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ら・ねーじゅ No.151
1988.6月号


オートルート
【概念図】
1988年4月25日〜5月8日
メンバー:馬場修爾(山幸・雨宮_スキーツアー16名)
山スキーを始めて何時の間にか十年になった。今年で停年になり嘱託になったのを機会に、念願のオートルートに行くことにした。単独だし初めてでもあり妻も参加することになったので、雨宮さんのツアーに参加した。
4月25日(月)
今日はロープウェイ2本を乗り継いでエギーュ・デュ・ミディ。3本目の4人乗りゴンドラでエルブロンネに着いた
ジェアン氷河。メール・ド・グラス氷河を滑ることになった。ガイドのジル、雨宮氏夫妻、現地でハンバーグ店をやっている通訳係りの日本人夫妻を含めて19人になった。
前日に新雪が5.6cm位積り、20度位の斜面を快調に滑った。クレバス帯は、ガイドのトレースを外さないよう注意した。町に近くなって、雪が消えていて何回かスキーを外して担いだ。
最後は、35度位ある幅4〜5mの斜面、雪もザラメ雪で苦労しながら滑り降りた。滑降距離14km。高度差2400m。
【タイム】  ロープウェイ乗場10:00→エギーュ10:30→エルブロンネ11:00→シャモニー16:00
4月26日(水)
今日は風が強く、天気も悪いので、買い出しやスキー用具の整備で1日を過ごした。
4月27日(水)
今日はいよいよオートルートに出発だ。残留組の3人を除いて15人自動車でアルジェンチェールのロープウェイ駅に着いた。何時の間にか雨が降ってきた。ロープウェイの途中から雪が降ってきた。2本乗り継いで頂上に着いた。
視界も10m位で、30度位の斜面、雪も15cm位積っている。慎重にアルジェンチェール氷河を滑った。天気が良くならないので予定を変更して、1本目のロープウェイ乗場まで滑った。
電車、バスでシャンぺの山岳会の山小屋に着いた。残念だがシャンぺまでのコースは省略することにした。
【タイム】  ホテル出発8:00→ロープウェイ乗場9:00→終点9:30→ロープウェイ中間駅10:30/電車11:30→シャンぺ16:00
4月28日(木)
専用バスでべルビエのロープウェイ乗り場に着いた。4人乗りのゴンドラに乗り、アトラスの終点に着いた。
ガイドのジルを先頭に左から雪崩の出そうな斜面を50mおきに斜滑降で慎重に滑った。間もなく今日の宿のモッホ小屋に着いた。
【タイム】 
シャンぺ10:00→バス ベルビエ12:30→アトラスの終点13:00→モッホ小屋14:00
4月29日(金)
今日はプラフルーリの無人小屋まで行く予定である。ツヨー氷河をシール登高でコル・ドラショーまで登り滑降・登高でプラフルーリ無人小屋に着いた。
【タイム】  モンフォー小屋8:00→コル・ドラショー9:30→3039mの峠11:30→ブラフールリの無人小屋13:00
4月30日(土)
ヘッドランプを付けてシール登高し、デイス湖に滑り降りた。途中アローラからブラッシュまでスキーマラソン大会がありフランス、スイスのテレビで放映されたそうだ。ゼッケンを着けた老若男女が1000人位クロカンスキー・山スキーですれ違って行った。
軍隊がチェックポイントで食事や飲み物をサービスしていた。雨宮さんが知らずにコースに入って兵隊さんにしかられたそうだ。
デブリが多く雪崩の危険のある斜面を斜登高をしながらデイス湖に別れを告げ急斜面をシール登高した。太陽が照りつけ大汗をかきながら長い登りを頑張った。デイス小屋についた時は雪を食べすぎたせいかバテてベッドでしばらく休んだ。
【タイム】 ブラフル―リ小屋5:30→デイス湖8:00→デイス湖登り口10:00→デイス小屋13:00
5月1日(日)
朝食を済まして窓を覗くと雪が降っている。風も非常に強い。しばらくして雪は止んだが相変わらず風が強い。
ガイドのジルが心配して望遠鏡でピンタアローラの方角を見ている。今日は最終のプクタン小屋までの予定だが行けるかどうか心配だ。
ガイドのジル、雨宮さんを残して斉藤さんをリーダーに出発する。堅雪の斜面をシール登高する。風はいくらか弱まってきた。先行パーティが小さく見える。コル・ド・セルバンテスに登った。途中新雪の下に氷河がガチガチに凍っていた斜登高に苦労した。心配してジルが滑落しないよう下で待っている。先行パーティはスキーを担いでアイゼンで登って行く。我々はスキーにクトーを付けて登った。
雪まじりのガスで視界が良くない。ようやくピンタローラ3796mに着いた。行動食を口にし、新雪の35度位の斜面を転倒しないように滑り降りた。
途中ガイドのジルも視界が悪いので、左に降り過ぎ修正した。ベイネット小屋の近くの急斜面で天候が良くならず明日も晴れる見込みが無いので予定を変更してアローラに降りることになった。一番滑りのコースの長いオートルートに行けないのは残念だが、あきらめざるを得ない。今度来る機会があったら是非滑ってみたい。
ビニエット小屋からアローラのスキー場で滑った下の方はザラメ雪で滑りにくかった。小型のタクシー(ワゴン車)の中に16人乗って、タッシュの駅に着いた。
ツェルマットまでは一般車は乗り入れ禁止である。町の中は電気自動車が走っている。
【タイム】  デイズ小屋8:00→コル・ド・セルバンテス10:00→ピンタアローラ12:00→ビニェット小屋13:00→アローラ13:30→(自動車)→ツェルマット17:00
5月2日(月)
今日は風が強く、マッターホルンもガスに隠れて姿を見せない。クラインマッターホルンまで行こうとウインケルマッテンのロープウェイ乗り場まで行ったが、風が強く上の方のロープウェイが動かないというのでホテルに帰った。
午後遅くなって天気も少し良くなったので、ゴルナグラードまでスキーを持たずに登山電車で登った。風が強く視界が効かず時間も遅いせいか滑っている人はいなかった。
5月3日(火)
今日は快晴で、待望のモンテローザ4634mの頂上の下までヘリスキーで登ることになった。町はずれのヘリポートまで歩いた。ガスが出てきて視界が悪くなり、ヘリコプターはなかなか飛ばない。ダメかとあきらめていると晴れてきた。10分位であっという間に頂上下の雪原であった。4人乗りで、4回で全員集合。
新雪の急斜面を久しぶりに快調に滑った。山小屋のあるところまで長い快調な滑りだった。マッターホルンと周りの4000m級の山が360度の展望でみごとであった。
斜度も緩くなりスキーを漕いで最後の急斜面を滑り、石ころの出ている雪面を通り、雪も消えた登山道を歩いて、1番目のロープウェイ・フーリ駅に着き、ビールで乾杯した。
先に日本に帰る2人と別れた。
5月4日(水)
電車でブリグーバーゼル駅に着き、専用バスでハイデルベルク着。
5月5日(木)
ハイデルベルクでハイデルベルク城、市内を見学。古城街道を通りローテンブルク市内見学。フランクフルトに着き、夜行寝台に乗った。
5月6日(金)
パリ市内見学。

5月7日(土)
パリ発(北回り)
5月8日(日)
成田着
電子化 作野