Last Update : 2017/04/17 戻る

蓮華温泉

目的    温泉+雪倉の大斜面パウダー
メンバー  大久保(単独)
山域    北アルプス蓮華温泉

 春分の日の3連休に勤務がないことが2月中旬に判明しました。蓮華温泉は去年野村さんに教えて頂きましたが、調べると山スキーの世界では超メジャーな場所で、以前から行ってみたく思っていました。電話で確認すると、3連休土曜日から開業とのこと!絶好のチャンスです。

3/18(晴)
 深夜に車を走らせ、5時過ぎに到着、コンビニで忘れて来た登山届けをコピーし、朝食を食べ1時間ほど睡眠、準備してゴンドラへ向かいました。チケット待ちは長蛇の列でしたが、どうにか9時40分にロープウェイ頂上へ。

 白馬乗鞍岳までは蟻のように登山者が続き、先行者目指してハイペースで飛ばします。雪も良さそう。どこにも強者はいるもので2人ぐらいに抜かれました。山頂、景色は良かったですが、風が強く、早々に白馬大池方面に向かいました。蓮華温泉の宿泊者(90人超)の大多数は振子沢ルートを行ったようで、急に人が少なくなり、GPSを確認、同じ単独の方を見つけさらに確認し、大池まで下りました。快晴の青空と池上の大雪原、その上を歩く小さな登山者、今回一番の絶景でした。

自然園から白馬乗鞍岳、登り  

天狗原

 白馬大池
 
 しばらくトラバース気味に進み、小高い尾根が見えたところでシールオフ、尾根の先端まで進み、左方のクラスト斜面を降りたら天狗の庭です。そこからは、想定外のパウダーパラダイスでした。このルートで正解でした。沢近くを滑っていた方が10メートルぐらい流されたので尾根を外さないようにしましたが、もうどこ滑ってもパウダーでした。早々に蓮華温泉に到着し、温泉の後、すぐ寝ちゃいました。開業初日のため、夜は寒かったです。

天狗の庭より蓮華温泉へ 
蓮華温泉ロッジ 

9:40栂池自然園駅>>10:40天狗原>>11:25 白馬乗鞍岳>>12:10白馬大池先でシールオフ?13:10蓮華温泉

3/19(雪のち晴れ)
 雪倉岳に登ったのち、栂池まで登り返して帰るはずでしたが体力的にかなりきついものとなってしまいました。朝5、時雪が降る中ヘッドライトを装着して出発しました。前日、蓮華温泉の方からまず兵馬の平に下りた方がいいとアドバイスされたので下りたところ、兵馬の平のやや下まで下りすぎました。雪が多かったせいかもしれません。そこからシールを貼って登りましたが、今度は手前の尾根を200mほど登りすぎてしまいました。

 上部から瀬戸川を渡渉できないか、右岸の斜面を少し降りて見ましたが渡渉ポイントはなく、対岸も急斜面となっています。そのうち斜面がアイスバーン気味になり、エッジが外れて川に滑り落ちそうになります。山アイゼン、ウィペットでなんとか尾根まで上がりました。

 もう、やめて帰ろうかと考えながら、本来の渡渉地点まで下りました。林間は素晴らしくパウダーでしたが、そんな余裕はありません。ところが、渡渉地点に着くと、なんと、上部に先行者を発見しました。急いで追いかけます(笑)。休憩で追いつき、話を聞くと僕の1時間半後に出発したようです。大きくロスしました。

 天気は曇りから少し晴れ間が出現、同日中の栂池帰還は諦め、雪倉に集中します。ルートミスにより体力と精神力が削られ、なかなかスピードが上がりません。先行のガイドツアーのかなり後ろをたらたらと歩きました。東面斜面を登りましたが、標高が上がるにつれて雪面はクラスト、風、視界共に悪く状況は厳しくなりました。全く見えない訳ではないので、GPS確認しながらなんとか山頂に到達、強風の中シールを外し、急いで下山しました。

雪倉岳山頂 

 東面斜面はクラストしていたため、通常のルートを滑降しました。上部はクラストの上に新雪が乗り、スラフが滑り落ちる状態、視界も悪く不快でしたが、2400mより下は視界と雪面の脆さともに改善し、パウダーを楽しめました。斜面が狭くなるとトラックが少しずつ増え最後はやっと出現した太陽に照らされたズタズタの悪雪でした。さすがメジャールート、50人ぐらいが滑ったとのことでした。

 渡渉地点からシールオンして蓮華温泉、足はとっくに終了して苦行でした。やっとこさ蓮華温泉に着き、コケモモジュース、缶ビール2本をがぶ飲みし、ホッと一息。GPSの累積登高が2300m近くになっていて驚きました。その日登頂した人は確認できる範囲で僕とあと1組のようです。

雪倉岳滑降下部 

5:10蓮華温泉?5:50兵馬の平下>>7:10瀬戸川の右岸1530m地点?8:10瀬戸川渡渉地点>>12:45雪倉岳?14:00瀬戸川渡渉地点>>15:50 蓮華温泉

3/20(快晴)
 朝から無風、雲ひとつなく雪倉岳山頂まで見渡せます。昨夜ビバークした方がおり、朝から新潟のヘリが飛んでいました。天狗原に登り返し、栂池スキー場を降りる予定でしたが、急遽前日に知り合った方と共に裏ヒヨルートへ向かいました。昨日の疲れが残っていましたが、速いお二人に連れられ、春の強烈な日差しの中2時間半で天狗原まで到着、天狗原の台地、東の2100峰まで向かい、シールオフしてドロップインしました。

裏ひよルート 

 上部は滑るプチパウダー,下部はやや悪雪、デブリもかなりありました。鵯峰の裏で白馬乗鞍スキー場へ登り返し(トレースバッチリ)、黒川沢の水門を通ってリフト上部に到達しました。スキー場は既にザラメでした。すっきりしたルート取り、さすがベテランでした。

7:10蓮華温泉>>振子沢>>9:40天狗原>>10:40 2100峰?鵯峰と山ノ神の間の沢?10:50鵯峰北東の沢底>>12:10上部?黒川沢?13:00白馬乗鞍スキー場リフトトップ



今回の反省点:
1.携帯、時計のGPSともにかなり正確なので、細かく確認し、特別な状況がない限りは予定通りのルートを行くべきでした。
2.雪が多い場合、兵馬の平に下りるよりも、トラバースしたほうが省エネです。
3.単独の場合は先行者を待つことも選択肢に入れるべきでした。

記 大久保

 


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