Last Update : 2017/10/21 戻る

燕岳〜南岳

日程:2017年9月29日(金)〜10月1日(日)

山域:北ア・燕岳(2,763m)〜南岳(3,033m)

参加者 単独 田中秀和

 久し振りに好天が3〜4日続きそう・・・穂高駅近くに車を置き、バスで中房温泉、燕に上がり北鎌尾根逍遙で大天井ヒュッテへ、翌日は喜作新道・東鎌から槍を越え、大キレットを挟んだ北穂の展望台の南岳小屋に、3日目は天狗ノ池に映し出される槍と紅葉を撮りに出掛けた。

9月29日(金) 晴れ&曇り

 夜行バスが利用し難いのでマイカー利用、未明の中央道を走る。穂高駅近くの駐車場にはバス発車時刻の約1時間前に着いた。週末の混雑を心配したが、150台ほどの駐車スペースに僅か20台弱、準備をしているのは小生を含め4グループのみ、ゆっくりと朝食、仮眠、出発準備。バスの発車の6時半迄に更に4〜5台到着、20人乗りのバスはほぼ定員一胚となり、経由地の駅前からはJR利用客用に増車が準備されていた。

 天気晴れ、但し山には雲が纏わり付いている。中房温泉近くの駐車場は全て満車、夜行バスも着いていた。既にメールで登山届けを提出済なのでポストに列を作る人々の間をすり抜ける。北アルプス3大急登と呼ばれるが、普通の山道を夏の富士登山と同じ蟻のように進む。

 富士見ベンチでは遠く富士山を見つけたが、合戦尾根に上がってからはガスが流れ、近くの峰々が部分的に見えるのみである。燕山荘にザックをデポし燕岳を往復する。雨の心配は無いがガスが多く写真にならない。そのお陰か、道に現れた雷鳥親子(もう子も親と同じ大きさ)と暫く連れ添って歩けた。朝日岳でもそうであったが、彼等は全く人を警戒しない。

 燕山荘に戻り大天井を目指すが、ここからは極端に人通りが少なくなった。しかし、緩やかな道であるがピッチが上がらない。シャリバテでないとすると寝不足か?大天井岳を踏んでからヒュッテ入りしたいと目論んでいたがギブアップ、巻き道・喜作新道に入る。

 この道は予想外にロケーションが良かった。高瀬川へ落ちる幾筋かの岩稜、見上げる大天井西面の岩肌・・・暫し見入る。山頂を踏めなかったことが悔やまれる。

 大天井ヒュッテの宿泊者は約10人と静か、内1人の若者は北鎌狙い。夕食後、小屋番と共にほぼ宿泊者全員が牛首展望台(2,766mポイント)まで上がる。夕焼け空と北鎌稜線のシルエットがお目当てである。約15分の登りだが日没時刻に急かされて息が上がる・・今度はアルコールの影響か?

 北鎌尾根を隔てる天上沢にガスは無く、背後の裏銀座の山々に掛かる雲も背が低くなり、北鎌の岩稜がシルエットとなり浮かび上がってきた。夕焼け空は、月の満ち欠けや雲の掛かり方、空気の湿度等でその色や輝きが千差万別となり、これを見るのが小屋番氏の特権らしい。こちらは見ることが出来ただけでラッキー!、寒くなってきたのでヘッドライト頼りに急斜面を小屋に下りる。



<タイム>
あきる野IC 3:30→(中央道経由・199km)→5:40穂高駅前駐車場6:33→バス→7:35 中房温泉 7:40 −11:05 燕山荘11:10−11:40 燕岳(2,763m)11:45−12:05 燕山荘12:20−15:35大天井ヒュッテ(泊)

9月30日(土) 晴れ

 小屋番の勧めに従い暖かな朝食を摂って出発。日の出時刻の5時45分頃は赤岩岳手前の2,643m点付近、常念岳の右に富士が朝焼けの中に見えるが雲が多過ぎる。天上沢にはガスも無く槍・北鎌尾根はその全貌を見渡せるが、東の空に居座る雲と湿気の多い空気のためか陽が弱く写真を諦め先を急ぐ。

 赤岩岳、西岳のピークを割愛してヒュッテ西岳で休憩。ここのテン場はロケーション抜群で這松に囲まれ快適そうだ。西岳の西斜面と紅葉、槍の東鎌・北鎌の岩稜が好アングルであるが太陽は雲に遮られたまま、長めの休憩を取り待つも断念。

 西岳から急降下して水俣乗越に、皮肉にも漸く薄日が当たり始め紅葉も冴え始めた。ここからは槍沢を上がってきた人が合流し賑やかになった。岩稜っぽい急登で高度を稼げるのが気持ち良く、槍の岩塔がズンズンん迫ってくる。ヒュッテ大槍にて大休憩。

 ヒュッテから先は緩やかな登り、左下の槍沢を大勢の人が列をなして登ってくるのが見える。団体さんも居るようだ!穂先の登りで巻き込まれたくない。しかし、山荘にザックをデポして穂先へ取り付くも既に渋滞は始まっていた。登り30分、下り30分と閑散時の倍の時間を喰ったが、山荘直前で登ってくる団体さんと擦れ違い滑り込みセーフ也。

 大喰岳の登りは意外ときつかった。時間経過の疲労蓄積と歳?による体力低下の産物であろう。大キレットまでのコブ(大喰岳や中岳)を気にした記憶は無かったのだが。しかし、予定より早かったのでペースダウン、コブ毎に大休憩、写真三昧。明日、暗い内に通過することになる天狗原への分岐を確認後、正面の北穂の姿を楽しみながら南岳小屋に着く。

 荷物を整理して一休み後、ビールとつまみ、防寒着を携えて獅子ヶ鼻(北穂の展望台)へ。暫し至福の時間。17時半、夕日に照らされた北穂の岩肌が色褪せた頃小屋に帰る。



<タイム>
大天井ヒュッテ 5:20−7:10 西岳ヒュッテ7:30−9:50 ヒュッテ大槍 10:05−10:50 槍ヶ岳山荘 10:55−11:25 槍ヶ岳(3,180m)11:40−12:10 槍ヶ岳山荘−12:40大喰岳12:50−13:20 中岳13:30− 14:55 南岳小屋(泊)

10月1日(日) 快晴

 好天の日曜日とあって上高地は混雑必至。路線バスも整理券乗車となるので、南岳からの御来光を諦め早立ち。横尾尾根に入る頃は薄明るくなり鎖場も不安無い。今回3日間で最高の天気早々と下りるのはもったいない。常念岳右肩から出る御来光と富士を仰ぎ大休憩尾、槍と穂高の見える岩のテラスで今度は朝食休憩。

 氷河公園らしいモレーンの間を歩き、辿り着いた天狗池は思ったより小さかった。水面に槍が映る絵はがき的写真を撮り、槍沢周辺の紅葉を愛でる。今朝からここまでに出会った人は4人の静かな山であったが、槍沢に出てからはかなりの人出、昨夜の槍沢ロッジは大混雑であったと思われる。



 横尾に着くと都会の雑踏のような人混みとなった。橋の袂にある桂の大木は未だ色づきが浅く、休む手頃な場所も得られそうになく先を急ぐ。とにかく凄い人出だ、追い越しても追い越しても人の姿が途切れない。人混みの中を歩くのは疲れる。同じ歩くのならば、バスターミナルまでどの位で行けるのかやってみることにした。結果、横尾〜バスターミナルは1時間55分であった。自身の記録更新!

 お陰で予定より1本早いバスに間に合い、中央道も大きな渋滞に捕まらずに帰れた。しかし、誤算が一つ、お目当ての蕎麦屋が14〜16時は休憩中であった。

<タイム>
南岳小屋4:35−5:05 2,920m付近 5:20 −5:35 2,780m付近5:50 −6:00 横尾尾根天狗原下降点 6:10−6:35 天狗池 6:45−8:25 槍沢ロッジ − 8:55 槍見河原9:15−9:40横尾−11:35上高地 12:00→(バス+電車)→14:36 穂高駅・駐車場15:00 →(中央道)→18:00 上野原IC

記:田中

燕岳〜南岳 写真

 


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