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ら・ねーじゅ No.41
1979.6月号


尾瀬至仏山春スキー               
                         1979年5月2日〜5日 
            メンバー  大塚・森野・桑木野・蓮田・坪井・矢口等 
                               矢口政武 記 

5月2日夜                             

 東京スキー協の尾瀬至仏山春スキーにツァー担当として参加する。       
 5月2日夜スキー協前より、バス1台28人(途中より茨城4名参加)で出発す 
る。                                    


5月3日 ・・・至仏山ムジナ沢を滑る・・・             

 戸倉でマイクロバスに乗り換え、鳩待峠まで入る。本隊は直接山の鼻の尾瀬ロッ 
ジへ、至仏ツァー班は4名の希望があり、6:30鳩待峠を出発し、7:15第一 
ピーク1866.9m。8:15オヤマ田代の稜線。晴れたり、ガスがかかったり 
で時たま展望が利く。登るに従い風が強まり小至仏山への登りにはアラレがぱらつ 
いた。気温も低く、風に乗って雪煙が舞い上がるほどであった。登山者・ハイカー 
の数が多く、スキーを持つ我々には好奇の目を向ける。鳩待峠より約2時間半、9 
時5分前に至仏山(2228m)山頂に到着。 ガスとアラレ混じりの山頂を9時 
10分にスキーをつけて滑り始める。ガリガリのアイスバーンである。北東に張り 
出した尾根の左側から、廊下状に残る雪をたどりムジナ沢に入る。        

 途中から右に巻き込み、樹林帯を快適に飛ばして、尾瀬ロッジに11時に着く。 
標高差800mの滑降はアッという間であったが、快調な滑りであった。午後から 
は散策となり、ムジナ沢出合・カッキリ堀への道を見に行く。残雪が少ない割には 
まだ通行は可能であり、夜の天気図を読んで平ケ岳行きを決意する。平ケ岳行き打 
ち合わせ会には14人集まった。はたして何人本当に参加するか?        


5月4日 ・・・平ケ岳ピストンツァー成功・・・           

 快晴、6時尾瀬ロッジ出発。約束の時間に出発できたのは私を含めて6名であっ 
た。朝食抜きで弁当2食を宿からもらい出かける。ムジナ沢出合・柳平・カッキリ 
堀出合など猫又川をさかのぼる。左俣に入り400m程行くと川が二俣になり左手 
前方に張り出している尾根に取り付く。                    
 ここまで山の鼻の宿から1時間。一休みしていると後発隊が追いつくがすでにだ 
いぶんバテ気味であり、ここで平ケ岳行きはあきらめる。            
 尾根を登りつめて、ススケ峰には9時に到着。めざす平ケ岳が大きく迫まってく 
る。ススケ峰より平ケ岳行き最初のひと滑り快適そのもの今までの苦しい登りも一 
気にすっとぶ。鞍部から1918mまで登りそこから白沢山鞍部まで右側斜面を大 
きくギルランデを使い滑りこむ。                       
 白沢山へのだらだらの長い登りに一汗かく。いよいよ目前に白い大きな平ケ岳が 
迫る。                                   

    平ケ岳 雪踏みしめて行く道は                    
    はるかな思い出 たどり行く道                    

 平ケ岳の斜面を滑る人影もはっきり見えてくる。白沢山から左へゆるく下る斜面 
をひと滑りして、平ケ岳への最後の登りになる。ぎらぎら照りつける太陽を背に受 
け、周囲に低くなってゆく山々に励まされてゆったりとして大きな白い斜面を登る。
山の鼻を出発して以来6時間で平ケ岳の頂上に立つ。大塚さんのひげが笑い、森野 
さんの顔が一層丸くなり、桑木野さんのめがねが光り、蓮田さんの顔がほころび、 
坪井さんの黒い顔から白い歯がのぞく。全員登頂の喜び握手握手。6名のメンバー 
の誰もカメラを持参せず、居合わせた人に写真をとってもらう。 蓮田さん持参の 
8mmカメラは360゜の展望をフィルムに収めるのに忙しい。思い出のある峰々、
これから登りたい山々を飽くことなく眺める。30分ほどののち帰途につく。山頂 
から大斜面を一思いに滑り大きく大きく弧を画く。               
 全メンバー快調に滑る。                          

    スキーかり 大きな斜面 ひといきに                 
    滑りおりるは 平ケ岳の峰                      

 往路の登りは全て滑降の対象となる。このツァー行最後の登りとなるススガ峰の 
登りは全員バテバテの状態であった。それでも平ケ岳から3時間の行程である。ス 
スガ峰から取付点へひと滑り。残雪が少ないことを計算に入れたつもりがちょっと 
間違えたことになり、沢のへずりをみんなに強要することになった。再びスキーを 
つけ、宿をめがけて(ビールめがけて)スキーを走らせ5時には宿に帰投すること 
ができた。                                 
 延べ11時間の行動は少々きつかったが思いでに残るツァー行であった。    


5月5日 ・・・見直した至仏山の斜面・・・             

 尾根の大滑降、本日も快晴。ムジナ沢とカッキリ堀の間に伸びる尾根を滑るため、
今回の参加者の全員でムジナ沢の出合に向かう。トン汁の用具を出合にデポして尾 
根を登ること約2時間で、至仏山北側の稜線の一角に出る。この尾根が非常に滑り 
やすく、樹林帯に入っても快適に滑ることができるので、全員思い思いにシュプー 
ルを刻んだ。トン汁での楽しい昼食のあと、至仏山へ登る人たち、尾瀬ヶ原散策の 
人たち、再び尾根を登る人たちと別れ、それぞれに春の尾瀬ほ楽しんだ。夜は大交 
流会が盛大に行われ、テント使用で来ていたSUBクラブの人たちも加わり楽しい 
一時を過ごした。                              


ルート図                          
  

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