ら・ねーじゅ No.3
1976.4月号
飯士山
ツァースキー(標高:1111m)
1976年3月14日
メンバー:鈴木和雄(CL)・八代嘉子・田中道子
大成功でした。初めての参加で、しかもピーカンです。戸隠も栂池も、悪天や、
アクシデントでツァーが出来なかった。こんなに良い条件のツァーは初めてです。
しかも水上から岩原までは昔の一等車というシロモノに乗車したのです。
水上駅待合室でもベンチでぐっすり。このアイデアはさすが抜群と思いました。
今年2、3回のゲレンデ行にはなかった嬉々としたものが心の中にいっぱいです。
しかし、しかしです、岩原での足ならし、ひどい雪で、「あー、これから超えるの
も、こんな雪が続くのかしら、どうしよう」とがっくり。そのうち雪がくさってき
たようです。リフト終点よりの飯士は鋭いナイフエッジの雪稜です。「オヨヨ、ピッ
ケルなしじゃヤバイナ」と思いました。CL(鈴木和雄)は「ザックここに置いて
いこう」と言います。「そうですね」とは言いましたが、たぶん緩斜面の付近まで
だろうと思っていましたら、すごいのです。キックステップでズンズン行くではあ
りませんか。くさっているので登りはよいとしても、時折後を振り返りながら、「下
りはいやったらしいなー」と恐怖心を持ちつつ。背に陽光を浴びながら。ラストで
したので、下りのためにもステップを深くしながら進みました。
空身なのでスリップしたとしても止まるとは思いましたが、両方スッパリと切れ
落ちている。そして我々のトレースがくっきりとついています。ピーク直下は雪が
落ち、さらに急傾斜で雪庇も張り出しています。これでは下りがたいへんです。気
温も上がり、雪がダンゴになって靴底につき、ストック両手でもなぜかたよりがあ
りません。頂上直下30m?でUターンしました。正解でした。あとは昼食前、食
後の一本ずつの滑降をいれての満足の一日でした。皆さんありがとう。田中記
コースタイムなし
ルート図なし
電子化 遠山