Last Update : 2005/06/26  戻る

芝倉沢
2005年4月9日 快晴
メンバー 3名

午前8時18分天神平ゴンドラ頂上駅を出発。天神尾根に架かるリフトはまだ動いていない。シール、スキーアイゼンを付け、天神尾根に登る。人が多い。中に旧式の山スキービンディング(マーカM4TR)を付けたスキーを持った相当のお年の人も見受けられる。そのグループは谷川岳往復だそうだ。天神尾根に立つと、谷川岳が迫ってくる。西黒沢にクラックのひだが見える。途中、1月16日の雪崩遭難現場を通る。注意書きの紙が木に貼られていた。そこは一見なんでもないトラバースのように見えたが、雪崩れたと思われるところには木々が無く、そんなところは雪崩れやすいのだなと改めて思った。西黒沢も雪崩の黒い跡が一筋出ていた。

避難小屋は雪に隠れて見えない。オジカ沢の頭を左に見ながら、肩の大斜面をひたすら登る。肩の小屋を左に見て頂上へ。頂上では360度の大展望である。遠く浅間が煙をたなびかせている。また日光連山、尾瀬の燧、越後三山も見える。近くには万太郎山、仙の倉、平標山、苗場山。またいく手にはオキの耳が迫り、一の倉岳、茂倉岳が手に取るように見える。

小休止の後、アイゼンを付け一の倉岳へ向けて稜線を出発。谷川岳頂上まではフリース手袋で問題なかったので、手袋はそのままで出発。しかし、毛の手袋に替えるべきであった。指先が痛いくらい冷たい。オキの耳を通過。11:18。ここから石楠花と熊笹帯で悩まされた。潅木のまわりに空洞が生じ、雪が薄くなっており踏み抜き多発。股までもぐると足を抜くのが大変で腰がおかしくなりそうであった。(実際、3,4日腰が痛かった。)

いよいよ一の倉岳への登り。(その前に、一の倉岳左手下の斜面を登ってくる一団を発見。何処から来たのか?)一の倉岳頂上到着。12:51。一の倉岳頂上でも360度の展望を楽しむ。

さあ、待望の滑降である。頂上から真下を覗くが、見えない。凸斜面である。長谷川、鈴木両氏は頂上からドロップした。私は、茂倉岳との鞍部近くで下が見えるところから入った。芝倉沢源頭部は硬い雪質であったが、エッジは僅かに効くので、2ないし3回転ずつで停まりながらスピードをコントロールして慎重に高度を下げていく。源頭部の2/3を滑ったところあたりからノド部までの部分で、斜度も落ち、雪質もザラメに変わってきたところが最も良かった。ザラメの快適滑降。

ノド部から芝倉沢全体が見通せた。さすが4月!ノド部は雪に埋まって、以前5月中旬に納会で来たときのような両脇の岩からの圧迫感は無い。大岩(埋まっていた)付近から芝倉沢の核心部の雪質はザラメから少し湿雪気味。この芝倉沢核心部の滑りはアルペン的で圧巻であった。芝倉沢中間より下部の雪質は湿雪。左岸からのデブリが出始める。

以下はデブリのオンパレードである。(先週の山スキーメーリングリストによると、デブリは出ていなかったとのこと。この一週間気温が高く落ちたものらしい。)S字のところは武能岳からの雪崩で真黒。S字直前のデブリ、S字のデブリとも凄い。沢幅の2/3はデブリで覆われていた。デブリの脇を注意して横滑りで進む。S字下から堰堤までの間も右岸からのデブリが沢幅一杯に広がり進めない。仕方なくデブリの上をスキーで横断する。デブリの雪塊は意外に柔らかかった。

虹芝寮14:05着。小休止後、湯檜曽川川原を行く。マチガ沢出合付近の対岸にものすごいデブリがあった(オー、怖い)。土合口14:55着。

鈴木さんご推薦の飲用できる天然温泉(筋肉痛、関節痛、疲労回復に効く)「諏訪の湯」(300円也、水上町高日向)で癒し、400cc温泉を飲んで帰京。

〔コースタイム〕
ロープウェー頂上駅8:18→天神尾根1675m9:58/10:05→谷川岳頂上10:46/11:05→オキの耳11:18→一の倉岳鞍部12:09/12:25→一の倉岳頂上12:51/13:15→虹芝寮14:05/14:15→土合口14:55

作野記

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