地 越後駒ヶ岳 (水無川から銀山平へ)
【構成】 単独 
【行程】 →は車、>> は歩行 

<10/15> 自宅 3:30→(212km、2h45m、)→6:15 八海山里宮・大倉P 6:30 >> 7:10 金山橋 >> 8:00 ブナツルネ沢出合手前(朝食休憩) 8:20 >> 8:25 十二平登山口(490m) >> 9:20雪見ノ松(820m?) >> 10:50 人松(1,308m) >> 13:00 グシガハナ  (1,811m) 13:25 >> 14:25 越後駒ヶ岳(2,002.7m) 14:45 >> 15:00 駒ノ小屋 <泊>

<10/16> 駒ノ小屋 6:00 >> 6:45 百草ノ池(1,535m) >> 7:15 小倉山(1,378m) >>   8:00 道行山(1,298m) 8:10 >> 9:05 林道・823m点 >> 9:15 柳沢・骨投沢中間点(朝食休憩) 9:50 >> 10:20 石抱橋 >> 10:35 銀山平温泉・樹湖里(写真寄り道)>>   10:40 石抱橋 >> 11:10 銀山平BS 12:02 →(バス)→13:05 浦佐 →(タクシ-)→ 13:15 大倉P 13:40 →→ 17:30自宅

 昨年9月、八海山に登った折、駒ヶ岳〜中ノ岳の豪快な山容を見た。雪に磨かれた岩壁を木々の緑の薄いベールに隠し、秋に入っても雪を残す水無川の沢底から立ち上がる標高差は1,500mもある。越後駒は先ずここからと決めたがこの夏は天候不順、駒の小屋の管理人が下りる間際となって漸く実現できた。帰路は膝の調子と積雪期の偵察を兼ね銀山平とした。

 8月から始まった県の砂防工事により水無川沿いの県道265号線は通行止め、荒金地先から車利用はできないと知る。南魚沼市商工観光課に電話し、対岸の自転車専用道路ならば通行できる感触を得る(表向きは×)。八海山大倉口の駐車場が車をデポに利用できる。

 駐車場に着いたのは6時過ぎ、先着は2台、当然八海山目当てであった。田が広がる一画が終わる地点に自転車専用道・この先通行止の標識、歩く分には関係ないと屁理屈を立て水無川左岸を進む。金山橋を渡り直ぐに水無川キャンプ場、その先の森林公園キャンプ所場付近は発電機の音がして工事の飯場に、そして砂防ダムの工事現場が現れた。登山道を完全無視して工事が進められていた。“立ち入り禁止”の標識を出すくらいなら“迂回路”を明確に示せば済む筈なのに!登山者は邪魔とばかりの県の姿勢に腹が立つ。地形、工事現場の状態から登山道の位置を想像して難無く通り抜ける。

 工事箇所から先は朝露に濡れた雑草が煩わしくスパッツを付ける。この冬の雪が異常に少なかったためか沢筋には全く残雪が無い。万年雪表示のある意味不明語“デトノアイソメ”にも全く残雪は無い。乾いたコンクリートが剥き出しとなっているブナツルネ沢の出合(堰堤状の橋)で朝食休憩したが、“山と高原地図”に記されているデブリ通過用のボックスカルバートには全く気付かなかった。

 十二平登山口からは急登の連続、樹木に隠れてはいるが痩せ尾根であり、それなりに注意が必要。尾根筋故に雪崩に遭わず生き延びたのだろうか、松の大木がある雪見ノ松、人松(ここは標識無し)が休憩ポイント。色鮮やかな紅葉はなく、登るに従いシャクナゲが多くなるので、ここは花の季節6月頃が一番だろう。立ち止まり息を整える頻度が多くなり、高木が目につかなく頃、漸くグシガハナ(1,811m)に到着、標高差1,320mの急登が終わった。暫し展望を楽しむ。五竜岳(八海山)から中ノ岳が険しく見応えある。ここで下山者一人と遭遇、その後二人組に、そして主稜線に目をやれば先行する単独行者を発見、都合この日このルートは5人か。

 先が見えたのと、早起きの寝不足もあり暫し30分の大休憩。草付きの道を主稜線に出ると更に緩やかな道となり、越後駒ヶ岳山頂(2,002.7m)着は14時25分、眼下の小屋周辺はテント、登山者で賑やかである。久し振りの好天に秋山シーズン最後のラッシュであろう。小屋が溢れたらツェルトがあると気楽に決め込んで持参の缶ビールを開ける。今日予想以上に疲れたのは缶ビール2本と重い一眼レフカメラを背負ってきたからだ!

 15時、小屋で受付、一人1畳は確保できるということで協力金2,000円を払い小屋泊まり決定。暖かい内にと外で自炊・夕食、一人宴会後、小屋でシュラフに潜り込んで二次会の最中に、山頂往復してきた人が小屋内で炊事を始めた。使用しているマナ板状のコンロ台は小屋で貸してくれるとのこと!部屋中に美味そうな臭いが充満!こちらは寒い思いをしたのに・・・。

 バスの時刻が気になるので山頂での御来光は省略、小屋前で荒沢岳・奥只見湖を前景に日の出を仰ぐ。小屋からは暫く急な下りが続く。雪が着いている時は手強そうだ。昨日とは違い優しい表情の中ノ岳〜駒ヶ岳を何度も振り返りながら百草ノ池(1,535m)、小倉山(1,378m)、道行山(1,298m)と下る。百草ノ池を過ぎた7時頃から枝折峠発と思しき登山者とすれ違いが増える。やがて挨拶も面倒になるほど・・・100人は優に超えているかも。

 道行山から銀山平へのルート入り口は工事中の標識を付けたロープで閉鎖されていた。安易に入らないで欲しいという趣旨らしい。銀山平への下降路は、序盤は緩やかであるが1,200〜1,100m付近が急傾斜で白沢の支流の食い込み痩せている部分がある。柳沢側に回り込めば回避できそうだが少々藪漕ぎとなりそうだ。北ノ又川出口付近では柳沢支流を渡る部分があるが、小さい沢なので埋まってしまうであろう。

 北ノ又川沿いの林道に出て、陽当たりの良い道端で朝・昼食休憩、パスタを茹でていると漁協の軽トラパトカーが来たので一旦中断。産卵期で禁漁なのに悪い都会人が増えた由。便乗の話を断りゆっくり食事。その後、林道を途中で右に入り“銀の道”を通り石抱き橋に出る。川沿いのこの道は一カ所短いが崖地があり冬は使えない。

 銀山平BSまでの途中2カ所の荒沢岳登山口駐車スペースは共に満杯であった。シルバーラインの入り口に当たる白光橋からもバスは乗れるが、ここには売店も何も無く、時間の余裕もあるので始発の銀山平船着き場まで歩き、冷たい飲み物購入で一息入れる。

 銀山平を起終点とした荒沢岳から兎岳、中ノ岳、駒ヶ岳を回る馬蹄形周回も魅力的だ。今回は膝の調子から断念したが、駒の小屋で出会ったあった浜松からの単独行の50代女性に“おばちゃんの私ができるんだから”と笑われてしまった。優柔不断を反省。

 浦佐駅までバス約1時間(南越後観光バス(株)800円)、駅から八海山大倉口まではタクシー約10分(やまとタクシー(株)2,450円)、自宅までは大きな渋滞に巻き込まれること無く約4時間。




越後駒ヶ岳の写真集

 以上

記:田中(秀)

 


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