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ら・ねーじゅ No.40
1979.5月号


八幡平畚(もっこ)岳スキー登山      

                       1979年3月22日〜24日 
                                藤谷和正記 

3月22日                               
 八甲田59号21:08発。                        


3月23日                               
 盛岡5:29着。行動食2袋をもらう。朝食後、盛岡から参加の川村さん(小学 
校の先生)が合流。バスで八幡平大黒森スキー場へ。ここでオーバージャケットを 
つけ、スキーを手にリフトを2本乗る。椅子と雪面の間がなくて足が押し曲げられ 
てちょっと恐ろしかった。 今年は積雪2mなのにこれだから、いつもの年はどう 
なっているのだろう。                            
 層雲からの降雪と地吹雪。藤谷がトップ、CL鈴木氏(都職山の会)がラスト。 
すぐ大黒の下り。早くも転倒が出る。雪が少ないので這松・青トドが斑に見える。 
シールをつけたまま、恵比寿森まで小さな登降を繰り返す。大黒森コースという丸 
いNoプレートがずっとついている。ただどういうわけか、裏側からは役立たずに 
できている。左折してゆるやかに登ると真新しい「茶臼山荘」に着く。茶臼岳は岩 
稜がごつごつと見え、東面をトラバースするのだろうと思う。休憩、非常電話もあ 
り、薪も階下にたくさんある。ここよりシールをはずして黒谷池までの緩い下り。 
だだっぴろくてプレートがなければ迷うだろう。あと2m積もってちょうど隠れる 
くらいの高さにある。夏は幅広いハイキングコースなのだろうか。コース上には樹 
がない。畚(もっこ)岳が見えるあたりでは漕がないと全然滑らない。雲からあす 
の天気は悲観的。黒谷池でシール装着。ここは樹が少なくて風の通り道。この登り 
で今日は終わりなので楽楽ムード。頂上に社のようなものがあるピーク。源太森・ 
竹笠が指導標として立ててある。ここより左折して、さっきから見えていた稜雲荘 
へと、漕いで降りる。                            
 ココアを飲むと我々は小屋の西にある斜面で滑りを楽しむことにした。重くてゲ 
レンデ作りに大半を費やした。○と△の指導標がある。○は西へ、△は南へ続いて 
いる。滑ると源太森と茶臼岳がぽこんと出ていて面白い。            

【コースタイム】                          

八幡平スキー場   9:30     リフト山頂駅 10:10/45
大黒森 恵比寿森 11:05     茶臼山荘   12:00/35
黒谷池(湿原)  13:00/15  源太森    14:00   
八幡平稜雲荘   14:20(○の287番)            


3月24日                               
 今日も南風、朝食はひじきご飯。○の指導標に従って登っていくと、樹氷群が現 
れた。ここで左へ方向を変えていくと前方が見晴らせて、岩手山・秋田駒・乳頭山 
・森吉山などが前にある。だいぶ西によりすぎたのがわかったので南東に進んで修 
正。△プレートの本来のルートに出た。アスピーテラインの休憩所のところからは 
クラストしている。藤七温泉への下りは明瞭でもっこリおじさんは我々と同じよう 
に○と△の指導標を取り違えたのだと思う。単独行氏が追い抜いていく。彼が登頂 
して降りてきたとき我々はシーデポ。南風で曇りなのですぐ下山。シールをはずし 
て、藤七温泉まで。シールをつけて片斜面の登高を始めると松村さんの#300が 
たびたび外れる。そのうちネジがゆるんでいるのが見つかった。左右全部がまった 
くぐらぐら。もう一名の#300も同じだった。これを締め直したがはずれるのは 
改善されるはずもない。休憩所からは△プレートに従う。見返峠にはトイレがある 
が入り口は雪で埋もれている。稜雲荘に向けシールで降って行くと先に帰った単独 
行氏が○プレートに従って登って行くのが見えた。小屋には単独行のひとがふたり。
もっこりおじさんはもういなかった。小屋日記によると神戸の人で43(?)才。 
残りご飯をおじやにして食べ、各自の行動食を食べる。             

 ○プレートに従ってシール登高。○300番の八幡平山頂でシールをはすず。雪。
樹氷群の中をゆるく下り、やや登る。あとは緩い下り。樹林の下りになめと転倒が 
出るが、シュプールのないところを選んで好きなところを滑るのが楽しい。欲をい 
えば膝までの粉雪ならなあ。少し重いのだ。夏道とアスピーテラインの出合の手前 
で休憩後アスピーテラインまで出た。○の111番。ブルとロータリーで除雪して 
いる。当たるとけがをしそうだ。雪のがけの上を恐る恐るトラバースして蒸ノ湯へ 
向かう。温泉の噴出の上のトラバースは恐ろしい。通り越してから見ると雪庇のよ 
うになっている。蒸ノ湯への車道上は雪があって、シールなしでも登れた。風が強 
い。ひどい湿雪。リフトが見えた。椅子が着いていない。蒸ノ湯に滑り込んで楽々 
と山毛森(ぶなもり)を超えるつもりだったのに、少し戻ってシールはつけずに山 
毛森東面〜北面の裾を登行する、○110番。蒸ノ湯は営業していないようだ。リ 
フトの頂上駅へつくと山毛森西面のリフトは動いている。少し休んで山毛森スキー 
場へ下る。樹林の中がリフトの終点で、自由に樹林の中を下れる。いいスキー場だ。
ただリフトが西と東に1本ずつ。ゲレンデ下部は単調だ。雪の中を格好つけて滑る。
 八幡平観光ホテル。このホテルでも温泉に入れてくれるでしょうというのでさっ 
そくもどる。女の子のほうが少しは効果があるだろうということで松村さんが入っ 
ていく。温泉も入れてくれるし、テントも近くに張っても良いということで大喜び。
ホテルのすぐ上、スキー場側に張る。フライがないのが心配。          

 夕食はミックスご飯。これがすこぶるうまい。もちろん米使用。そのうち心配し 
ていたとおり、雪が雨に変わった。 内張りのおかげで直接降りはしないが水が溜 
まって困る。排水しながら、清水(武蔵野市職員山の会)・矢部両氏の面白い話を 
聞いて時を過ごす。が、雨はおさまりそうもない。ついに使者を1名たてて、ホテ 
ルと交渉、全員テントを後に素泊まりすることになった。現金なもので、そうなる 
と酒だビールだとなってしまった。温泉にも浸かって。             

【コースタイム】                          

稜雲荘  7:15       藤七温泉下降点   8:30/45
畚岳   9:20/35    藤七下降点    10:05/25
稜雲荘 11:30/12:35 八幡平頂上            
山毛森 15:00       八幡平観光ホテル 15:30   

コース図:記載なし                             

                               電子化 遠山 


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