Last Update : 2017/04/22 戻る

2017年3月定例山行報告:船形山

記:岩

日時:2017年3月25日(土)
参加者:CL岩、SL菅澤、加瀬、川島、武部、かえどん(全6名)

記録:宮城県内水面試験場(標高550m,小雪)625・・・930三光の宮と1190ピークの間のコル(1180m,曇)・・・1040升沢小屋(1225m,晴)1100・・・1240船形山(1500m,霧)1300〜升沢小屋(晴)1335〜三光の宮と1190ピークの間のコル1425(晴)〜1520(晴)宮城県内水面試験場

 5年ぶりに登る船形山は、期待を裏切ることなく、やはり達成感のある、また登り甲斐のある山だった。

 今週火曜(3月21日)以降の花冷えのお陰で登山口で20センチ、山中では更なる降雪で心配していたシートラーゲンは無く、逆に、中間部はシール登行に最適な積雪、上部は快適な新雪が楽しめた。

  金曜日3月24日午後、まずは下見する。積雪量が心配だった。結果、積雪十分でひと安心。ただ、駐車スペースが狭く3台程度しか止められない。ともかく明日は早く登山口に来たほうが良さそうだ。夜各車とも午後7時には宿に着いたのでちょっと前夜祭をやって景気づけをした。

  翌朝3月25日(土)5時、ホテルを出発、小雪ちらつくなか、雪道に車を走らす。駐車スペースのこともあり、一番狙いだったが、雪道には明らかに先行車の存在がしっかり残っていた。結局3台目だった。まだ2台とも準備中だったので、佳恵が寄せてくれるよう頼み、なんとか、岩車、加瀬車とも入る。

  朝6時20分すぎ先行者を追って登山口をスタートする。新雪を踏みながら先行者のトレースを追う。ゆったりとした、しかし、長〜い登りだった。登り出して20分すぎ、丸い看板様の板に赤地に白抜で28と書かれた標識を見つける。赤のペンキがまだ鮮やかで作られたばかりのかんじ。登るに従いこの数字が順に小さくなっていく。やや急な登りが出だしにあるだけ、あとはブナの森の中を単調で緩やかな上りが続く。菅澤さんは眠気との戦いだったとあとで聞いた。標識の数字が22をすぎたあたりから、尾根上のピークを二つほど右(北側)にトラバースして登ると17番の標識が見えてくる。そして、左にこんもりとしたピークが出てくる。三光の宮である。ここまで3時間。心配だった左膝はここまでは快調 。とはいえ、いつもの非常にゆっくりなペース。一緒のメンバーには申し訳ないペースだ。標識の数字はどうも登山口が30のようなので、ここ三光の宮はおおよそ中間点。



 三光の宮に着くと丁度正面前方に、とても目立つ三角形の山を望むことができる。思わず船形山と言ってしまうがそれは大間違い。これは蛇ケ岳である。ここに来ると毎度、蛇ケ岳を船形山と間違え、登ってしまう。今日はよく気を付ける。まだガスでまったく見えない船形山に向う。蛇ケ岳を12時とすると3時の方向に大きく舵をきる。蛇ケ岳の東の裾野を1200メートルの標高線に沿って大トラバースである。先行者のトレースは蛇ケ岳の方向に向かっていたので別れる。途中ようやく船の形の山が前方上方に見えだす。純白の大斜面がガスの中から現れる。改めて気合いが入る。30分ほど行くと10番の標識が見える。このトラバースが正しいことを確信できた。さらに30分トラバースしたあたりで川島さんと佳恵が升沢小屋は左の台地ではないかと言う。ここに来るたびに、登りすぎて結局小屋に向かって滑り下るというトラウマがあり躊躇する。菅澤さんにGPSで見てもらうとどうも、女性陣の言うとおり左の台地らしい。菅澤さん先頭に20メートルほど登ると升沢小屋があった。佳恵から、ほら、あってるでしょ、と。

升沢小屋 

五年前は、赤い屋根の年季の入った小屋だったが、建て直されピカピカの新築の山小屋に変身していた。トイレも小屋の中にあり居住性も良い。トイレはバイオトイレで使い終わったら一所懸命ハンドルを回すタイプ。ハンドルを回すと少し臭い。小屋の入口に大型のスコップが二つ掛かっていて、小屋に入るときは入口を少し掘り出す必要があるかも。今日はもうすでに誰かが入口の除雪をしてくれていて難なく中に入れた。小屋の正面上部には8番の標識がついていた。

 15分ほど休憩したのち、山頂に向かって出発する。小屋からは再び先行者のトレースがある。そのトレースを追って進む。ラッセルは大したことはない。トレースは、私が5年前に登ったルートと同じである。沢をつめながら、船形山の核心に迫って行く。そこにひとり滑ってくる人。菅澤さんがラッセルありがとうと声かけする。5年前は青氷だった頂部台地も今日はウインドクラストはしているが氷ではない。下界宮城県方面は快晴で遠くまでよく望めるが、山頂小屋はガスに巻かれて、一瞬しか見えなかった。菅澤さんにもし完全にガスってもGPSのログでなんとか下れるか尋ねた。YESという答えだったので、5年前の記憶とガスが切れたときの一瞬の視界からじりじりと頂部台地の東端にある山頂小屋に迫る。やはり、5年前に登ったという経験は、こういう場合の強い安心感に繋がる。12時40分、ようやく山頂、そして、山頂小屋にたどり着く。

 山頂小屋もトイレは小屋の中。升沢小屋ほど新しくはないが、広くて快適な小屋だ。

山頂小屋 

  20分ほど休み、出発。はじめはウインドクラストの斜面をぎとぎとと行くが、頂部台地の西端ピークから本格的なダウンヒル開始。大事なことはガスに巻かれて山形県側に降りないこと。山形県側は急傾斜でかなり危険。そちらにひきこまれないように慎重に滑る。単独行の人と出会ったあたりからは快適なダウンヒル。ここからが、今日の船形山のハイライトである。気持ちの良い斜面、少しウインドパック気味だか滑り甲斐のある新雪。みんな舞うように滑る。「あっ」と云う間に升沢小屋に着く。さらに少し下り、来るとき、川島さんと佳恵が升沢小屋は左の台地ではないかと言ったあたりで小休止。そしてシールをつけた。

再び蛇ケ岳東面樹林帯を大トラバース。少しだるい。下りはルートファインディングは不要なので最後尾からとぼとぼとみんなに引き離されつつ、みんなのあとを追って行く。

  三光の宮で最後の休憩。ここから再びダウンヒルだが、3月の晴天の午後。雪質が良いわけがない。かつ、三光の宮までは実にたくさんの人が入った模様で、シュプールがギダギダに刻まれていて難儀な斜面となっている。それでも何とか下る。しかし、行きにトラバースした二つのピークのうち下のピークに入る手前で大失敗。調子に乗って滑ってるうちに気付くと沢山無数にあったシュプールが1本だけになっていた。そして、ブナの森を滑っているはずがからまつ林になっている。加瀬さんがからまつ林は登りになかったぞ、の声で、明らかに間違えたことに気付く。菅澤さんのGPSを見るとピークの北側をトラバースするはずが南側に来てしまったようだ。ピークの東側から北側に回り込んで見ると、幸い、前方下部に見慣れたブナの森が見えた。幸い、シールに変えることなく本来のルートに戻れた。快晴、たくさんのシュプール、油断大敵である。ナビゲーターとしては失格ものだった。ピークが丸く小さかったのが幸いした。本来のルートに戻ると、当然、ぐちゃぐちゃにたくさんのシュプールがある。そして、ますます、雪はひどいものとなる。まったくの腐れ雪である。5年前はこのあたりでザラメ雪に変わり案外スイスイだったが、今日は、ひどいものだ。ブナの大木には抱きつきたくはないので、とにかく、慎重に滑る。悪戦苦闘しながらも全員なんとか登山口まで滑り終える。



  下部こそ、とんでもない雪質だったが、とても充実した山スキーだった。東北らしい山スキーとなった。夜の祝勝会のビールが旨かった。

 翌、3月26日(日)は、栗駒山を目指すも、ガスが濃く、登山口の元いこいの村駐車場からいわかがみ平まで登ったところで断念とした(時間不詳)。この日、すでに、いわかがみ平の途中まで道路の除雪が進んでいてルート取りに留意が必要だった。道路の除雪も考えるとこの山は3月半ばまでが望ましいかも。元いこいの村駐車場は20台以上のスペースがある。厳冬期でもここまでは除雪が入っているようだ。栗駒山は、また、次回のお楽しみとする。



山から降りて今日で10日。まだ左膝が痛くて満足に階段も登れない。また右足小指の豆も痛い。まだまだ船形山を登る直前の状態には程遠い。どうも、私はインターバルに3週間以上、賞味期間1日のようだ。終わり。

 


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